« 【草取り〜稲刈り・脱穀のお手伝い募集!】こども宅食向け米づくりワークショップ開催! | トップページ | 【2017年】地方創生まちづくりフォーラム“まちてん” に見る次の暮らしのデザイン »

2018.06.11

《2017年11月》 IFFT/インテリア ライフスタイル リビングで見つけた次の暮らしのデザイン

Img_3820_02
Img_3836_02
Img_3851_02
Img_3849_02
Img_3855_02
Img_3861_02
Img_3902_02


photo, movie & text: Motohiro SUGITA + Travelogue Associates


2017年11年20日(月)〜22(水)、東京ビッグサイト西1・3・4ホール+アトリウムにおいて、国際見本市 IFFT/Interior Lifestyle Living 『IFFT/インテリア ライフスタイル リビング』が開催されました。本展は、東京から世界へ向けてライフスタイルを提案し、アジアを牽引するインテリアデザインのための国際的なB to B/商談見本市として開催されてきました。一般来場者は入場できません。
アトリウムでは、「ローカルの再発見」をテーマに、「THE HOTEL Hello, NEW LOCAL」というテーマの特別企画が開催されました。日本各地から結集した商材を回遊して楽しむ構成にしたそうです。
メディアを通して次の暮らしをデザインするトランローグは、
会場に出展社を訪ね、取材しました。
使い古された素材を蘇らせたり、素材の良さを堪能できるライフスタイル提案が、今年の特徴のひとつとして際立っていたようです。


ひとつぼキャビンシリーズ|株式会社サカモト
Img_3825_02

▲埼玉県飯能市で1961年創業の木製建具メーカー、サカモトによる屋台シリーズ。ひとつぼ屋台は、屋内外で利用でき、女性2人でも短時間で組み立てられるそう。上写真はひとつぼ茶室(屋内用)。楽しさ溢れる印象ですが、和の建具ならでは几帳面さや清潔感に好感がもてます。千利休が極めた極小の茶室「待庵」と同じ1坪(2畳)でありながら、開放的な空間を楽しめそうです。価格は、1,395,000円(税別)。飯能市を中心に育林されている西川材(杉・桧)を利用し、。平成28年 地域産業資源活用事業計画「西川材の木材加工技術を活用したひとつぼキャビン事業」(農林水産省、経済産業省)に認定されたそうです。海外のテントとは異なる独自の進化を遂げる日本の屋台から目が離せません。


BELAY|和信化学工業株式会社
Img_3831_02

▲木やガラス、石まで。また、雑貨や家具、建具まで、さまざまなアイテムに塗るだけで表面を傷や汚れから保護でき、しかもはがせる塗料だとか。クリアグロスとクリアマットの2種類があり、カタログ上には約2時間で乾燥する、と書かれていたり、1日程乾燥させ完成、とも書かれています。1回塗りで6〜8平米。2回塗り(立面)で5〜6平米の量(1kg)で15,000円。大切なもの、大勢の人に使われて汚れの気になるものの保護に試してみたい商品です。素材が持ち味の家具など、何かで覆って守るのではなく、保護しながら見せる、攻めの提案です。


SAN|正織興業株式会社
Img_3835_02
Img_3833_02
Img_3836_02
▲岡山県倉敷市で1880年創業の繊維メーカーによる新しい布のかたちの提案。出荷規格外品を何層にも重ねてできる断面の模様を生かしたアイデアです。布からできているため柔らかい印象で、大理石や墨流しを思わせる偶然性の高い模様は、シンプルなインテリアとも好相性です。トレイやフレーム、フックからスツールまで、さまざまに展開されています。優しい肌触りなので直接肌で触れるアイテムや、ストーリーのある布を使うなど、今後の展開が楽しみです。


mettre|PS×norsk
Img_3837_02
Img_3839_02
Img_3838_02
▲mettroは、表面温度30〜45℃で連続運転することで、快適性と経済性の両立を目指す電気ヒーターPS HR(E)と、永く愛される家具づくりを標榜するnorskのコラボによって生まれた“暖かい家具”とのこと。無垢の鉄と木の組み合わせは、違和感なくインテリアに溶け込む一方、しっかりとした存在感も感じさせます。100Vコンセント利用で取り付け工事が不要。放射熱により温めるため、不快な風や音が出ないそうです。衣類を乾燥させるハンガーやワゴン、キャビネットからシェルフ、クローゼットまで用途も大きさもさまざまに展開されています。きれいな空気と落ち着いた空間をつくってくれそうです。


