2019.09.10

《2018年11月》 IFFT/インテリア ライフスタイル リビングで見つけた次の暮らしのデザイン

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photo, movie & text: Motohiro SUGITA + Tranlogue Associates



2018年11年14日(水)〜16日(金)、東京ビッグサイト西1・2+アトリウムにおいて、国際見本市 IFFT/Interior Lifestyle Living 『IFFT/インテリア ライフスタイル リビング』が開催されました。
本展は、東京から世界へ向けてライフスタイルを提案し、アジアを牽引するインテリアデザインのための国際的なB to B/商談見本市として開催されてきました。一般来場者は入場できません。
アトリウムでは、特別企画の「はじまりの仕事展」が開催されました。ひとつの商品が誕生したストーリーにフィーチャーした展示でした。
スタイリングが、商品の目に見える部分のデザインとすれば、ストーリーやコンセプトは目に見えないデザイン。
見えないものをどう伝えるか? 改めてその重要性と難しさに気づかされた展示でした。
目に見えないデザインは、開発プロセスでその本領を発揮。発売後はブランディングやプロモーションなど、広報・広告を通して、見える化していくことになります。
メディアを通して次の暮らしをデザインするトランローグは、
会場に出展社を訪ね、取材しました。
在宅ワークやコワーキングスペースにおけるソロワークを想定した、1人用狭小ワークスペースともいえそうな提案が、今年の特徴のひとつとして際立っていたようです。


はじまりの仕事展

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龍精密工業株式会社

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龍精密工業株式会社 は、福岡県久留米市をベースに木工用刃物の製造と研磨、レーザー加工などを行う。デジタル技術のよるレーザー加工は、天然木からMDF、アクリル、石、布、革、紙までさまざま、とのこと。切り絵作家とのコラボレーションによる行灯“華日(はなび)”は、2016年クールジャパン選定商品で、2017年筑後川ブランド認定商品だそう。
写真下は、アクリルと木、アルミの継手仕口。さまざまな素材の加工を専門に行う同社ならでは。異素材による在来構法が現実に見られる日がくるかも知れません。


manuf|TAKAYAMA

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福岡県八女郡広川町をベースとする株式会社たかやまがプロデュースするmanufは、工業製「手」工業的家具を標榜。
機械と、職人の手の加減でうまれる家具を目指し、手直しができるよう、無垢の木材を選択。自社工場で全工程の作業を行い、次の世代へ技術を継承することで、いつまでも手直しができる家具を約束しているとのことです。
写真は、軽量なペーパーコードを編んだ、ハイスツールやベンチ。軽快で良質なデザインは、さまざな次の暮らしにフィットしそうです。


日田家具工業会

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大分県日田市は83%が森林だとか。明治後半から森林資源を生かした木工品の生産が盛んに。現在では、箱物の大川、脚物の日田、と言われるほど、一大産地となっているそうです。日田家具工業会は、昭和29年に設立、昭和42年に改称。今回トランローグが注目したのは、仕事をしたり、映像を楽しむ際、1人で集中できるシェルターのような家具。複数人で団欒しやすい楕円形の炬燵。おが屑を詰めたソファ。紙管を並べたベンチなど、木を素材から見つめ直した提案。このような根源的な提案が、私たちに気づきや共感を与え、次の暮らしを先導してくれる、と期待します。


Nokta

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Nokta は、マレーシア、クアラルンプールをベースとする家具メーカー。予め自然染料で染められたFSC認証のエンジニアード・ウッドに突板を練りつけた板材を、コンピュータ数値制御のCNCルーターを用いてカービング。木部はすべてオイル仕上げ。突板のオプションにも、持続可能な森林から調達された無垢の芯材が用いられるなど、環境面にも配慮しているそう。シンプルだけれども、どこか懐かしく愛着のわくデザインです。


L.A.DEPO|株式会社アクセスホールディングズ

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L.A.DEPOは石川県金沢市をベースに、2016年12月スタート。「アメリカンヴィンテージ品を通し、物を大切にする文化を取り戻す」「音楽とヴィンテージ品を通し、人の輪をつくる」を目的としているそうです。展示会では、FC店・販売店を募集。本部がFC店を含めてネット通販を行うため、容易にネット売り上げも見込めるとか。
ひとつの世界観をまるごと大量に普及させる方法と楽しさが垣間見られた展示でした。


Natural Craft Connection Enterprise

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Natural Craft Connection Enterpriseは、フィリピンをベースに、アバカ素材による家具やラグ、雑貨を製造・販売しています。アバカはマニラ麻とも呼ばれますが、麻ではなくバナナや芭蕉と同族で、耐光性、耐水性に優れ強靭で、船舶係留用のロープや日本銀行券にまで使われているそうです。
植物繊維をそのまま使った素朴な製品は、丈夫で長持ちするという実用性ばかりでなく、自然と乖離するモダンな生活空間にも、自然の持つ優しさやパワーを与えてくれます。


+ design|Evis Furniture

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Evis Furnitureは、さいたま市をベースに、オフィス家具を中心とする家具メーカー。1965年に日本初の脚折れ座卓を発売以来、天板を回転させて収納しやすくしたフラップテーブルが主力商品とか。
さらなる可能性を追求するプロジェクトが+ design。橋脚をイメージし、ワイド4.2mの天板を4本の木製脚で指示するBrace。脚を強固に保持するインナーユニットにより、多種多様なデザイン脚を展開可能にしたOne Port System。強さと美しさが、次の暮らしをより快適にしてくれそうです。


Picnic Mat/ Bag|JOHNSON World Group Corp

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ヨハンセンワールドグループはフィリピンをベースに、木製家具を中心とする家具メーカー。トランローグが注目したのは植物性材料を編み込んだピクニックマット。広げた時の質感、肌触りはもちろん、バッグとして収納した姿も、とても上質で心豊かな印象です。プラスチック製のレジャーシートで簡単手軽なアウトドアライフばかりでなく、環境や景観にも配慮したエシカルなライフスタイルも実現しなければいけません。


ligne rose(R)

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フランスをベースに1960年代半ば、社会の原動力になっているベビーブーマー世代に注目し、音楽を聴いたり、本を読んだり、楽しく会話したりするソファが時代のニースをつかんだligne rose(R)。優れたクリエイションは、時代の反映でなければならないという。最近はクラフトマンシップと自然素材への関心が高まっているとか。
写真のL’IMPREVUは、快適さとマルチファンクションをテーマに、2台合わせるとクインーンサイズの本格的なベッドになるそう。足を上げてソファの上でくつろぐスペース、深く座るスペース、浅く座るスペース。それぞれ3種類の奥行きがあります。また、3つの独立した背もたれは取り外しが可能だとか。
同社の取り組みと製品は、マーケティングの科学的な洞察と、アートのインスピレーションの融合により、これまでにない革新的な家具が生み出されることを教えてくれます。


MARUKI|株式会社丸紀
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和歌山県三浜町をベースに、和室造作材の邸宅別販売などを行う株式会社丸紀。
ひとつひとつ異なる表情をもつ個性ある木と向き合い、木と人をつなぐことを目標としているそうです。
トランローグが注目したのは、“壁掛け棒”という名の、掛け軸上の薄い板。樹種やサイズによって7,560〜8,640円という価格帯ですが、それ以上の存在感、価値があるように見えました。
普段見慣れている木でも、やっぱり木っていいな、と思わせるプレゼンテーションが、人と木の新たな関係をつくり出してくれるようです。


金澤屋

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群馬県高崎市をベースとする金澤屋は、1836年創業以来、寝具を販売しているそう。睡眠を支え続ける同社が提案するベッドは、オーストリアのリラックス社の2つのシステム。
中写真は、Naturflex BED SYSTEM。木のしなりと天然ゴムのクッションを利用。体に合わせて細かな調整ができるウッドスプリングマットレスを採用しています。
下写真は、RELAX 2000 BED SYSTEM。一個一個独立したムクのブナ板盤が、360度円を描くように柔軟に動くウッドスプリングマットレスを採用。体重移動に連動し、寝返りも楽にできるとか。
心身の健康に大切な眠りが追求される今、一度試してみたいベッドです。


karimoku|カリモク家具

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カリモクは、江戸時代に始めた材木業が元となり、1940年に愛知県刈谷市にて木工業を創設。1960年代からオリジナルの木製家具の製造を開始したとか。
写真上から、MAS Familyは、熊野亘氏デザインによるプロトタイプ。国産ヒノキによる軽量家具で、枡に使われている組継ぎをが使われているとか。
小林幹也氏によるプロトタイプ、HARU。
デンマーク・コペンハーゲンをベースに活動するNorm Architectsによるプロトタイプ。
イノダ+スバイエのデザインチームにより2017年に発表したKUNSTのプロトタイプ。デンマーク・クヴァドラ社の上質な布地のバリエーションを増やし、表情豊かに仕上げるそうです。
国内外のデザイーナーとの協働により、時代にあったシンプルで上質な家具が増えてきているようです。


FINARTE|TAKANO MOKKOU

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FINARTEは、1985年に設立されたフィンランドをベースとするスカンジナビアンラグのデザインハウス。ポルトガルの独自工場で生産を開始し、インドの手工芸メーカーと協働。伝統と最新の技術、確信的なデザイン、再利用可能な素材、東西のバランスが取れたラグをつくり続けているそう。
北欧、南欧、インドといった、遠く離れた地域の良さが、製品に結実した成功例と言えそうです。


woodio

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森の国フィンランドをベースとするwoodioは、伝統とイノベーションをテーマに、保有する資源を生かす取り組みを行っているそうです。
木材チップを型に入れて鋳造したベシンは、100%耐水性で、フィンランドで設計・製造されているそうとか。丸い形のSOFT四角いCUBE。2つのコレンクションがあり、それぞれにマットと光沢、さまざまな色のバリエーションがあるそうです。
再生可能な植物性材料を使うことで環境にやさしく、持続可能な暮らしを実現してくれそうです。


LOHATES|MazRoc × graf

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1921年創業のバリアフリー商品を提供するMazRoc(マツ六株式会社)と、大阪をベースに「暮らしのための構造」をキーワードにものづくりから考えるクリエイティブユニットgrafによる、“いっしょにいるとうれしく、そばにあると安心する、家族のような手すり”がLOHATES(ロハテス)だそう。
インテリアに馴染み、思わず手を添えたくなる親近感の湧くスタイリングは、次の暮ら
しにやさしく寄り添ってくれそうです。


TOMOYASU SEISAKUSYO

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大阪府八尾市をベースに東京台東区にも拠点をもつ友安製作所は、おしゃれで品質が良く、安価なブランド“COLORS”を通してお客様に、DIYの魅力を体験し、共感してもらうことをコンセプトとしているとか。
展示空間は、カーテンやウィンドウフィルム、フロアタイル、ウォールペイパー、タイル、照明、ペイント、アイアンなどの商品を、社3年未満の若手社員11名がコーディネート。カラクリショーをはじめ、面白楽しくプレゼンテーション。DIYの楽しさがいっぱいに伝わる展示でした。



