2010.12.18

"ドイツの森に鳥居を建てた11日間" DVD&電子書籍を発売中!

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カテゴリー:10■ドイツの森に鳥居建立

2007年7月、日本とヨーロッパの職人がドイツの森に集結し、エンジンやモーターを動力とした機械を使わず手仕事によって鳥居を建立した11日間を密着取材。
職人の息づかいが伝わる、臨場感溢れるムービー版(DVD)。豊富な写真と図版で現場の様子を丁寧に解説した電子書籍版(CD)。2つのコンテンツを発売中!
トランローグは、ドイツの森で職人たちが実践したような、手仕事の楽しみこそが伝統文化と自然環境を同時に未来に引き継ぐ秘訣と考え、より多くの方々に手仕事の楽しみを知っていただきたいと願っています。

取材協力:削ろう会/ドイツ削ろう会 企画・制作:杉田基博+tranlogue associates inc.

【ムービー版】
DVD VIDEO形式/約1時間30分/画面比率(アスペクト比)4:3
価格: 本体割引価格1,000円(税込)
購入方法: info@tranlogue.jp宛にメールでお申し込みください。
【銀行振込】
銀行振込をご利用いただき、DVDをご購入いただけます。
DVD代金1,000円、振込手数料の他に送料がかかります。
振込手数料・送料はお客様のご負担でお願いいたします。
送料はその都度お見積いたします。
【paypal】
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詳しくはメールでお問い合わせください。

▶ムービー版サンプルをYouTubeにアップしています!

【電子書籍版】
PDF形式/添付ソフト:Adobe Reader 9(※このe-bookをご覧いただくには、Acrobat Reader 4.0以上が必要です。)/A5サイズ/128ページ
価格: ダウンロード版:450円(税込)/CD版1,000円(税込)
購入方法: info@tranlogue.jp宛にメールでお申し込みください。
【銀行振込】
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CD版の場合は、送料がかかります。
送料はその都度お見積いたします。
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電子書籍版PDFサンプルをダウンロードいただけます!

電子書籍版(CD)で紹介している鋸の目立ての第一人者、長津勝一氏(丸長長勝)が伝授する「切れる鋸の原理」は、職人も手仕事を愛する日曜大工も必見の内容。

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2007.07.27

ドイツの森に鳥居を建てた11日間ー1日目

日本ヨーロッパ8カ国の職人が古来の手仕事で
ドイツの森に鳥居を建てた11日間—1日目

7/5(木)成田:曇り。フランクフルト:曇り、気温16度。ベルリン:夕立。宿泊地ヒッツザッカー:晴れ (text: MotohiroSUGITA)

 削ろう会のメンバー8名とその家族、スタッフの総勢11名は、午前7時成田第一ターミナル・ルフトハンザ・チェックインカウンター前に集合した。日本とヨーロッパの超一級の手技を持つ職人が団結し、ドイツの森に鳥居を建立するための大工道具を機内に預けるには、検査に時間が掛かるため、誰よりも早くチェックインしたかったのだ。

 総勢11名のうちの1人は、この私だ。私は、住関連の商品開発やPRを行うデザイナーであり、同じく住関連のメディア(取材・編集・記事発表)とワークショップ(体験教室)活動を行っている。今回は、メディア活動の一環としてジャーナリストとして同行させていただいた。ジャーナリスト歴は、ちょうど10年。しかし、読者には、ジャーナリストという立場でリポートが書かれた、という前提で読んでいただくよりも、住関連の仕事に広く浅く係わりながら、土日は小さな山小屋をセルフビルドしている、日本古来の家づくりを愛する物好きが、居ても立っても居られず、ドイツまで同行取材を志願した、とお考えいただいたほうが、間違いない。日本とヨーロッパの職人史上の快挙であり、見る者皆を虜にするくらい楽しいプロジェクトではあるが、それは政治経済的な歴史とは無縁で、何よりも私自身の知的好奇心と本能あるいは筋肉的欲求を満たすための取材だからだ。
 一体何のために文化も宗教的背景も異なる職人たちが集まって鳥居を建立しようとしているのか。木材の伐採から始まり、エンジンやモーターを動力とする機械を一切使わず、すべて手道具で仕上げる手仕事は、今時の大工には過酷で未知の世界だ。このプロジェクトが、とある地球の片隅で行われるイリュージョンでないことを自分の目で確かめるまで、私は半信半疑だ。