CITONEL KITCHEN
Img_3841_02
Img_3844_02
Img_3843_02
Img_3842_02
▲飛騨の言葉で「育てる」を意味する「しとねる」。CITONEL KITCHENは、使いながら手を加えて育てるキッチンを目指しているそうです。ミズナラやイタヤカエデ、オニクルミからクリなどの国産材や古在、節のあるB級材も積極的に再利用しているとか。注文を受けてから設計・製作を始めるセミオーダー式で、建築家、什器製作者、無垢材加工者がユーザーと一緒に考えながら製作し、DIYやメンテナンス、アップデータにも対応するそうです。下写真の構造を表した模型と同様の構成(引き出し6杯)、W2,400のアイランドタイプで、価格の目安は1,145,000円(税込/IH・水栓などの機材・工事費別)とか。できた時から生活や空間に馴染む、天然素材ならではの味わいです。


La Gabbianella|Daily table
Img_3849_02
Img_3847_02
▲“Daily Table”は、ひとつひとつ手仕事によって仕上げられた上質な道具を日常使いすることを提案しています。食器などキッチンウェアはもちろん、インテリア、エクステリア、どちらでも使える植木鉢や小物たちが、日常を明るく愛すべき時間、空間に変えてくれます。


SAGYO TABLE|ARIAKE 有明
Img_3851_02
Img_3852_02
Img_3850_02
▲家具の生産地、佐賀県諸富町のレグナックと平田椅子製作所による家具ブランド。Ariakeは、九州にある有明海からネーミングされ、夜明けを意味しています。グローバル市場を目指して国内外のデザイナー、職人、アートディレクター、フォトグラファーなどのコラボレーションによる30作品をコレクションしているそうです。SAGYO TABLEと名づけられた写真のテーブルは、組み立て式にも見えるシンプルで直線的、シャープなシルエットですが、木の質感やボリューム感が、人に優しく、空間に馴染む印象です。2つに分かれる大きなテーブル上に挟み込まれた小さなテーブルが、クリエイティブな使い方を誘発してくれそうです。また、テーブルが分解できるため輸送コストを抑え、隙間からケーブルを通すこともできる優れもののようです。


山形緞通|オリエンタルカーペット株式会社
Img_3855_02
Img_3854_02
Img_3853_02
▲昭和10年より素足のライフスタイルに合わせた日本のじゅうたんを製作。毛づくりから染め、織りまで職人による一貫生産で、アフターケアも行う日本唯一のじゅうたんメーカーとのこと。写真上2点は、建築家・隈研吾氏によるデザインで、苔の質感と樹木が茂り立つ森を表現。写真下は、工業デザイーナー・奥山清行氏によるデザインで、波紋を表現しています。いずれも従来のじゅうたんにはない表現で、床に敷くだけのシンプルなアイテムに、無限の表情と新たな可能性を提示しています。誰もが直に肌で触れてみたくなるデザインではないでしょうか。


KUSU|株式会社辻製作所
Img_3862_02
Img_3861_02
Img_3863_02
▲家具の町、福岡県大川市にある辻製作所による、楠の年輪の突板をそのまま埋め込んだサプライズな商品。その名も“KUSU”。年輪を家具に使うと聞くと、過度に民芸調で古風なイメージを思い描きますが、辻製作所の大胆なデザインと仕上げは、モダンで和の粋さえ感じさせます。テーブルやキャビネットで10〜20万円台。斬新でありながら見飽きない、自然素材ならではの表情を生かした成功事例のひとつと言えそうです。


Burel|TRENDBUREL, LDA
Img_3866_02
Img_3865_02
▲Burelは、ポルトガルの山岳地帯に起源を持つ、ウールを中心とするサスティナブルなプロジェクトとのこと。伝統を大切にしながら現代的なデザインを意識しているという通り、とりわけフェルトを使ったファブリックは特徴的で魅力的。バッグや壁パネルなど、ファッションからインテリアまでさまざまに活用でき、とても上質な空間、時間を演出してくれそうです。