Haymes|株式会社スタジオアナグラム

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東京都品川区をベースとするスタジオアナグラムは、2007年に創業。建築家やデザイナーたちの想いをカタチにする家具やプロダクトのエンジニア集団を標榜しています。
世界のユニークな材料を販売する自社企画「Materials 第3弾」として、オーストラリアで83年の歴史を持つ塗料メーカーHaymes社のArtisan Collectionを国内で販売スタート。 
チョークや砂、モルタルなど、自然な感触を再現するTEXTURES。ブラシやスポンジなどによる手仕事の風合いを、より自然な表情に仕上げるSURFACE。銅の質感、錆びなどの金属感を演出するMETALLICSなどのコレクションが、多様で深みのある空間を生み出してくれそうです。


THE ORII MARBLE

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昭和25年創業の有限会社モメンタムファクトリー・Orii は、富山県高岡市をベースに仏像、梵鐘、美術工芸品の着色を行っているとのこと。
着色は、銅や真鍮が持つ腐食性を生かし、薬品や炎を駆使して鮮やかに発色させる伝統技術。1mm以下の薄い銅板への発色に成功したとか。素材だけでも、その豊かな表情に見入ってしまいますが、花器などと組み合わせることで、さらに高級感や高品質感を演出できそうです。


COLOR POLYMOCK(R)

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ビート板に使われるポリエチレン樹脂からつくられたカラフルな発泡素材のカラーポリモック。
Material ConneXion Tokyoがプロデュースし、トラフ建築設計によるディレクションとプロダクトデザイン、三和化工株式会社によって製造・販売されています。
オリジナルの配色を混ぜて熱圧着され、ひとつとして同じものはなく、軽量でクッション性があり、断熱性、保温性、加工性に優れる特性を生かし、コースターからクッション、タイル、時計まで商品化されています。
次の暮らしのデザインは、より柔らかく、よりカラフルになるかも知れません。


SAN|正織興業株式会社

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岡山県倉敷市をベースとする正織興業株式会社は、1880年に織物製造業としてスタート。現在では、染色加工事業が中心とのこと。
廃棄する出荷規格外品をアップサイクルしようと考えられたのが、異なる布を積層させたSAN。
柔らかな布が、木や石など、立体的で存在感のある材料に変身。カットされた表面に、偶然にできた模様はとても自然でで魅力的。
家具の扉や壁のパネル、天板や座面、ペンスタンドやトレイに展開されています。
生まれ変わった素材が暮らしのなかにしっかりと溶け込んいく日が楽しみです。


D.I.Y.TILE|藤垣窯業株式会社

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岐阜県多治見市をベースに、タイル・石材等の企画・販売ならびにタイルユニット製造・販売を行う藤垣窯業株式会社が企画・開発した目地付きモザイクタイルシート“D.I.Y.TILE”は、通販サイトならびに代官山で店舗販売されているそうです。
塩化ビニール製のシート上にモザイクタイルが並び、2辺に目地があるため、裏面のシールで、連続して壁に貼ることができます。
そのままで深目地仕上げ。フラット目地用ネットをはめ込んだり、練り目地材で埋めることでより本格的な仕上がりに。
美濃焼の味わいを手軽に楽しむことができそうです。


SiNG|株式会社SING

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福岡県太宰府市をベースとするシリコーンゴム専門のメーカー、株式会社SINGによる生活用品ブランドがSiNG。
シリコーンの特性を手に触れて体感しやすいことから、デスクトップツールを開発したとのこと。
シリコーンならではのマットでしっとりとした質感を生かした、肌で触れたくなるアイテムが展開されています。
発熱の少ないLEDだから、ランプシェードも手触りを楽しめるようになりました。
次の暮らしのデザインは、五感を楽しませて
くれるようです。


TM Series/ USUMONO|ideaco

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大阪市をベースに、2018年にブランドデビュー20年を迎えたideaco。
竹素材にメラミンなどを配合し、紙食器そっくりに表現されたテーブルウェア"TM Series”。紙の貼り合わせ部分まで再現する凝りよう。かさばらず、強度があり割れにくく、持ちやすく、風にも飛ばされにくい優れものとか。使い捨ての多いグランピングテーブルウェアを想定した提案。Red dot award 2014を受賞したとか。
写真下は、2018年の新商品で、オーソドックスでデイリー、アノニマスをキーワードに、バンブーメラミンによるテーブルウェア“USUMONO”。厚さ2mmの薄さで軽く、持ち運びやすく、収納しやすいとか。
2つの商品ともに、次の暮らしをインドアとアウトドアの境界なく、楽しくデザインしてくれそうです。


LEATHER TOWN SOKA PROJECT

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埼玉県草加市とその周辺の皮革関連会社によるプロジェクト。“空間と時間を超えて旅をするプロダクト”をテーマにしたブランド、“HIKER”を展示。
上質な印象の革を中心に、木や金属と組み合わせたアイテムは、旅のお供に、また日常でも旅気分を味わえる、独自の物語や世界観で次の暮らしを豊かにデザインしてくれそうです。


京都晒綿紗|大東寝具工業

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京都市をベースに1925年に創業した大東寝具工業。
“京和晒綿紗(きょうわざらしめんしゃ)”は、綿紗(ガーゼ)を重ねて空気層をつくることで、夏は風を通して涼しく、冬は体温を保って快適な環境をつくる寝具、ウェア、タオルなどのブランドだそう。
“京和晒綿紗”は、綿布を織ったあと、日本に数台しかない和晒窯で4日間かけて不純物や色素などを除去する、昔ながらの“和晒製法”によってつくられているとか。
仕上げに行うのは、天然の沖縄産澱粉による糊付けだけとのこと。
写真下は、“日本のソファ”を標榜する“tetra”。カバーは、8号帆布、デニム、柔道着など丈夫な素材で、インテリアに馴染むカラーや縫製などのバリエーション。
今、一番新しいのは伝統。そう思わせてくれる、次の暮らしのデザインです。


TIME & STYLE|株式会社プレステージジャパン

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1990年ドイツ・ベルリンと東京都江戸川区で起業。1997年、株式会社プレステージジャパン(東京・南青山)に社名変更し、TIME & STYLE HOME(自由が丘)オープン。
TIME & STYLEによるキャビネットは、四方から収納物が魅力的に見えたり、空間の真ん中に置いて楽しむことができる、かつてない家具です。
大胆な存在感とは裏腹に、ディテールはどこまでも繊細。
日本の手仕事、伝統のつくり方を見直し、金物は使われていないそう。高度な金物は或る日突然壊れる可能性があるとか。
補修しながら使い続け、長く愛される家具をつくる意思が、比類なき本物を生むのでしょう。
次の暮らしのデザインに必要なので、意思や覚悟なのかも知れません。
商品は写真上から“Jacket in the Rainbow” “museum cabinet for private collection” “Atari cabinet” “Drawers for creative documents”。
キッチンが部屋や暮らしの真ん中に置かれるようになって久しいですが、家具がライフスタイルの中心に置かれることで、一段と充実した毎日を過ごす。そんな次の暮らしのデザインが見えてきました。


大雪の大切プロジェクト|株式会社大雪木工

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北海道旭川市をベースとする大雪木工が、2015年から始めた“大雪の大切プロジェクト”。
家具デザイナーの小泉誠さんを中心と
した外部ブレーンとともに「ものづくりを続けるための、大切なコト」を探求して生まれたのが、同社が得意とする「箱」と「化粧貼り」による次の暮らしのデザイン。
“1人用シェルター”とでもいうべき、合板で囲われたデスク、ベンチ、本棚のユニット。オープンイノベーションやコワーキング、ホームオフィスが推奨される今だからこそ、1人で集中できる最小スペースが求められるようです。
また、練りつけ合板の技術を生かし、デニムや鯉のぼりなどの生地を貼ったキャビネットは、インテリアとファッションばかりでなく、環境や伝統といった時空を融合する優れもの。次の暮らしが多様で多弁に、さらに楽しくなりそうです。


TA on TA|株式会社三暁

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広島県福山市をベースとし、1951年に鍛冶屋として創業した鉄工所が高齢化のため廃業を決めたため、設備と技術を受け引き継いだ株式会社三暁。錨(いかり)製造技術を生かした家具ブランドがTA on TA(タオンタ)。
熱した金属をハンマーで叩く鍛造による脚部は、他にはない雰囲気、存在感で空間を演出してくれます。
オリジナル商品からオーダーメイドまで、対応しているそうです。
プロダクトやスタイリングばかりでなく、失われる技術、価値を後世に引き継ぐことも、次の暮らしのデザインに求められているようです。


マナビノイス(R) SLANTUP(R)|豊橋木工株式会社

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愛知県豊橋市をベースに成形合板技術を活かし、椅子を専門に製造する豊橋木工は1949年創業。
“マナビノイス”は、“学びの姿勢を守る”をスローガンに、“背筋を伸ばして座るよう導き、良い姿勢をサポートし、学びの集中力もアップするよう考えられた椅子”とのこと。
教育現場での使用を想定し、同社従来品より奥行を10%浅くすることで背筋を伸ば
すことを促しているとか。また、5つのサイズそれぞれに、座面高、座面奥行、背もたれ点(腰を支える点)を最適化しているそう。
SLANTAP(R)は、姿勢を守りながら目に優しく、集中力が持続すると言われる天板の傾斜が20度になるように設計され、持ち運びできるデスクサポート板。猫背を防ぎ、肺を圧迫して酸素不足になることを防ぐことで、記憶力や集中力の低下を抑制する効果があるそうです。
これらは、“どこでもオフィス”が当たり前になる次の暮らしのなかで、子どもばかりでなく大人にも求められる条件ではないでしょうか。


イストク|有限会社椅子徳製作所

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木工の産地、徳島でイスをつくるイストクは、見えないところまで仕上げにこだわる職人と、構造とスタイリングを融合させるデザイナーによる家具ブランド。
BRANCH(枝)と名付けられた椅子とテーブルは、イストクのポテンシャルを極限に引き出して完成されたかのよう。
BRANCH Chairは、曲木により、一本の無垢の脚が背やアームへと枝分かれする繊細なスタイリングですが、座枠と三角構造を形成することにより、倍以上太い木材に匹敵する強度を実現しているとか。
軽妙で画期的な椅子をデザインした山田佳一朗さんは、学生時代から15年間アイデアを暖め続けてきたそうです。
次の暮らしをイノベートする簡単な方法はない。そんなことを教えてくれる家具デザインでした。


過去のリポートは、次のページでご覧いただけます。

■IFFT/interiorlifestyle living 『IFFT/インテリア ライフスタイル』
2009年12月 2010年11月 2012年10月 2013年11月 2014年11月 2015年11月 2016年11月
■interiorlifestyle TOKYO 『インテリア ライフスタイル』
2011年6月 2012年6月 2013年6月 2014年6月


過去のリポートは、デジタルブックとしても配信しています。次の画像をクリックして、ダウンロードしてお楽しみください。

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関連記事■次の暮らしのデザイン

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2019.08.22

こども宅食から感謝状をいただきました!

