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2018.06.27

【2017年】地方創生まちづくりフォーラム“まちてん” に見る次の暮らしのデザイン

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photo & movie, text: Motohiro SUGITA + Tranlogue Associates


2017年12年8日(金)、9日(土)の2日間、渋谷ヒカリエ9Fホールにて、 地方創生まちづくりフォーラム“まちてん(主催:まちてん2017実行委員会)”が開催されました。
“まちてん”は、まちづくりの展覧会。カンファレンス、セッション、展示、レセプションパーティーを通じて、地域、社会起業家、企業などが協業・連携するからこそ実現可能なサスティナブルなまちづくり事例・アイデアを発信し、熱意ある参加者が各コンテンツを通じて交わることを目的・特徴としているようです。
第1回はソーシャルビジネス。第2回は企業・大学。そして、各自治体の地方創生計画も出そろい「実装段階」に入った今、第3回は自治体にフォーカス。また、『まちてん2017 持続可能なまちづくり宣言』を発信しました。
「クールジャパン」を発掘して「インバウンド」に対して訴求し「レガシー」として残していくために、関係者間で、2015年国連会議で採択された『持続可能な開発目標 SDGs』を共有しながら地域課題を解決。“まちてん”は、協働で新たな価値を生むプラットフォームと位置づけ、新たな地方創生を目指しているとのことです。
メディアを通して次の暮らしをデザインするトランローグは、
会場に出展社を訪ね、取材しました。
過去2回と比較すると、それぞれの取り組みは、より具体的で、規模も大きくなってきている印象です。新しい地方の姿が現れつつあるようです。


EC決済サービス|ルミーズ株式会社
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▲ルミーズ株式会社は、長野県に本社を置き、ネットショップでも実店舗でも利用できる決済サービスを提供。業界では老舗的存在、とのことですが、トランローグが注目したのは、外貨建て決済。訪日外国人向けに開発され、外貨建てを選択できるため、為替変動を心配することなく、自国と変わらない感覚でカード決済が利用できるそうです。操作は、PCやiPhone・iPadにアプリをインストールし、 専用カードリーダーを接続するだけとのこと。インバウンドでのストレスフリーが商機を生みそうです。


ZUKKU|株式会社ハタプロ
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▲“ZUKKU”は、身長10cmで掌に乗る、フクロウ型のロボット。顧客分析カメラにより来場者を捉え、画像認識AIセンサーで性別、年齢を解析。来場者に合わせた情報や広告をサイネージなどから配信する使い方を提案しています。都庁をはじめ、百貨店や家電量販店、カー用品販売店などに採用されているそうです。大きくて威圧感のあるロボットとは異なり、見落としてしまいそうなくらい可愛らしいロボットが活躍する場面が増えてくるかも知れません。


起業市民プロジェクト|岩手県八幡平市
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▲岩手県八幡平市が2015年に始めた起業家支援プロジェクト“スパルタキャンプ”は、土日開催を4回、計8回でプログラミングに特化した技術を学ぶカリキュラム。1カ月間住み込むことが可能な宿舎も用意されているとか。さらに2016年12月には、最長5年間無料で使えるシェアオフィス“八幡平市起業家支援センター(StartupCore)を開所したそうです。合併で使われなくなった議員控室をインキュベーション施設にコンバージョンしたというから、無理がなく堅実で、実質本位の姿勢に好感が持てます。“超実践主義”を標榜する同プロジェクトは、オンラインで投資家と面談するなど、地方のデメリットもメリットに転換し、将来はフリーランスの聖地を目指しているようです。


N Drive|株式会社ナヴァ・プラントゥデザイン
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▲“N Drive”は、NEXC0中日本のサービスエリアなどで配布されている小冊子。高速道路のドライブは、時間にとらわれず各自のペースで移動できる自由自立の旅、といった視点から、ローカルの出会いをサポートするのが同誌のミッションだとか。また、N Drive編集部がセレクトした逸品を“N Drive SHOP”というオンラインショップでも販売しているそうです。高速道路を中心に、施設やメディアを通して沿線を活性化していく取り組みです。企画制作を担当するのは、株式会社ナヴァ・プラントゥデザイン。“N Drive SHOP”で紹介されている商品は上質な印象で、デザイン会社ならではと言えそうですです。