Sururu|株式会社東京商工社
Img_3869_02
▲世界的にブームとなっている抹茶ですが、家庭で茶葉から挽くのは困難でした。そこで登場したのが、抹茶の素となるてん茶や煎茶、紅茶などいろいろな茶葉を手軽に挽いてそのままいただけるよう開発された便利な道具“Sururu”です。電源不要で持ち運べるから、いつでもどこでも好みのお茶を飲むことができます。茶葉を粉末にしてそのままいただくため、茶殻を出さないメリットもあります。


にじいろ甘酒|浦野醤油醸造所
Img_3872_02
▲江戸末期から続く醤油醸造元による甘酒のラインナップ。都内の地方物産店で見かけますが、何といってもその品揃えとネーミングで、群を抜いた存在感です。にじいろ甘酒は、米を蒸して発酵させた生糀(こうじ)の力で米を分解・発酵してつくられ、酒粕や砂糖を使わず、地元福岡県産のフルーツや野菜とのマリアージュを提案しています。ファッションとインテリアの境界がなくなって久しいですが、今では食とインテリアも不可分な関係になってきました。


里山商会
Img_3874_02
Img_3876_02
Img_3878_02
▲上写真の“mom ma(マンマ)”は炊飯器に水と一緒に入れるだけの炊き込みご飯。福岡県みやこ町産の減農薬減化学肥料認証米に、近くの海の幸、山の幸を加え、福岡県内メーカーによる天然あご出汁を使用。中写真“里山ごはん”は、米と、炊きたてのご飯に混ぜる具材のセット。さらに、ご飯にのせるおかずもラインナップ。下写真上の“ソボクパスタ”は、玄米、きな粉、ふすま入りの3種類。下写真下のハーブソルトは、九州産素材とオーガニックハーブを組み合わせた“bio garten”ブランドの1つ。長崎県産の塩数種類と乾燥オーガニックハーブをミックスした万能調味料だとか。ナショナルブランドの食品も信頼感があっていいですが、その地方ならではの食品は個性豊かで、好奇心と食欲をそそります。


Have a Herbal Harvest|HARAJUKU ROCKET by CATERING ROCKET
Img_3881_02
Img_3880_02
Img_3883_02
▲“Have a Herbal Harvest”は、飾って美しく、お茶として飲めばハーブの香りと効果を感じることができるハーブティーブランドとのこと。量産されるハーブティーとは異なり、押し花や生け花のように1本1本乾燥させ、インテリアとして目で味わうことができるそう。贈り物や自分へのご褒美として推奨されています。“Have a Herbal Harvest”の製造過程で規格外としてはじかれたハーブを利用した“inedible”の1弾として登場したのが、大豆からの植物性油を原料とするソイキャンドル。融点が低く燃焼時間が長いためハーブの香りをゆっくり楽しめるのが特徴だそうです。食べられるインテリアと、食べられない(inedible)インテリア。インテリアの視点は確実に変化しています。


籐と和紙のうちわ|木内籐材工業株式会社 木内秀樹(職人) 大村卓(デザイン)
Img_3884_02
▲骨組みに籐を使った団扇は、独特なしなりで、一般的な竹の骨組みの団扇より多くの風量をもたらすとのこと。また、籐は、表面にガラス質を持つため、触ると涼感を得られ、グリップ感に優れているそう。手漉き和紙は、無形文化遺産の細川紙(埼玉県小川町、東秩父村)。試行錯誤の末に完成した渦巻き状の骨組みと相まって、優雅でありながら弾力のある風をイメージさせてくれます。

House for flower|224 porcelain
Img_3889_02
Img_3887_02
▲224 porcelainは、お茶の産地であり、温泉地でもある佐賀県嬉野市にあり、400年の伝統を持つ備前吉田焼の一角として誕生した磁器ブランド。有田や波佐見に近く、それらの下請けをしていたこともあり、決まった様式を持たないことが、今となっては長所のひとつと考えているそうです。House for flowerは、小さな家の煙突に花を生ける、何とも可愛らしいフラワーベースです。並べて飾ると、物語を語り出すように感じられます。