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2019年7月10日(水)、米づくりワークショップで収穫した米を、東京都文京区のこども宅食事業に寄付しているトランローグ有限会社は、2018年度の実績に対して成澤区長より感謝状をいただきました。
また、贈呈式のあと、2018年度にこども宅食向けの草取りから稲刈り、脱穀までお手伝いいただいた方々にお集まりいただき、トランローグ有限会社主催による報告会を行いました。

文京区のこども宅食事業は、子どものいるご家庭で支援を必要とする方々向けに、食料や物品、さまざまなサービスを提供しています。
45社が事業に協力し、現時点では月1回のペースで宅配すると同時に、専門の配達員さんがご家族から困りごとなどをヒアリングしているそうです。
米などの必需品から、子どもが友だちを家に招く際にあると嬉しいお菓子。コンサートやスポーツ観戦のチケットまで提供され、支援家庭には、家計の負担軽減だけでなく、社会とつながっているという感覚、心の支えとなっているようです。

トランローグ有限会社は今後も、2019年3月に設立した般社団法人 里山ソーシャルデザイン(代表理事 杉田基博)とともに米づくりワークショップを通して、米を寄付していきます。

米づくりワークショップについては、こちらでご確認ください。
皆さまの参加をお待ちしています。

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2019.04.30

《2019年4月》先端デジタルテクノロジー展で見つけた次の暮らしのデザイン

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movie & photo: Motohiro SUGITA + Tranlogue Associates
text: Shizue INOUE + Tranlogue Associates

 

2019年4月1日(水)〜3日(金)、東京ビッグサイトで『第5回 先端デジタルテクノロジー展』が開催されました。この展示会は全7展から構成される『コンテンツ東京 2019』のうちのひとつです。メディアを通して次の暮らしをデザインするトランローグは、出展社を訪ね、最新動向を取材してきました。
来年2020年に本格的に商用サービスが開始される予定の、5G(第5世代移動通信システム)による高速・大容量・低遅延伝送で、VRやARサービスは高度化すると言われています。数年前からプレゼンテーションされているコンテンツサービスやソリューションも、こういったインフラや技術の進展に伴い、さらに洗練され、いよいよ実用的な段階に入ろうとしている印象です。
また、不特定多数に一括して訴求するマーケティングではなく、個々の視聴者にカスタマイズした動画広告や、パッケージ化により導入のハードルを下げたコンテンツサービスなどのソリューションも数々見られました。

 

アスカネット

空中映像で未来感を演出

アスカネットは、まるで浮遊しているような映像を空中に結像させる、樹脂プレートを製造しています。この技術は、画像や物体の放つ光線を1枚の特殊な構造をしたガラスや樹脂プレートを通過させる事で、その反対側の同じ距離の位置に再び光が集まり、原版と同じ像を形成する仕組みを利用しています。カメラのレンズを通すと、プレート面と空中画像との距離感を表現することが難しいですが、実際に肉眼で見ると、本当に空中に映像が浮かんでいるように見えます。
上動画の冒頭に出てくるのは、球体の上面を削ったような形状のコンパクトな筐体に、スマートフォンを差し込むと、スマートフォンの画面が空中に結像するもの。今回、同社のブースでは、「あなただけのインターフェイス」というキャッチコピーを掲げ「パーソナルユース」をアピールしていましたが、まさにそんなコンセプトにぴったりの提案です。
空中ディスプレイは、センサーと組み合わせることで、空中での操作も可能になります。動画中、2番目に出てくるのは、テーブルに埋め込んだディスプレイから空中に映像を結像させるもので、NTTコミュニケーションズと共同開発した『Aerial UI Table Solution』。未来的なユーザーエクスペリエンスを提供するだけでなく、空中で操作することで、物理的なタッチが不要なため衛生面にも配慮することができます。レストランなどでの注文や、会議、エンターテイメント用途などが見込まれています。

 

オムニバス・ジャパン、東北新社

アプリレスで手軽なAR体験を可能に

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オムニバス・ジャパンは、CG・VFX映像の企画・制作やCM、TV番組、映画のポストプロダクション業務などを手掛けています。上動画と写真のプレゼンテーションは、映像ソフトの制作・配給事業を行う東北新社と共同開発した『アプリレスAR』。アプリをインストールすることなく、ウェブブラウザ上でAR体験が可能です。専用アプリをインストールする煩わしさがないため、気軽に体験でき、高い参加率が見込めます。参加者はスマートフォンでQRコードを読み取り、ウェブブラウザでリンク先にアクセスすると、簡単にARコンテンツを楽しめます。例えば動画で紹介しているスタンプラリーは、アプリレスARとスタンプラリーを掛け合わせたパッケージサービス。専用アプリの制作が不要なため、制作コストと期間を大幅に削減できるそうです。イベント会場やアトラクション施設、DMなどの販促にも手軽に導入できそうです。 

 

タケナカ、アークベンチャーズ、シムディレクト

リアルとバーチャルが一体となったインタラクティブなステージ

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 会場内でもひときわ華やかな演出で来場者の目を引いていたのは、リアルとバーチャルを融合させた、日本舞踊をテーマにしたインタラクティブなステージ。ステージの隅に設置されたセンサーや、演者の体と、踊りの小道具である和傘に取り付けたセンサーによって、演者の動きに合わせてステージや壁面の映像が変化するため、演者のパフォーマンスと空間が一体となり迫力のある演出が実現します。演者の動きは、上下、左右、前後の6Dトラッキング情報を取得しています。
ステージをリアルな空間で楽しめるほか、会場に足を運べない参加者がVR空間でライブを楽しむ提案もされていました。センサーで捉えた演者の動きのみを、VR空間にリアルタイムで合成し、VRならではの演出を楽しむことができます。参加者は、手に持ったコントローラーでVRのライブにエフェクトを追加して演出に参加することもできます。ライブは、データをアーカイブしておくことによって、時間や場所を問わずにライブ終了後に楽しむこともできます。遠方で足を運べない国内外のステージを、世界中の人と同時に共有できる日がきたら楽しそうです。

 

北陽電機

プライバシー保護のメリットもある、インタラクティブコンテンツを支える測域センサー

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北陽電機は、インタラクティブなコンテンツには欠かせない、測域センサーを製造しています。このセンサーで、位置、高さ、移動方向の距離を計測。本展示会では、同社のセンサーを使用している他社のブースがいくつかあるとのことでした。また同社のセンサーは、豊洲の『teamLab Planets』でも採用されているそうです。上動画の冒頭と上写真は、床面の端にセンサーを設置し、人が歩くと足元が白く光る仕組みです。このように、ソフト次第で多地点の距離を同時に計測することも可能だそうです。動画の最後に出てくるのは、センサーを活用した『人数カウントシステム』。本展示会の同社ブースの入り口には、左右にセンサーを配置し、ブース前の人流やブースへの入退場者数を計測していました。他社製品で人流や人数のカウントを計測するものには、カメラを使用したシステムもありますが、プライバシーへの配慮から、人の顔を撮影せずに計測できるセンサータイプを好む施設管理者も多いそうです。デジタル技術の進展とともにプライバシー保護の重要性が高まるなか、活用範囲がさらに広がりそうです。

 

ソニー

波面合成により立体的な音響空間をつくり出す

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ソニーが展示していたのは、独自に開発した波面合成アルゴリズムによる空間音響製品『Sonic Surf VR』。波面合成は、ヘッドフォンのノイズキャンセリング機能にも使われる技術です。今回展示の『Sonic Surf VR』は128chのスピーカーで構成。スピーカーは、1ユニットに8chのスピーカーを内蔵し、最低8ユニットから、複数台を横一列に並べて設置します。
波面合成技術によって制御されたマルチチャンネルスピーカーと専用ソフトウェアを組み合わせ、音源を空間の中に自由に配置し、なおかつ自在に動かせるため、音楽を立体的に聴くことができます。例えば、水の中を自由に泳ぐイルカや、森の中で風がそよぐ音など、あたかもその場にいるような、これまでにない没入感を得られます。また、上動画でプレゼンテーションしているのは、ひとつの空間を異なる音響空間に分ける提案。ゾーンごとに聞こえる言語を振り分けることで、立つ位置によって、他の言語が全く聞こえなくなるため、美術館やインバウンド施策に最適です。

太陽企画

アーティスティックな映像をつくり出すインタラクティブ体験

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 太陽企画は、CMなどの総合映像制作会社。今回展示されていたプレゼンテーションのうち、トランローグは『TINT』というコンテンツに注目しました。『TINT』は、カメラで捉えられた人の映像をもとに、インクを水に落として混ぜ合わせたような流体の映像がモニタに映し出されるインタラクティブコンテンツです。
被写体の色情報に基づいて流体をつくり出すパターンと、緑や赤など基本となる色を設定して流体を作り出すパターンがあるそうです。2020年に向けて加速するインバウンド対策においても活用すれば、話題性のある演出となりそうです。例えば、空港。人が多く往来する場所で、大型スクリーンに『TINT』を映し出せば、インパクトがあり、印象的なユーザーエクスペリエンスとなるのではないでしょうか。

 

富士テクニカルリサーチ

業務をスピードアップするハンディ3Dスキャナー

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1.2kgと軽量なハンディ3Dスキャナー『F6 SMART』。最大計測距離が4.0mで、1フレームごとの計測幅は最大5.0mと広く、短時間で広範囲が測定できます。計測したデータは、リアルタイムで合成し、3Dデータとして構築します。イスラエル製で、戦車なら1台約2分で計測できるそうです。計測前にキャリブレーションやマーカーを設置する必要がないため、例えばサービスマンが現場をスキャンして、持ち帰った3Dデータをもとに新しい提案につなげるなど、スピーディな業務を支援するソリューションと言えそうです。
また、据え置き型の3Dレーザースキャナーの死角や、設置できない場所などを、このハンディスキャナーでスキャンして補完するといった用途が見込まれています。動画でプレゼンテーションしているスキャナーのほかに『F6 Short Range』もラインナップ。計測距離が0.2〜0.7m、計測幅は740mm。スピーディな計測はそのままに、さらに詳細な形状を取得できます。

 

モバーシャル、東北新社

パーソナライズド動画でマーケティングを最適化

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webサイトやYouTubeなどを閲覧していると、動画広告を目にする機会が多いですが、不特定多数向けではなく、視聴している一人一人にオリジナルな内容を配信するのが『パーソナライズド動画』です。従来は、複数の動画を事前に制作し、顧客のセグメントごとに出し分けていたものを、データと連携し、一人一人に向けてそれぞれ異なる動画を生成します。例えば、動画の中で「○○様、○○をご提案します」と語りかけ、その人が強く関心を持っているものをPRすることで、顧客への訴求力が高まるそうです。海外のある銀行が、この動画技術で顧客向けにキャンペーンを行なったところ、ローンの契約率がアップした実績もあるとか。
企業が保有する顧客情報によるメールマーケティング。ウェブサイトの問い合わせフォームに入力された情報をもとにサイト上でリアルタイムに表示する動画。Facebook、YouTubeなどメディアが保有するターゲティング情報などをもとに、配信する動画広告など、活用シーンはさまざまです。人びとの趣向が多様化している現在では、「マス」から「個」へのマーケティングが重要視されていますが、セングメント分けに止まらず、一人一人に最適化した動画は、今後さらに注目されそうです。

 