 荷物の中身は、マサカリ(鉞)やオノ(斧)など重量のある危険物ばかりである。
 プロジェクトにおける連絡の要となっている日本とドイツの文化交流を支援する(社)日本カール・デュイスベルク協会の坂本専務からルフトハンザ日本支社長を通じて参加メンバーの機内預かり荷物は一人当たり30kg。規定の20kgに10kgのボーナスをいただいた。
 なお、坂本さんの計らいでメンバー各人には、旅行中空港内で荷物を没収されることのないよう、旅の目的が明記された証明書が配られた。私の名前が明記された英独併記の証明書を手に取り、改めてプロジェクトの特異性を感じ、緊張した。
 本プロジェクトにおいては、ジャーナリストといえども大工道具30kgを運ばなければならない。その道具箱たるや、2年前から取材している雨宮さんの手作りによる木製の道具箱にゴムチューブを巻いて固定したもので、見るからに危険物そのものだ。マサカリやオノの柄が見え隠れしているではないか。神様、セキュリティ様、どうぞ私たちを無事ドイツの森までお導きください。

 チェックイン時に一人個室に連れ込まれることは無かったものの、全員で保安検査を受けるため、別の場所へと移動させられた。もし、私たちの刃物で溢れかえった荷物を、保安検査を受けずにチェックインカウンターよりベルトコンベアでセキュリティに流してしまったら。考えただけでも恐ろしい。空港内はエマージェンシー状態になるからだ。
 無事検査を終えると一行は出国審査を通って搭乗した。
 成田からフランクフルトを経由し、ベルリンに到着するまでの約15時間のフライトだった。

 ベルリンに着くとドイツ人の若者たちが私たちを出迎えてくれた。
 削ろう会会長で宮大工の杉村さんのもとで修行したハネスと、プロジェクトの棟梁を務める数奇屋大工の甘粕さんのもとで修行したマーク、それに彼らの仲間で今回メンバーの中で最も長身のエリックと、日本から一足先に現地入りした飛騨の家具職人、山内君の4人だ。
 私たちが入国ゲートをくぐるのを見守りながら満面の笑顔で手を振る彼らは、見るからに今時の若者らしく屈託の無い表情で心から私たちの到着を歓迎してくれた。そんな彼らを見ていると、日本では戦争中から神経質なテーマとして取り上げられることの多い鳥居について、彼らは何を考え、どんな想いを抱いているのだろうか、と疑問を感じ、多少の不安を覚えた。

 私たちは2台の車に分乗し、3時間を予定している道中、給油と買い物、トイレを兼ねて一度休憩しただけで、ただひたすら宿泊地であるハンブルク方面、エルベ川のほとり、ニーダーザクセン州ヒッツザッカーを目指した。
北緯53度の高緯度でサマータイムのせいか、夜10時を過ぎても明るい田園風景を、皆すっかり見飽きて車内でぐったりした頃、ようやく宿泊地に到着した。所要時間はおよそ4時間ほどだったか。参考までに日本最北の稚内でも北緯45度だ。
 道中いくつもの小さな町を走り過ぎたが、人一人歩いていない。時刻のせいか、あるいは、やはりここが私の夢の世界、幻だからか。

 長旅で休憩らしい休憩をしていなかった私たちは、すぐに夕食(夜食?)をいただいた。私たちの到着を待っていたドイツの職人たちは、私たちが食事している下屋(母屋の軒下)の外、焚き火を囲んでくつろいでいた。彼らも緊張していたのか疲れていたのか、無口だった。 
 夕食はグリーンカレーだ。皆黙々と食事していたので、少し雰囲気を変えたくなった私は、近くにいた男性に話し掛けた。
「このグリーンカレーは美味しいですね。どなたが作られたのですか?」と尋ねると、男性は「彼女は、今は夜遅いので子供を寝かせるために帰宅してここに居ないが、料理がとても上手なんだ」とゆっくりと優しい口調で答えてくれた。
 この男性こそ、このキャンプサイトの家主で革細工職人のヨギさんだった。

 成田を飛び立って約21時間後、現地時刻の11時を回って疲れ切った私たちは、二手に分かれて宿舎へと移動した。
 一方は下屋の脇、長屋の角の2階、ツタに覆われ、青空階段(屋外階段)のある、とてもロマンティックな雰囲気だった。そこに宮大工の雨宮さん、佐藤さん、谷口君、甘粕棟梁のお弟子さんの木村君が宿泊した。もう一方は歩いて2、3分の場所にあるヴァケーションハウスと呼ばれる、日本の民宿のような施設だ。私は、甘粕棟梁ご夫妻、宮大工の國分さん、菱田君と植木君、インテリアデザイナーで佐藤さんのアシスタントを勤める女性の大鶴さんと一緒にヴァケーションハウスに案内された。今日私たちを迎えに来てくれた山内君は、マークと一緒に皆とは別の部屋に宿泊していた。