KITONO|カリモク家具株式会社
Img_3892_02
Img_3893_02
Img_3895_02
▲“KITONO”は“暮らしをメイクする”をコンセプトに生まれたブランド。ブースのプレゼンテーションは、“シンプル”“やさしい”“あったかい”といったキトノの世界観を表現しているそうです。木の色を選ぶ。好きなファブリックを選ぶ。ボードに扉を付ける……。ひとり一人の暮らしに馴染むようにデザインできるのが特長だとか。SNS対応を行っているとのことですが、小さな家形の展示ボックスの中に家具を収めるなど、まさにインスタ映えする展示は好感度大です。実際、こんなアルコーブのようなセミオープンな打ち合わせスペースを持つ、クリエイティブなオフィスも見かけるようになりましたね。


ART GLASS|CHUNICHI STAINED ART CO.,LTD
Img_3898_02
Img_3901_02
▲愛知県岡崎市をベースとする中日ステンドアートでは、オーダーメイドの建築用装飾ガラスの製作ならびに施工を行っています。積層デザインガラス、熱加工による「とろけるガラス」、ハンマーで叩き割って並べたガラス、エッチンググラスからステンドグラスまで、様々な表現と加工を追求しているようです。ガラスの透明感と輝きを生かした展示が醸し出す雰囲気は、大自然の中にいるような錯覚さえも感じさせてくれます。


Pioneer Millworks|池上産業株式会社
Img_3908_02
Img_3902_02
Img_3906_02
Img_3907_02
▲Pioneer Millworksは、1980年代のアメリカでReclaimed Wood(建築解体古材)を内装材や構造材に再利用し始めた先駆者だそうです。体育館や工場、倉庫からコンテナ、牧場で使われていた古材を再加工しています。世界中からアメリカの東西両海岸にある2つの自社工場へ古材を集めることで、安定した品質と供給を実現しているとのこと。工場は100%風力発電で稼働し、廃材の焼却熱を暖房や乾燥炉に利用する徹底ぶり。FSC(森林管理協議会)の認証を取得し、同社製品を使うことで環境に配慮した建物に与えられるLEED認証の評価ポイントを得られるそうです。古材が持つ豊かな表情と、それらを生かす取り組みが、世界的に評価され浸透してきている様子を確信できる、そんなプレゼンテーションでした。


duende BENT STOOL|株式会社マークスインターナショナル
Img_3910_02
Img_3911_02
Img_3909_02
▲Tube flattening(パイプ潰し加工)を用いて最小限のパーツで構成されたスツールだそうです。U字型に曲げた2本のパイプの片方を潰して嚙み合わせ、溶接されているため強度は十分だとか。座り心地もよく、持ち運びやすいと評価されているとのこと。ローとハイ、2つのタイプがあります。軽快でクールな印象から、新しい定番化の気配を感じさせます。


過去のリポートは、次のページでご覧いただけます。

■IFFT/interiorlifestyle living 『IFFT/インテリア ライフスタイル』

2009年12月 2010年11月 2012年10月 2013年11月 2014年11月 2015年11月 2016年11月


■interiorlifestyle TOKYO 『インテリア ライフスタイル』
2011年6月 2012年6月 2013年6月 2014年6月



過去のリポートは、デジタルブックとしても配信しています。次の画像をクリックして、ダウンロードしてお楽しみください。

Tokyodesignmonth_2016 Tokyodesignmonth_2015
Tokyodesignmonth_2014 Tokyodesignmonth_2013
Interiorlifestyletokyo_2013 Tokyodesignmonth_2012
Interiorlifestyle_2012



関連記事■次の暮らしのデザイン

|

« 【草取り〜稲刈り・脱穀のお手伝い募集!】こども宅食向け米づくりワークショップ開催! | トップページ | 【2017年】地方創生まちづくりフォーラム“まちてん” に見る次の暮らしのデザイン »

次の暮らしのデザイン」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 【草取り〜稲刈り・脱穀のお手伝い募集!】こども宅食向け米づくりワークショップ開催! | トップページ | 【2017年】地方創生まちづくりフォーラム“まちてん” に見る次の暮らしのデザイン »