ロントラ

スマホのVR動画広告が視聴者を引きつける

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TV番組の企画制作、演出、プロデュース、VR動画制作などを手掛けるロントラは、動画広告の新しい形として『スマホVR』を展開しています。普通の動画広告と異なる点は、動画再生中に、スマホをぐるりと周囲に動かすと、それに合わせて動画の中の風景も変化すること。地域のプロモーションや商品・サービス紹介、物件紹介、会社案内などの用途を見込んでおり、すでに実績も多数あります。中でも静岡県UIターン促進事業におけるターゲティング広告では、「静岡VRクイズ」と銘打ちプロモーションを展開。SNSと組み合わせた取り組みで、SNSのフォロワーが6600人から約1年で1万人になったそうです。この「静岡VRクイズ」では、ある方角を向くと、部屋の中で双子のアイドルの一人が視聴者にクイズを出題し、ぐるりと振り返るようにスマホの方角を変えると、映し出される部屋の位置も変わり、双子のもう一方のアイドルがクイズの答えを披露します。動画広告が珍しくなくなった最近では、すぐにスキップしてしまう視聴者も多いですが、YouTube上で46.22%が30秒以上視聴し続け、facebookでは、静止画広告と比較して6倍のクリック率が得られたそうです。動画広告なのに画面を自由に動かせる目新しさが、人びとの興味を引いているようです。経産省、映像産業振興機構主催の『VR・AR活用全国セミナー』において、『地域における先進コンテンツ技術活用事例』にも選出されました。

コーンズ テクノロジー

世界初インタラクティブな球体ディスプレイ

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 コーンズ テクノロジーズ社のプレゼンテーションでまず目を引いたのは、上動画の前半と写真にある、大きな球体のフォルムが印象的な4K対応・タッチスクリーンの『球体ディスプレイ』。スコットランドのパファーフィッシュ社が開発したものです。球体のディスプレイは他社からも出ていますが、「インタラクティブな」球体ディスプレイは、世界初だそうです。ほぼ完全な球面を実現し、球体の中に赤外線センサーが組み込まれ、全面マルチタッチの操作が可能。レーザープロジェクタ方式です。サイズはカスタマイズが可能で最大直径800センチまで対応。まだまだ平面のディスプレイが主流の現在では、継ぎ目のないガラス玉のような球体のディスプレイはそれだけで誘目性があり、インタラクティブ性も合わせて、来場者の好奇心がかきたてられます。
動画の後半にあるのは、霧を出してスクリーンを作り出す、天井吊り下げ式の『ミストディスプレイ』。超音波によって発生させたマイクロミストを流体工学に基づき安定的に制御することで、濡れずに通り抜けられ、空間演出の可能性が広がります。Kinectを利用したインタラクティブキットも用意されており、タッチ操作や文字を書いたりすることも可能になります。

 

アルファコード

5G時代に実現するストレスフリーなコンテンツ体験

アルファコードは、VR撮影・VRサービスのインフラ提供、ネットワークコンテンツの企画・研究・開発及びコンサルテーションを行なっています。本展示会では、各企業向けに制作したVRコンテンツなどを紹介していました。上の動画は、ソフトバンク向けに制作した、5G(第5世代移動通信システム)向け実験用VRコンテンツ。5Gは、携帯電話各社が2020年からサービス開始を目指している移動通信システムで、「超高速・大容量」「低遅延」「同時多接続」などを実現します。このコンテンツは、京都の大江能楽堂で公演された演目「土蜘蛛」をVRで体験できるもので、舞台に向かって正面、左、左奥、2階席の4地点から360度カメラで撮影した高精細の8K映像で構成されています。複数の視点を、手元のコントローラーで切り替えて色々な角度から舞台を楽しめます。立体音響技術が採用され、見ている方向に合わせて音が追随し臨場感が高まります。
これまでの通信回線で同様のシステムを構築して配信した場合は、視点の切り替え時に遅延が起きてしまうそうですが、5Gシステムの環境では、視聴者から配信サーバーへの操作指示が高速、低遅延で行われ、スムーズな視聴が可能になるそうです。インフラの高度化に伴い、遠隔地にいながらでも、インタラクティブな切り替えが瞬時に行えることで、今後リアルタイムでのコンテンツ体験も高度化し、ストレスなく楽しめそうです。

 

ポケット・クエリーズ

MR技術が複雑な現場業務をやさしく支援

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 ソフト開発を手掛けるポケット・クエリーズは、業務用途のソリューション『QuantuMR(クァンタムアール)』を東京電力と共同で開発し、2018年11月から発売しています。マイクロソフト社のワイヤレスMRヘッドマウントディスプレイ『ホロレンズ』を使用し、変電所や製造現場などの現実空間に3D情報を組み合わせて表示し、遠隔地とのコミュニケーションなどに活用する支援システムです。MR(Mixed Reality:複合現実)とは、AR(Augmented Reality:拡張現実)を発展させたもので、現実と仮想がよりリアルに融合します。
ヘッドセットを装着し現場を点検すると、現実空間にセンサーデータやマニュアルなどが重ねて表示されたり、危険区域に近づくと警告が表示されたり、遠隔地にいる管理者と情報共有して指示を受けたりすることなどが可能になります。また、AIが画像やデータを読み取り、異常検知や未来の傾向を予測することも可能に。『QuantuMR』は基本機能をパッケージ化することにより、電気設備のみならず製造業など様々な業務へ適用できるそうです。作業者の経験値に関わらず、業務の品質向上がのぞめるため、製造業など人手不足といわれる現場のソリューションとして、期待できそうです。

 

クリーク・アンド・リバー

ビーコンと連携したロケーション連動AR

クリーク・アンド・リバー社でトランローグが注目したのは、ロケーション連動AR『ARis(アリス)』。ビーコンと連携し、ビーコンに近づくと、スマホやタブレット上に映し出された現実空間に、キャラクターが出現します。施設内の複数箇所にビーコンを設置すれば、キャラクターが施設を案内するようなコンテンツ提供も可能。現地に行くことでキャラクターと会えるAR体験で、集客に貢献します。またコラボグッズと連携し、グッズ購入の特典として同梱のQRコードを読み込むことでキャラクターの衣装を変えられるなど、販促の拡張にも対応できます。キャラクターの呼び出しは、2回目からは自宅でも行えるそうで、ユーザーに優しい配慮も。サービスをパッケージ化することで、費用を抑えて導入できます。

 

ティアフォー × シナスタジア

車内が、移動とシンクロするエンターテイメント空間に

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 親しみやすいフォルムが特徴のティアフォー社の『Milee』は、完全自動運転EVのコンセプトカーです。ハンドルやアクセル、ブレーキを一切必要とせず、ワンマイルモビリティ(市街地の駅から最終目的地、過疎地域での移動手段など、限定地域を走行する交通システム)を想定しています。オープンソースの自動運転ソフトウェア『Autoware』が搭載され、「高精度三次元地図」と各種センサーを組み合わせて、周囲の物体検出や、自車位置の推定、走行経路の策定、運転判断を可能にします。2018年以降、国内各地で実証実験が行われているそうです。
このような自動運転車を想定して提案されていたのが、シナスタジア社による、リアルとバーチャルを融合させたコンテンツ。展示されている『Milee』の車内では、横浜の夜景に3DCGを合成した近未来VRドライブコンテンツ『FUTURE DRIVE 360』が楽しめるようになっていました。また上動画の映像は、実際の地図情報をもとに、目的地までの道中、バーチャルなゲーム空間を楽しめるもの。すでに施設の敷地内などでは、完全自動運転による車内でAR体験が実施されている例もありますが、今後ますます、移動中の車内をエンターテイメント空間に活用する機会が増えていきそうです。

 

Pico Technology Japan

AI識別も可能なカメラで、安全運転に貢献

 『Pico AIR Camera』はスタンドアロン型のカメラです。上動画のプレゼンテーションでは、自動車の運転中に居眠りや脇見を注意するソリューションを提案。『Pico AIR Camera』で運転者を捉え、一定時間、顔が正面から逸れると音声で注意を促してくれます。本体に内部プロセッサ、メモリ、RGBカメラ、深度カメラ、無線モジュールを内蔵し、マイクロSDカードにも対応しています。顔認識や人体認識、ジェスチャー認識、画像識別においてはクラウド経由でのAI識別も可能だそうです。将来実現すると言われる完全自動運転への移行段階では、マニュアルによる運転が共存するため、 運転者の異常を察知したら自動運転へ切り替えるなど、安全性向上の一助となりそうです。

 

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2018.12.22

サンフランシスコで見た次の暮らしのデザイン

アクセシビリティ
Accessibilityは、交通やウェブサイトでの近づきやすさ。つまり、利用のしやすさを表す言葉。
インバウンドや、東京オリンピックなど国際的なビッグイベントを控え、見聞きするようになりました。
トランローグは、国の研究機関から委託を受け、国内外のアクセシビリティについて取材しました。
このページでは、取材テーマとは別に、サンフランシスコ地域で見た、アクセシビリティのいいひとコマをご紹介します。
一番大切なのは、サービスのアクセシビリティなのかもしれません。


photo: Kazuko Tomoyori, Motohiro SUGITA + Tranlogue Associates
text: Motohiro SUGITA + Tranlogue Associates


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▲今秋開通した“サンフランシスコ・トランスベイターミナル”。鉄道とバス、屋上公園や商業施設が集積した複合施設。


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▲郊外を結ぶ“カルトレイン”に設けられた移動弱者用のリフト。編成の1輌は、自転車専用列車に。


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▲コミューターの“バート”にも自転車専用スペース。


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▲車椅子や自転車がゆったり通れる自動改札。


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▲クラウドによるサービス企業“セールスフォース”の1階は、市民が自由に利用できる空間に。パブリックオープンスペースや、省エネと環境に優しい建築物に与えられる認証制度も充実しています。


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▲“アップル”本社前のビジターセンター。クールでプロダクト感いっぱいの自動ドアシステム。日本と違い、開き戸が多いのがアメリカン。


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▲“ザ・ドーム”を中心に“ブルーミングデールズ”と“ノードストローム”が連結した大規模商業ビルにあるのは、ファッション関係者向けのコワーキングスペース。ファッションショーを開催できるホールもあり、アイデア発想からプレゼンテーション、そして販売へとスピーディーに展開できそう。ビジネス成功の鍵となるエコシステムやプラットフォームへのアクセシビリティの良さは、カリフォルニアならでは、と言えそうです。


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▲階段のあるビル入口付近に設置された、車椅子が昇降できる小型リフト。


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▲遊歩道に設置された公衆トイレ。


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▲街のいたるところにピカピカのレンタサイクル。


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▲長い階段には車椅子ユーザー用のリフト。


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▲ロサンゼルス空港ターミナルの屋外に設けられたペット用水回り。


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▲ロサンゼルス空港ターミナルの屋内に設けられたペット同伴者向けラウンジ。


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▲日本では見かけない、アメリカならではの?サービスのアクセシビリティ。建築やプロダクトではカバーできない障害は、私たちが積極的に取り除きます、という姿勢は、店や会社のブランディングにも好影響、と言えそうです。


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2018.07.23

《2018年6月》デジタルサイネージ ジャパンで見つけた次の暮らしのデザイン

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movie & photo: Motohiro SUGITA + Tranlogue Associates
text: Shizue INOUE + Tranlogue Associates