 オーナーのご婦人が私たちを玄関に出迎えてくれた。
 2階へ上がると、キッチンからシャワー、トイレ、バルコニーまでとても清潔な空間だった。聞けば改装したばかりとのこと。また、下着以外は洗濯してくれる、というから機内持ち込み手荷物だけで約2週間を過ごさなければならない私にとっては、耳を疑うほど嬉しかった。雨宮さんたちが宿泊する、ワンルームに簡易ベッドが並べられたキャンプのコテージと比較するとあまりにもラグジュアリーだ。この格差は、地位、年齢、性別・・・そして偶然に由来するようだ。
 私たちは、4部屋に分かれたが、2部屋がドアを隔てて続いている部屋に、私と國分さん、菱田君と植木君が滞在することになった。順番にシャワーを浴び、長旅で緊張した神経を休めるためにビールをいただき、皆で床についたのは、成田を出発してほぼ1日経った深夜1時過ぎだった。

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チェックインする雨宮さんと機内預かり危険物

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夕立のベルリン空港

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ヨギさん(手前)の屋敷内、下屋で夕食

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ロマンティックなドミトリー

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ヴァケーションハウス前の菱田君(右)と植木君(左)

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2007.07.19

ドイツの森に鳥居を建てる

 7月6日〜14日の9日間、削ろう会とドイツ削ろう会(リーダー ハネス・シュネルさん)ならびにヨーロッパ各国の職人が一堂に会し、ドイツ・ニーダーザクセン州ミュッチンゲンにあるイベント施設に鳥居を建立しました。 この場所を選んだのは、美しく気持ちの良い森があり、大勢で食事・宿泊ができて、たくさんの子どもたちにも見てもらえるから。

 参加者は、ドイツ人58名、チェコ人8名、フランス人3名、スウェーデン人1名、デンマーク人1名、ノルウェー人1名、スコットランド人1名、そして日本人15名の合計8カ国88名。(ドイツ削ろう会への取材より)

 彼らは鳥居を「日本文化の象徴であるばかりでなく、世界中どこでも飛んで行くことのできる職人(鳥)が、そこに止まり交流する(居る)場であり、日本とヨーロッパの職人たちのシンボルにしたい」と考えています。

 果たして鳥居は、機械を使わず昔ながらの手仕事で、どのようにつくられ、立ち上げられたのか?

 只今、全行程のリポートを編集中! 初日から最終日にかけてのリポートを、順番に掲示していきます。お楽しみ!

まずは、ハイライトをご覧ください。(text: MotohiroSUGITA)

準備

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鳥居づくり

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クレーン/建前

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建前/party

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2007.07.09

ドイツの森に鳥居を建てる(予告)

 カンナの技を磨くことで日本大工の技術を保存・発展させている削ろう会(会長 杉村幸次郎さん/愛知県)が、7月7日~13日の7日間で、ドイツのニーダーザクセン州ミュッチンゲンにある研修施設に鳥居を建立します。
 参加者はドイツ、イギリス、フランス、チェコ、そして日本の5カ国の伝統的手仕事による職人約40名。そんな彼らが自国の枠に引きこもることなく、国を超えて交流しながら自らの技を自慢し、学び合う場として、鳥居建立の意義は深い。彼らは、日本の鳥居を、自らも意識しなければ廃れてしまうかもしれない手業を通して、過去と未来、そして世界をつなぐ架け橋と考えているようです。
 トランローグは、ドイツにおける鳥居建立の全行程をリポートします。お楽しみに!
(text:MotohiroSUGITA)


5月19日(日)、愛知県甚目寺町八坂神社の大祭、献灯の翌日。20mの山竿は、杉村親方、雨宮さん(山梨県)、ドイツ削ろう会のアクセルさんにより、190年ぶりに新調。山竿の新調には、マサカリによる製材からチョウナ、カンナによる仕上げまで、すべて手仕事で10日間掛かった。
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同日、杉村親方の工房にて、ドイツに建立する鳥居の模型を前に、一週間という限られた期間で、文化的背景の異なる職人同士、技を究めた鳥居を完成させるための検討が行われました。ドイツの現場は、甘粕親方(神奈川県)が仕切ります。
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