2018年6月13日(水)〜15日(金)、幕張メッセの国際展示場/国際会議場において、『デジタルサイネージジャパン 2018』が開催されました。本展は、『Interop Tokyo 2018』『Connected Media Tokyo 2018』『ロケーションビジネスジャパン 2018』『APPS JAPAN 2018(アプリジャパン)』と同時開催された、デジタルサイネージの最新動向を伝える展示会です。メディアを通して次の暮らしをデザインするトランローグは、出展社を訪ね、最新動向を取材してきました。
富士キメラ総研の「デジタルサイネージ市場総調査 2017」によると、デジタルサイネージ市場は年々拡大し、2025年には3708億円になると予測されています。本展示会では、デジタルサイネージでコンテンツを配信するだけでなく、マーケティングに活用する提案が着実に増えているようです。タッチパネル式ディスプレイにおいては、操作感に優れたものがいくつも見られました。インパクトのある新たなデバイスの出展もありました。今後のデジタルサイネージの進歩に、引き続き期待できる展示会でした。

HYPERVSN™|Kino-mo

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会場内で多くの来場者が足をとめていたのが、画期的なホログラム技術を用いてリアルな3Dビジュアルを投影する、イギリスKino-mo社のデモンストレーション。立体的な映像が空中に浮かんでいるようで、その仕組みに興味をひかれていました。複数のライトが埋め込まれた十字形のバーが回転軸に取り付けられ、プロペラのように回転することで3Dビジュアルを再現します。プロジェクションユニットを複数組み合わせ、スペースに応じて垂直・水平に設置し、インパクトのあるPRができます。ARやAI技術との連携など、ソフト面で進歩を感じるものが多いなか、ハード面で新しさを感じられるものでした。設置はユニットひとつから可能。今年の9月頃に国内で発売予定とのこと。高輝度かつリアルなビジュアルで華やかさがあり、構造の不思議さと相まって、デジタルサイネージに新風を吹き込んでくれそうです。

Windgraphy®|KOA

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『Windgraphy®』は、センサーを利用して、風速を同時に多点で計測し、データ化や見える化をする同社の独自技術です。上の動画では、自発光タイプとプロジェクションタイプをデモンストレーション。自発光タイプは、パネルに埋め込まれたセンサーが風を感知すると、風の速さに応じてLEDが色を変えて点灯します。プロジェクションタイプは、センサーが埋め込まれたスクリーンに、捉えた風の速さに応じてインタラクティブな映像が投影されます。「METoA Ginza」(三菱電機の技術やサービスに触れることができるイベントスクエア)で今年1月に行なわれた、風をテーマにしたイベントで採用されました。また現在、ケーブルに風速センサを配置した多点風速測定システムの用途開発を行なっているそうです。ゲームや空間演出だけでなく、IoTや気流測定、各種シミュレーションなど研究開発での利用もできるとのこと。今後広がるIoT社会で、効果的に活用されることを期待します。

infoverre®|AGC
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『infoverre®』は、AGCが開発した樹脂と貼合技術を用いて、液晶ディスプレイをガラスに直接貼り合わせています。ガラスに直接貼り付ける構造のため筐体や架台が不要。また視認性にも優れています。上写真のガラスの厚みは24mm。活用方法のひとつとして、電車の窓ガラスにinfoverre®を取り入れる提案がされていました。空間に浮かんだようなすっきりとしたデザインが、好印象です。

ミナトホールディングス
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上写真右側に写る2階建ての建物は、『G-Smatt Cube』。LEDを挟みこんだガラスユニットをコンテナの壁面にはめ込み、コンテナをブロックのように組み合わせてイベント空間やショップなどに活用できます。LEDや回路が見えないため、ガラスのクリアな状態をそのままに、映像を映します。設営が容易でスピーディに行なえるため、期間限定のイベントやショップに最適です。


赤外線カメラ方式の超大型タッチパネル。赤外線カメラが2箇所にあり、3角測量方式で計測しています。高速に追従するため操作感が非常に滑らかです。ノーマルタイプは200インチまで。カスタマイズすれば、大きなサイズにも対応可能。某テレビ局の天気予報でも採用されているそうです。


ポルトガルDisplax社のタッチパネルテーブル『Skin Ultra』。100点のマルチタッチ式です。ミナトホールディングスは、国内販売の専属契約を結んでおり、同社でカスタマイズにも対応しています。今回は、テーブル上に置かれた、オブジェクトタグと連携した活用を提案していました。商品などのオブジェクトにタグを取り付け、オブジェクトを動かすことでインタラクティブにコンテンツを表示します。小売店や飲食店での活用を想定しています。タッチパネルのみとは異なった、印象的なユーザー体験をもたらすツールといえそうです。

New Concept Cart SC-1|SONY

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4Kディスプレイ、4Kカメラ、5Gアンテナ、センサーなどを搭載し、車型のデバイスとして未来の交通スタイルを提案する『New Concept Cart SC-1』。開発の中心を担うメンバー2人は、もともと携帯電話の商品企画やメカ設計を担当。「自動車にスマホの技術を搭載するのではなく、スマホ自体が人を乗せて走れるようにしよう」というコンセプトのもと、開発されました。カメラで解析した人物情報に合わせ、5G通信によりクラウドから広告やコンテンツを配信したり、クラウドを介して、遠隔からの運転・走行も可能です。またAR技術により、超高感度カメラセンサーで捉えた周囲の映像に架空の映像を重ね、現実を超えた映像体験を得られます。車が単なる移動手段ではなく、移動自体がわくわくする体験に変わりそうです。

SONY

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SONYのテレビ『ブラビア』を利用したデジタルサイネージ。HTML5ブラウザを搭載しており、セットトップボックスが不要。サーバーからデータを取得してリアルタイムで表示できます。例えばオフィスでは、営業成績や勤怠情報といった、Web上で管理されている情報をディスプレイに表示するなど、サーバー上にある業務データをサイネージに二次利用できます。オフィスで見える化することで、社内全体に周知徹底がはかれます。高精細なため、細かな文字も見やすく表示されます。工場では、ラインの生産進捗やトラブル状況などをリアルタイムに表示。迅速な対応が求められる場にも安心です。

pdc

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pdcのブースでトランローグが注目したのは、ロボット型通信端末『Sota™』と連携したデジタルサイネージの提案。NTTと提携したシステムです。デジタルサイネージに表示されているコンテンツに合わせて、ロボットがプレゼンテーションを行います。例えば、ディスプレイで表示されている内容を、ロボットが他言語で案内したり、飲食店の店舗案内表示に合わせて、営業時間を補足説明するなど、使い方はさまざまです。親しみやすいロボットがちょこんと立っている姿に安心感をおぼえ、来訪者に楽しさもアピールできそうです。

パナソニック
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パナソニックでは、空港を再現したブースづくりがされていました。大型のプロジェクションサイネージや、災害などの非常時に情報配信する非常放送連動サイネージ。サイネージにスマホをかざし、人の目では見えない光信号を受信してスマホに詳細情報を表示する『LinkRay™』など、同社の製品・技術などを紹介。また、ヤフーと提携した災害時の避難情報案内では、災害発生時、サイネージに『Yahoo!防災速報』アプリのダウンロードと設定の手順が表示される様子を紹介。サイネージに具体的な避難指示や情報を配信するのではなく、アプリのダウンロード案内を流すのは、一見手間に思えますが、サイネージを見ている人それぞれによって、知りたい情報など状況が異なるからだとか。『Yahoo!防災速報』では地域の設定などができるため、各自に合わせたより細かな配信ができます。現在は、避難情報等の必要な情報や、いま取るべき行動を確認できる仕組みについて両社で検討を進めている段階とのこと。さらなる安心につながる仕組みづくりに期待します。

DIGITAL BANK™

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ファーストフードなどでオーダー、決済ができるキオスク型のデジタルサイネージ。サイネージに表示されたメニューから注文したい商品をタッチして選び、オーダーボタンを押すと注文することができます。クレジットカードや電子マネーによる決済をサイネージで行い、オーダー処理が済むと情報がキッチンに届きます。サイネージから出て来たレシートをカウンターに持っていき、商品と引き換えます。現在は韓国の現代百貨店に導入されているそうです。機器やシステムをつくっているのは、ヒュンダイ。DIGITAL BANKはヒュンダイと提携し、国内販売を行なっています。飲食業の人手不足が深刻ななか、解決の一助になりそうです。

WiCanvas|Wistron
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ICT関連機器をOEMとして大手メーカーに供給しているWistron。今回出展していたディスプレイ『WiCanvas』シリーズは、ベゼルの幅が約1センチと狭く、また厚みも薄く背面の出っ張りがないため、壁掛けにすると壁と一体となり非常にすっきりとしています。インテリアに馴染みやすく、さまざまな場面で活用できるのではないでしょうか。複数のディスプレイを並べた演出でも、ベゼルが気にならず端正な印象です。ディスプレイにはOSを搭載し、クラウドからWi-Fiでコンテンツを配信。音声はBluetoothでスピーカーにつなげられます。複数のディスプレイにひとつのコンテンツを映す場合は、クラウドからそれぞれのディスプレイに信号を振り分けて配信しています。

Phantom®|Life is Style

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LED光源のついたブレードを高速回転させることで3D映像をつくり出す『Phantom®』。500グラムと軽量で、コンセントに差し込むだけで可動するため、手軽に導入できます。目新しさと華やかさで注目を集め、SNSでの拡散も見込めそうです。ピストル形の持ち手にユニットを取り付けるなど、クールでインパクトのあるデモンストレーションに、多くの人がキャッチされていました。

Extimer®|ジオネクサス

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フードコートで、注文した料理を待つ間に渡される呼び出しベルに、デジタルサイネージ機能を持たせた端末が『Extimer®』。イオンなどで導入済みだそうです。待ち時間に広告などの動画を配信することで、高い視聴率がのぞめ、来店客に効果的にプロモーションできそうです。動画が終了するとアンケートを実施し、マーケティングに活用することも可能です。2018年度中には、顔認識機能をつけ、利用客の性別、年齢といった属性や、さらには感情を分析してクレーム削減やサービス向上につなげるサービスをリリース予定。またNFC(近距離無線通信)によりスマホと連携したクーポンの発行や決済などの機能もリリース予定とのこと。呼び出しベルとしてだけでなく、利用客が端末を通して席から料理の注文を行なったり、美術館など作品の前で画面をタッチして説明を流すなど、多彩な用途を見込んでいます。

TechnoVision|テクノフェイス

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プロジェクターで投影した映像を、ゲームコントローラーを使用して補正できるシステム『TechnoVision Warp One』。プロジェクターを低い位置や斜めに設置して床に投影するとゆがみが生じますが、このシステムは市販のゲームコントローラーでゆがみを直感的に補正することができます。低い位置から投影すれば影が出来にくい効果も。設置スペースに制約がある場合に、特に活用度が高そうです。

BeeSight®|エイコム

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顔認識マーケティングツール『BeeSight®』。カメラで捉えた人物の性別や年代、表情、視聴者の向いている方向、服の色などの情報を収集・分析し、マーケティングに活用できます。静止画、動画に対応し、視聴者の属性に合わせてコンテンツの出し分けが可能です。表情の分析もできるため、視聴者の気分に合わせておすすめのコンテンツを配信したり、来訪者の笑顔度をランク付けしてコンテストを行なうといったエンターテインメント活用も。また、「ピープルカウンター機能」を利用すれば、通過した人数を、顔認識に使用するカメラセンサーで計測できるため、通行人数と視聴者属性の取得を同時に行なえます。表情まで読み取ることで、より質の高い顧客満足度獲得を目指せそうです。

たしてん

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立体視デバイスやソフトウェアの研究・開発をしているたしてんでは、裸眼で立体映像が見られる『たしてんインタラクティブ』をデモンストレーションしていました。現状のグラスレス3Dディスプレイが抱えている課題を、ソフトウェア技術でカバーして立体映像を実現。あらかじめレンダリングしたCG動画再生ではなく、リアルタイムに3DCGを立体視表示します。キネクトと組み合わせることで、ディスプレイに触れることなく映像を操作することも可能です。グラスレスによりストレスフリーで活用できるため、広告、ゲームのほか、技術習得のための研修では実用度が高そうです。

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2018.06.27

【2017年】地方創生まちづくりフォーラム“まちてん” に見る次の暮らしのデザイン

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photo & movie, text: Motohiro SUGITA + Tranlogue Associates


2017年12年8日(金)、9日(土)の2日間、渋谷ヒカリエ9Fホールにて、 地方創生まちづくりフォーラム“まちてん(主催:まちてん2017実行委員会)”が開催されました。
“まちてん”は、まちづくりの展覧会。カンファレンス、セッション、展示、レセプションパーティーを通じて、地域、社会起業家、企業などが協業・連携するからこそ実現可能なサスティナブルなまちづくり事例・アイデアを発信し、熱意ある参加者が各コンテンツを通じて交わることを目的・特徴としているようです。
第1回はソーシャルビジネス。第2回は企業・大学。そして、各自治体の地方創生計画も出そろい「実装段階」に入った今、第3回は自治体にフォーカス。また、『まちてん2017 持続可能なまちづくり宣言』を発信しました。
「クールジャパン」を発掘して「インバウンド」に対して訴求し「レガシー」として残していくために、関係者間で、2015年国連会議で採択された『持続可能な開発目標 SDGs』を共有しながら地域課題を解決。“まちてん”は、協働で新たな価値を生むプラットフォームと位置づけ、新たな地方創生を目指しているとのことです。
メディアを通して次の暮らしをデザインするトランローグは、
会場に出展社を訪ね、取材しました。
過去2回と比較すると、それぞれの取り組みは、より具体的で、規模も大きくなってきている印象です。新しい地方の姿が現れつつあるようです。


EC決済サービス|ルミーズ株式会社
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▲ルミーズ株式会社は、長野県に本社を置き、ネットショップでも実店舗でも利用できる決済サービスを提供。業界では老舗的存在、とのことですが、トランローグが注目したのは、外貨建て決済。訪日外国人向けに開発され、外貨建てを選択できるため、為替変動を心配することなく、自国と変わらない感覚でカード決済が利用できるそうです。操作は、PCやiPhone・iPadにアプリをインストールし、 専用カードリーダーを接続するだけとのこと。インバウンドでのストレスフリーが商機を生みそうです。


ZUKKU|株式会社ハタプロ
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▲“ZUKKU”は、身長10cmで掌に乗る、フクロウ型のロボット。顧客分析カメラにより来場者を捉え、画像認識AIセンサーで性別、年齢を解析。来場者に合わせた情報や広告をサイネージなどから配信する使い方を提案しています。都庁をはじめ、百貨店や家電量販店、カー用品販売店などに採用されているそうです。大きくて威圧感のあるロボットとは異なり、見落としてしまいそうなくらい可愛らしいロボットが活躍する場面が増えてくるかも知れません。


起業市民プロジェクト|岩手県八幡平市
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▲岩手県八幡平市が2015年に始めた起業家支援プロジェクト“スパルタキャンプ”は、土日開催を4回、計8回でプログラミングに特化した技術を学ぶカリキュラム。1カ月間住み込むことが可能な宿舎も用意されているとか。さらに2016年12月には、最長5年間無料で使えるシェアオフィス“八幡平市起業家支援センター(StartupCore)を開所したそうです。合併で使われなくなった議員控室をインキュベーション施設にコンバージョンしたというから、無理がなく堅実で、実質本位の姿勢に好感が持てます。“超実践主義”を標榜する同プロジェクトは、オンラインで投資家と面談するなど、地方のデメリットもメリットに転換し、将来はフリーランスの聖地を目指しているようです。


N Drive|株式会社ナヴァ・プラントゥデザイン
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▲“N Drive”は、NEXC0中日本のサービスエリアなどで配布されている小冊子。高速道路のドライブは、時間にとらわれず各自のペースで移動できる自由自立の旅、といった視点から、ローカルの出会いをサポートするのが同誌のミッションだとか。また、N Drive編集部がセレクトした逸品を“N Drive SHOP”というオンラインショップでも販売しているそうです。高速道路を中心に、施設やメディアを通して沿線を活性化していく取り組みです。企画制作を担当するのは、株式会社ナヴァ・プラントゥデザイン。“N Drive SHOP”で紹介されている商品は上質な印象で、デザイン会社ならではと言えそうですです。


PR映像の海外放送|FCC(株式会社フジクリエイティブコーポレーション)
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▲観光客から就労者まで、日本の産業も社会も、外国人なしには維持できなくなっているようです。そこで自治体や
教育機関、企業などに代わり、海外に向けて情報発信しているのがFCC。フジメディアホールディング傘下の映像制作・配給会社ならではの豊富な実績と海外ネットワークで、アジアから欧米まで世界中に配給しているそうです。コンテンツ制作に止まらず、海外メディアを招聘したPRまで手掛けられるのは大手メディアならではです。地方創生が実装段階に入り、草の根からマスへと活動主体が移行する兆しなのでしょうか。


BNJ Project|株式会社バンダイナムコ エンターテインメント
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▲Bandai Namco Japan Projectは、日本各地の経済活動とともに、エンターテインメントを創出し、日本を元気にしたい、という想いから生まれたとか。作品の舞台を訪ねる「聖地巡礼」、位置情報による震災復興イベント、SNSを利用したリアル脱出ゲーム、VRによる観光体験など……。自治体において近年注目されているのが、ゲームやアニメといったエンタテインメントとコラボしたイベントだそうです。バンダイナムコ エンターテインメントの提案のひとつは、同社のゲーム“太鼓の達人”のキャラクター“どんちゃん”と、地域の名産・シンボルキャラクターを掛け合わせてオリジナルキャラクターを生み出し、祭りや他のイベントとコラボして展開することだそうです。地域ごとに型にはまらない方法を提案できるのが、豊富なコンテンツを持つ同社にとってのビジネスモデルとなる、と考えているようです。


FARM & CIDERY KANESHIGE|南信州下條村
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▲過疎化が進んでいた長野県下伊那郡下條村では、子育て支援などの政策により合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子どもの数に相当)が2.03人(H.26年度)まで増えたとか。厚生労働省発表による2017年の日本全国平均の合計特殊出生率は1.43。また同村では、国庫に頼らない身の丈に合った公共事業と資材支給による住民参加型の施設整備で、借金返済の重さを示す実質公債費比率が全国1低くなった(H.26年度)そうです。マスコミでは“奇跡の村”と騒がれましたが、増加した人口も減少傾向に転じるなど、現状を維持するのは容易ではないようです。そんな日本1努力している自治体のひとつ、下條村役場と一緒に出展したのが、Farm & Cidery KANESHIGE。桃、梨、ふじりんごに市田柿を生産するとともに、自家栽培、自家搾り、自家醸造にこだわったアップルワインやシードル(発泡性りんご酒)、ジュース類を製造・販売しています。誰もが飲みやすいドリンクだけに、市場からのフィードバックによる改良などを重ね、大きな産業に成長することが期待されます


千葉県いすみ市
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▲房総半島の東南に位置し、水揚げ高日本一を誇る伊勢海老をはじめ豊富な魚介類、畜産品やチーズなどの加工品から伝統の酒蔵による稀少な日本酒など、食材に恵まれたいすみ市。まちてんの常連自治体で、とてもPR熱心です。トランローグが注目したのは、書籍によるコミュニケーション(上写真)。本書籍中で、いすみ市に茂原市と長生郡を含めて“房総いすみ地区”とネーミングしているあたりは大胆。それらの地域で小商いを通して自己実現と地域経済を活性化する人びとを紹介しています。さまざまなツールを使って広報宣伝活動を展開している同市ですが、もっと情報を発信したい、もっと深く情報を共有したいとことでしょう。他のメディアにはない豊富な情報量で、同市に興味関心を持った人の背中を押すように、滞在から移住を検討する材料を提供しているようです。


株式会社NTTドコモ
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▲NTTドコモが宮城県南三陸町に対して行った東北復興新生支援プロジェクト。ICTの活用で無肥料・無農薬による自然農法でササニシキを栽培した記録です。自然農法による作物は、高値で売れるため地域経済を活性化する、というビジョンのようです。自然農法では、水を深く張ることで無農薬栽培で発生しやすい雑草や害虫を抑えます。そこで活躍したのが“IoT水田センサー”。常時水位を測定するほか、水温や湿度もデータ化し、遠隔の専用アプリ上で確認できます。カメラ搭載ドローンによる生育や病害発生状況の見える化。作業日誌を電子化した“アグリノート”も使われたようです。自然農法による作物で消費者も土地も健康で、省力化しながら地域が潤えば理想的です。


Stampit|株式会社モバイルコム
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▲株式会社clocoは、株式会社モバイルコムと株式会社クラウズにより設立。両社は「ヒトとモノを動かすエンジンを創る」をミッションとする「YELL PROJECT」を結成し、ヒトとモノが動くことで地域の応援につながる原動力を生み出し続けるとのこと。Stampitは、誰でも気軽にスタンプラリーをつくれて遊べるだけでなく、観光ガイドなどにもなるSNSアプリだそうです。岩手県で2番目に小さい矢巾町で使われたところ、マスメディアにも取り上げられるなど、地域内の活性化ばかりでなく地域外へのPRに役立ったとか。スポットをまとめる作業で盛り上がり、実際のイベントで盛り上がる。SNSアプリの醍醐味のようです。


スマート漁業|KDDI
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▲“海洋ビッグデータを活用したスマート漁業モデル事業”は、経験と勘の漁業をIoT技術でもっとスマートにすることを目指し、KDDI地方創生支援室とKDDI総合研究所が総務省『IoTサービス創出支援事業』の一環として、宮城県東松島市浜市沖における定置網の効率化に向けた取り組みだそうです。開発された“スマートブイ”には、気温、気圧、水温、水圧、潮流、塩分濃度を収集するセンサーとLTE通信モジュールを搭載。収集、蓄積した海洋ビッグデータを解析しているそうです。将来は、漁獲量の予測から人件費や燃料費の削減、未熟練者の就労機会拡大を図り、飲食店などへの産地直送販売に活用していくようです。


カンファレンス|Communication hub 交流拠点

現代の村づくり Villagingとは?|(株)ヴィレッジインク 代表取締役 橋村和徳さん
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官民協働による地方創生とプロモーション|塩尻市役所地方創生推進課 シティプロモーション係長 山田崇さん
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鳥取県は星取県になりました。|鳥取県観光交流局 観光戦略課 係長 井田広之さん
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コメンテーター|(株)朝日新聞社 記者 北郷美由紀さん
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カンファレンス|Social ソーシャル

コメンテーター|NHK放送文化研究所 メディア研究部副部長 NHK解説委員 後藤千恵さん
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オープンイノベーションと共創型社会の実現|NPO法人ミラツク 代表理事 西村勇也さん
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組織を越えたつながりによる共創|One JAPAN 共同発起人・代表 濱松誠さん
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100歳になっても、わたしらしくはたらく|BABAlab 代表 桑原静さん
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ここは写真文化首都だっ!! 東川へ?|東川町 町長 松岡市郎さん
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限界集落脱却から東京五輪後を見据えて|NPO法人地域おこし 理事・事務局長 多田朋孔さん
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コメンテーター|NHK放送文化研究所 メディア研究部副部長 NHK解説委員 後藤千恵さん
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2015年開催の第1回“まちてん”の様子は、こちらから

2016年開催の第2回“まちてん”の様子は、こちらから

関連記事■次の暮らしのデザイン

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2018.06.11

《2017年11月》 IFFT/インテリア ライフスタイル リビングで見つけた次の暮らしのデザイン

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photo, movie & text: Motohiro SUGITA + Travelogue Associates


2017年11年20日(月)〜22(水)、東京ビッグサイト西1・3・4ホール+アトリウムにおいて、国際見本市 IFFT/Interior Lifestyle Living 『IFFT/インテリア ライフスタイル リビング』が開催されました。本展は、東京から世界へ向けてライフスタイルを提案し、アジアを牽引するインテリアデザインのための国際的なB to B/商談見本市として開催されてきました。一般来場者は入場できません。
アトリウムでは、「ローカルの再発見」をテーマに、「THE HOTEL Hello, NEW LOCAL」というテーマの特別企画が開催されました。日本各地から結集した商材を回遊して楽しむ構成にしたそうです。
メディアを通して次の暮らしをデザインするトランローグは、
会場に出展社を訪ね、取材しました。
使い古された素材を蘇らせたり、素材の良さを堪能できるライフスタイル提案が、今年の特徴のひとつとして際立っていたようです。


ひとつぼキャビンシリーズ|株式会社サカモト
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▲埼玉県飯能市で1961年創業の木製建具メーカー、サカモトによる屋台シリーズ。ひとつぼ屋台は、屋内外で利用でき、女性2人でも短時間で組み立てられるそう。上写真はひとつぼ茶室(屋内用)。楽しさ溢れる印象ですが、和の建具ならでは几帳面さや清潔感に好感がもてます。千利休が極めた極小の茶室「待庵」と同じ1坪(2畳)でありながら、開放的な空間を楽しめそうです。価格は、1,395,000円(税別)。飯能市を中心に育林されている西川材(杉・桧)を利用し、。平成28年 地域産業資源活用事業計画「西川材の木材加工技術を活用したひとつぼキャビン事業」(農林水産省、経済産業省)に認定されたそうです。海外のテントとは異なる独自の進化を遂げる日本の屋台から目が離せません。


BELAY|和信化学工業株式会社
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▲木やガラス、石まで。また、雑貨や家具、建具まで、さまざまなアイテムに塗るだけで表面を傷や汚れから保護でき、しかもはがせる塗料だとか。クリアグロスとクリアマットの2種類があり、カタログ上には約2時間で乾燥する、と書かれていたり、1日程乾燥させ完成、とも書かれています。1回塗りで6〜8平米。2回塗り(立面)で5〜6平米の量(1kg)で15,000円。大切なもの、大勢の人に使われて汚れの気になるものの保護に試してみたい商品です。素材が持ち味の家具など、何かで覆って守るのではなく、保護しながら見せる、攻めの提案です。


SAN|正織興業株式会社
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▲岡山県倉敷市で1880年創業の繊維メーカーによる新しい布のかたちの提案。出荷規格外品を何層にも重ねてできる断面の模様を生かしたアイデアです。布からできているため柔らかい印象で、大理石や墨流しを思わせる偶然性の高い模様は、シンプルなインテリアとも好相性です。トレイやフレーム、フックからスツールまで、さまざまに展開されています。優しい肌触りなので直接肌で触れるアイテムや、ストーリーのある布を使うなど、今後の展開が楽しみです。


mettre|PS×norsk
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▲mettroは、表面温度30〜45℃で連続運転することで、快適性と経済性の両立を目指す電気ヒーターPS HR(E)と、永く愛される家具づくりを標榜するnorskのコラボによって生まれた“暖かい家具”とのこと。無垢の鉄と木の組み合わせは、違和感なくインテリアに溶け込む一方、しっかりとした存在感も感じさせます。100Vコンセント利用で取り付け工事が不要。放射熱により温めるため、不快な風や音が出ないそうです。衣類を乾燥させるハンガーやワゴン、キャビネットからシェルフ、クローゼットまで用途も大きさもさまざまに展開されています。きれいな空気と落ち着いた空間をつくってくれそうです。


CITONEL KITCHEN
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▲飛騨の言葉で「育てる」を意味する「しとねる」。CITONEL KITCHENは、使いながら手を加えて育てるキッチンを目指しているそうです。ミズナラやイタヤカエデ、オニクルミからクリなどの国産材や古在、節のあるB級材も積極的に再利用しているとか。注文を受けてから設計・製作を始めるセミオーダー式で、建築家、什器製作者、無垢材加工者がユーザーと一緒に考えながら製作し、DIYやメンテナンス、アップデータにも対応するそうです。下写真の構造を表した模型と同様の構成(引き出し6杯)、W2,400のアイランドタイプで、価格の目安は1,145,000円(税込/IH・水栓などの機材・工事費別)とか。できた時から生活や空間に馴染む、天然素材ならではの味わいです。


La Gabbianella|Daily table
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▲“Daily Table”は、ひとつひとつ手仕事によって仕上げられた上質な道具を日常使いすることを提案しています。食器などキッチンウェアはもちろん、インテリア、エクステリア、どちらでも使える植木鉢や小物たちが、日常を明るく愛すべき時間、空間に変えてくれます。


SAGYO TABLE|ARIAKE 有明
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▲家具の生産地、佐賀県諸富町のレグナックと平田椅子製作所による家具ブランド。Ariakeは、九州にある有明海からネーミングされ、夜明けを意味しています。グローバル市場を目指して国内外のデザイナー、職人、アートディレクター、フォトグラファーなどのコラボレーションによる30作品をコレクションしているそうです。SAGYO TABLEと名づけられた写真のテーブルは、組み立て式にも見えるシンプルで直線的、シャープなシルエットですが、木の質感やボリューム感が、人に優しく、空間に馴染む印象です。2つに分かれる大きなテーブル上に挟み込まれた小さなテーブルが、クリエイティブな使い方を誘発してくれそうです。また、テーブルが分解できるため輸送コストを抑え、隙間からケーブルを通すこともできる優れもののようです。


山形緞通|オリエンタルカーペット株式会社
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▲昭和10年より素足のライフスタイルに合わせた日本のじゅうたんを製作。毛づくりから染め、織りまで職人による一貫生産で、アフターケアも行う日本唯一のじゅうたんメーカーとのこと。写真上2点は、建築家・隈研吾氏によるデザインで、苔の質感と樹木が茂り立つ森を表現。写真下は、工業デザイーナー・奥山清行氏によるデザインで、波紋を表現しています。いずれも従来のじゅうたんにはない表現で、床に敷くだけのシンプルなアイテムに、無限の表情と新たな可能性を提示しています。誰もが直に肌で触れてみたくなるデザインではないでしょうか。


KUSU|株式会社辻製作所
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▲家具の町、福岡県大川市にある辻製作所による、楠の年輪の突板をそのまま埋め込んだサプライズな商品。その名も“KUSU”。年輪を家具に使うと聞くと、過度に民芸調で古風なイメージを思い描きますが、辻製作所の大胆なデザインと仕上げは、モダンで和の粋さえ感じさせます。テーブルやキャビネットで10〜20万円台。斬新でありながら見飽きない、自然素材ならではの表情を生かした成功事例のひとつと言えそうです。


Burel|TRENDBUREL, LDA
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▲Burelは、ポルトガルの山岳地帯に起源を持つ、ウールを中心とするサスティナブルなプロジェクトとのこと。伝統を大切にしながら現代的なデザインを意識しているという通り、とりわけフェルトを使ったファブリックは特徴的で魅力的。バッグや壁パネルなど、ファッションからインテリアまでさまざまに活用でき、とても上質な空間、時間を演出してくれそうです。


Sururu|株式会社東京商工社
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▲世界的にブームとなっている抹茶ですが、家庭で茶葉から挽くのは困難でした。そこで登場したのが、抹茶の素となるてん茶や煎茶、紅茶などいろいろな茶葉を手軽に挽いてそのままいただけるよう開発された便利な道具“Sururu”です。電源不要で持ち運べるから、いつでもどこでも好みのお茶を飲むことができます。茶葉を粉末にしてそのままいただくため、茶殻を出さないメリットもあります。


にじいろ甘酒|浦野醤油醸造所
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▲江戸末期から続く醤油醸造元による甘酒のラインナップ。都内の地方物産店で見かけますが、何といってもその品揃えとネーミングで、群を抜いた存在感です。にじいろ甘酒は、米を蒸して発酵させた生糀(こうじ)の力で米を分解・発酵してつくられ、酒粕や砂糖を使わず、地元福岡県産のフルーツや野菜とのマリアージュを提案しています。ファッションとインテリアの境界がなくなって久しいですが、今では食とインテリアも不可分な関係になってきました。


里山商会
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▲上写真の“mom ma(マンマ)”は炊飯器に水と一緒に入れるだけの炊き込みご飯。福岡県みやこ町産の減農薬減化学肥料認証米に、近くの海の幸、山の幸を加え、福岡県内メーカーによる天然あご出汁を使用。中写真“里山ごはん”は、米と、炊きたてのご飯に混ぜる具材のセット。さらに、ご飯にのせるおかずもラインナップ。下写真上の“ソボクパスタ”は、玄米、きな粉、ふすま入りの3種類。下写真下のハーブソルトは、九州産素材とオーガニックハーブを組み合わせた“bio garten”ブランドの1つ。長崎県産の塩数種類と乾燥オーガニックハーブをミックスした万能調味料だとか。ナショナルブランドの食品も信頼感があっていいですが、その地方ならではの食品は個性豊かで、好奇心と食欲をそそります。


Have a Herbal Harvest|HARAJUKU ROCKET by CATERING ROCKET
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▲“Have a Herbal Harvest”は、飾って美しく、お茶として飲めばハーブの香りと効果を感じることができるハーブティーブランドとのこと。量産されるハーブティーとは異なり、押し花や生け花のように1本1本乾燥させ、インテリアとして目で味わうことができるそう。贈り物や自分へのご褒美として推奨されています。“Have a Herbal Harvest”の製造過程で規格外としてはじかれたハーブを利用した“inedible”の1弾として登場したのが、大豆からの植物性油を原料とするソイキャンドル。融点が低く燃焼時間が長いためハーブの香りをゆっくり楽しめるのが特徴だそうです。食べられるインテリアと、食べられない(inedible)インテリア。インテリアの視点は確実に変化しています。


籐と和紙のうちわ|木内籐材工業株式会社 木内秀樹(職人) 大村卓(デザイン)
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▲骨組みに籐を使った団扇は、独特なしなりで、一般的な竹の骨組みの団扇より多くの風量をもたらすとのこと。また、籐は、表面にガラス質を持つため、触ると涼感を得られ、グリップ感に優れているそう。手漉き和紙は、無形文化遺産の細川紙(埼玉県小川町、東秩父村)。試行錯誤の末に完成した渦巻き状の骨組みと相まって、優雅でありながら弾力のある風をイメージさせてくれます。

House for flower|224 porcelain
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▲224 porcelainは、お茶の産地であり、温泉地でもある佐賀県嬉野市にあり、400年の伝統を持つ備前吉田焼の一角として誕生した磁器ブランド。有田や波佐見に近く、それらの下請けをしていたこともあり、決まった様式を持たないことが、今となっては長所のひとつと考えているそうです。House for flowerは、小さな家の煙突に花を生ける、何とも可愛らしいフラワーベースです。並べて飾ると、物語を語り出すように感じられます。


KITONO|カリモク家具株式会社
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▲“KITONO”は“暮らしをメイクする”をコンセプトに生まれたブランド。ブースのプレゼンテーションは、“シンプル”“やさしい”“あったかい”といったキトノの世界観を表現しているそうです。木の色を選ぶ。好きなファブリックを選ぶ。ボードに扉を付ける……。ひとり一人の暮らしに馴染むようにデザインできるのが特長だとか。SNS対応を行っているとのことですが、小さな家形の展示ボックスの中に家具を収めるなど、まさにインスタ映えする展示は好感度大です。実際、こんなアルコーブのようなセミオープンな打ち合わせスペースを持つ、クリエイティブなオフィスも見かけるようになりましたね。


ART GLASS|CHUNICHI STAINED ART CO.,LTD
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▲愛知県岡崎市をベースとする中日ステンドアートでは、オーダーメイドの建築用装飾ガラスの製作ならびに施工を行っています。積層デザインガラス、熱加工による「とろけるガラス」、ハンマーで叩き割って並べたガラス、エッチンググラスからステンドグラスまで、様々な表現と加工を追求しているようです。ガラスの透明感と輝きを生かした展示が醸し出す雰囲気は、大自然の中にいるような錯覚さえも感じさせてくれます。


Pioneer Millworks|池上産業株式会社
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▲Pioneer Millworksは、1980年代のアメリカでReclaimed Wood(建築解体古材)を内装材や構造材に再利用し始めた先駆者だそうです。体育館や工場、倉庫からコンテナ、牧場で使われていた古材を再加工しています。世界中からアメリカの東西両海岸にある2つの自社工場へ古材を集めることで、安定した品質と供給を実現しているとのこと。工場は100%風力発電で稼働し、廃材の焼却熱を暖房や乾燥炉に利用する徹底ぶり。FSC(森林管理協議会)の認証を取得し、同社製品を使うことで環境に配慮した建物に与えられるLEED認証の評価ポイントを得られるそうです。古材が持つ豊かな表情と、それらを生かす取り組みが、世界的に評価され浸透してきている様子を確信できる、そんなプレゼンテーションでした。


duende BENT STOOL|株式会社マークスインターナショナル
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▲Tube flattening(パイプ潰し加工)を用いて最小限のパーツで構成されたスツールだそうです。U字型に曲げた2本のパイプの片方を潰して嚙み合わせ、溶接されているため強度は十分だとか。座り心地もよく、持ち運びやすいと評価されているとのこと。ローとハイ、2つのタイプがあります。軽快でクールな印象から、新しい定番化の気配を感じさせます。


過去のリポートは、次のページでご覧いただけます。

■IFFT/interiorlifestyle living 『IFFT/インテリア ライフスタイル』

2009年12月 2010年11月 2012年10月 2013年11月 2014年11月 2015年11月 2016年11月


■interiorlifestyle TOKYO 『インテリア ライフスタイル』
2011年6月 2012年6月 2013年6月 2014年6月



過去のリポートは、デジタルブックとしても配信しています。次の画像をクリックして、ダウンロードしてお楽しみください。

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Tokyodesignmonth_2014 Tokyodesignmonth_2013
Interiorlifestyletokyo_2013 Tokyodesignmonth_2012
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2017.12.19

東京都の『中小企業活力向上ハンドブック』をデザインしました

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東京都と都内中小企業支援機関が連携して取り組んでいる「中小企業活力向上プロジェクト」では、中小企業の「底力向上」と「将来の成長」に向けて、経営課題の発見から短期・中長期の課題解決までを支援しています。
このプロジェクト実行委員会が発行している、「中小企業活力向上ハンドブック」の増刷にともない、トランローグがデザインを担当し、紙面を刷新しました。ハンドブックは、経営力アップのための70のビジネスメソッドと、チェックしておきたい10の財務指標をまとめています。
都内60カ所にある商工会議所、商工会、ならびに東京商工会議所支部で、無料配布されます。
是非お手にとってご覧ください。

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関連記事■次の暮らしのデザイン

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2017.11.20

動画付きデジタルリポート『Tokyo Design Month 2016|東京デザイン月間で見つけた次の暮らしのデザイン』をダウンロードしてご覧ください!

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日本全国からまちづくりをリードするイノベーターが集結し、その取り組みを発信した『地方創生まちづくりEXPO “まちてん”』。東京から世界へ向けてインテリアを通してライフスタイルを提案する『IFFT/インテリア ライフスタイル リビング』。 2016年10月から11月にかけて東京で開催されたデザインイベントのなかから、2つのイベントをフィーチャーしました。目的も嗜好も異なる2つのイベントから「次の暮らしのデザイン」を感じとってください。

豊富な動画と写真で紹介するの注目のデザインの数々。
下記のリンクをクリックして『Tokyo Design Month 2016|東京デザイン月間で見つけた次の暮らしのデザイン』をダウンロードしてお楽しみください。

なお、このリポートは、デザイン、ワークショップ、メディアをテーマとするトランローグが、メディア活動の一環として取材・編集したものです。

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▲【デジタルブック=動画+写真+テキストPDF】『Tokyo Design Month 2016|東京デザイン月間で見つけた次の暮らしのデザイン』

価格:FREE
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2017.11.14

里山交流会 「古民家の暮らし&酒蔵訪問」in千葉県睦沢町

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photo & text : Kazuko TOMOYORI + Tranlogue Associates

スローライフやエコロジーへの関心の高まりとともに、古い住まいを大切にする古民家再生が注目されています。しかし、古民家についての情報が少ないのが現状です。トランローグのワークショップのある千葉県睦沢町には、町外から移住し、古民家ライフを楽しむ方々がお住まいです。
そこで、2017年8月20日(日)、里山での暮らしや古民家建築、日本酒好きな方を対象に、里山交流会「古民家の暮らし&酒蔵訪問」in 睦沢町を開催しました。

最初に訪問したのは、新潟の養蚕農家の曲がり家を移築リノベーションしたKさんのお宅。敷地は、約1000坪もあります。50代の頃に、定年後のことを考え、「気候が温暖で、里山の景色が残る場所に暮らそう」と、房総に絞り込んだKさんご夫妻。市川市のご自宅からの交通の便の良さを優先し、茂原市周辺から土地探しを始めました。

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▲土地探しや家のことなど、詳しく説明してくれたご主人

「北に山、南に田んぼ」を条件として、不動産業者の数社に、敷地探しを依頼。やがて、連絡があった中から、その条件にぴったりな土地を睦沢町に見つけました。
その後、新潟から諏訪湖畔に移築されていた、明治中期、約140年前の古民家の曲家(まがりや)と出会い、睦沢町に再移築させました。

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▲白かべと柱のコントラストが美しい真壁づくりの外観

曲家とは、伝統的建築様式の一つで、民家に厩(うまや)を取り込んで、平面がL字形の間取りになったもの。現在の建物では、曲がった部分は取り除き、I字形の間取りになっています。茅葺だった屋根は、ガルバリュウム鋼板に葺き替えています。
内部は、8寸(約24センチ)もある、ケヤキの通し柱(※土台から軒まで1、2階を通した、継ぎ目のない柱。建物の耐震性や耐久性を高める役割を果たす)8本が、建物を支えています。

かつて、民家の大黒柱といえばケヤキが多く、木目が美しく、家を守り支える象徴でした。かたくて強度があり、耐水性や耐久性に富み「広葉樹の王様」とも呼ばれています。近年では、流通量が少なく、高価なため構造材としては、あまり使われていません。
当初は長い年月で汚れていた、このケヤキの柱。ご主人と奥さんの二人だけで、少しずつ時間をかけてサンダーで何度も磨き、蜜蠟ワックスで仕上げました。その甲斐あって、とても美しい木目が蘇っています。

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▲インターネットで購入したという両引き戸

こんなにもこだわって大切にしている建物ですが、ご主人曰く「一番大切なのは、土地。土地選びこそ、こだわらないとダメ」と強調。「建物はいくらでも造れても、土地は動かす事ができないのだから」と。まさにKさんのお宅は、目の前の南に、田んぼと里山の風景が一望できて、北は、家を守る山を背負った、選び抜かれた素晴らしい土地である事が、現地を見学させていただいて、よく理解できました。
当日は、ご自宅の中も快くご案内いただきました。最後には、参加者に新米のお土産までいただき、参加者一同、大感激でした。

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次に向かったのは、睦沢町上之郷にある真栄城(まえしろ)克子さんのお宅。敷地約2370坪、母屋の建物は約35坪です。母屋は、平成9年に新築され、いわゆる古民家ではありませんが、建て替え以前の茅葺民家の「式台」を以前のまま移築した建物です。仲間と健康に暮らせるシェアハウスを目指して、ここに移住しました。

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お昼ごはんは、今年の夏にオープンしたばかりの「カフェFURACOCO」へ。

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▲静かな場所に建てられた、癒しのスペースで、和やかに美味しいランチをいただきました

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▲今回のツアーで利用した睦沢町の中型バス

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最後は、一宮町の東浪見にある、稲花酒造へ。房総の上総一ノ宮で、江戸・文政年間(西暦1818 年~1830 年)創業の歴史ある蔵元。伝統的な技を継承し、手づくりで酒本来の美味しさを追求する一方、最新製法にも挑戦しています。
今年、睦沢町の酒米でつくった「純米大吟醸・睦水(ぼくすい)」を7 月に発売。蔵の見学とお酒の試飲をさせていただきました。

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▲いまも現役のレンガ造りの煙突

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▲大人もすっぽり入る大きな釜でお米を炊いています

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▲江戸、明治、昭和初期と繋いできた歴史ある建物は、中に入ると外から見るより高さがあって、分厚い土壁に大屋根のかかった大空間は、とても趣き深いつくり。明り採りの高窓がリズムよく並んでいます。

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▲この睦水(ぼくすい)、純米大吟醸ならではのフルーティーでふくよかな香りと、穏やかな米の旨みも感じられる上に、すっきりとした味わいのお酒。なんだか白ワインのような口当たりです。お米と水だけで、どうしてこんなメロンのような香りがするんでしょう!? ふだん日本酒を飲み慣れない方も、ぜひ一度お試しを!

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里山交流会 「古民家の暮らし&酒蔵訪問」in 千葉県睦沢町
企画:睦沢町役場産業振興課、トランローグ・アソシエイツ
「純米大吟醸・睦水」の専用サイト
6238.jp/bokusui/

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