PR映像の海外放送|FCC(株式会社フジクリエイティブコーポレーション)
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▲観光客から就労者まで、日本の産業も社会も、外国人なしには維持できなくなっているようです。そこで自治体や
教育機関、企業などに代わり、海外に向けて情報発信しているのがFCC。フジメディアホールディング傘下の映像制作・配給会社ならではの豊富な実績と海外ネットワークで、アジアから欧米まで世界中に配給しているそうです。コンテンツ制作に止まらず、海外メディアを招聘したPRまで手掛けられるのは大手メディアならではです。地方創生が実装段階に入り、草の根からマスへと活動主体が移行する兆しなのでしょうか。


BNJ Project|株式会社バンダイナムコ エンターテインメント
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▲Bandai Namco Japan Projectは、日本各地の経済活動とともに、エンターテインメントを創出し、日本を元気にしたい、という想いから生まれたとか。作品の舞台を訪ねる「聖地巡礼」、位置情報による震災復興イベント、SNSを利用したリアル脱出ゲーム、VRによる観光体験など……。自治体において近年注目されているのが、ゲームやアニメといったエンタテインメントとコラボしたイベントだそうです。バンダイナムコ エンターテインメントの提案のひとつは、同社のゲーム“太鼓の達人”のキャラクター“どんちゃん”と、地域の名産・シンボルキャラクターを掛け合わせてオリジナルキャラクターを生み出し、祭りや他のイベントとコラボして展開することだそうです。地域ごとに型にはまらない方法を提案できるのが、豊富なコンテンツを持つ同社にとってのビジネスモデルとなる、と考えているようです。


FARM & CIDERY KANESHIGE|南信州下條村
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▲過疎化が進んでいた長野県下伊那郡下條村では、子育て支援などの政策により合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子どもの数に相当)が2.03人(H.26年度)まで増えたとか。厚生労働省発表による2017年の日本全国平均の合計特殊出生率は1.43。また同村では、国庫に頼らない身の丈に合った公共事業と資材支給による住民参加型の施設整備で、借金返済の重さを示す実質公債費比率が全国1低くなった(H.26年度)そうです。マスコミでは“奇跡の村”と騒がれましたが、増加した人口も減少傾向に転じるなど、現状を維持するのは容易ではないようです。そんな日本1努力している自治体のひとつ、下條村役場と一緒に出展したのが、Farm & Cidery KANESHIGE。桃、梨、ふじりんごに市田柿を生産するとともに、自家栽培、自家搾り、自家醸造にこだわったアップルワインやシードル(発泡性りんご酒)、ジュース類を製造・販売しています。誰もが飲みやすいドリンクだけに、市場からのフィードバックによる改良などを重ね、大きな産業に成長することが期待されます


千葉県いすみ市
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▲房総半島の東南に位置し、水揚げ高日本一を誇る伊勢海老をはじめ豊富な魚介類、畜産品やチーズなどの加工品から伝統の酒蔵による稀少な日本酒など、食材に恵まれたいすみ市。まちてんの常連自治体で、とてもPR熱心です。トランローグが注目したのは、書籍によるコミュニケーション(上写真)。本書籍中で、いすみ市に茂原市と長生郡を含めて“房総いすみ地区”とネーミングしているあたりは大胆。それらの地域で小商いを通して自己実現と地域経済を活性化する人びとを紹介しています。さまざまなツールを使って広報宣伝活動を展開している同市ですが、もっと情報を発信したい、もっと深く情報を共有したいとことでしょう。他のメディアにはない豊富な情報量で、同市に興味関心を持った人の背中を押すように、滞在から移住を検討する材料を提供しているようです。


株式会社NTTドコモ
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▲NTTドコモが宮城県南三陸町に対して行った東北復興新生支援プロジェクト。ICTの活用で無肥料・無農薬による自然農法でササニシキを栽培した記録です。自然農法による作物は、高値で売れるため地域経済を活性化する、というビジョンのようです。自然農法では、水を深く張ることで無農薬栽培で発生しやすい雑草や害虫を抑えます。そこで活躍したのが“IoT水田センサー”。常時水位を測定するほか、水温や湿度もデータ化し、遠隔の専用アプリ上で確認できます。カメラ搭載ドローンによる生育や病害発生状況の見える化。作業日誌を電子化した“アグリノート”も使われたようです。自然農法による作物で消費者も土地も健康で、省力化しながら地域が潤えば理想的です。


Stampit|株式会社モバイルコム
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▲株式会社clocoは、株式会社モバイルコムと株式会社クラウズにより設立。両社は「ヒトとモノを動かすエンジンを創る」をミッションとする「YELL PROJECT」を結成し、ヒトとモノが動くことで地域の応援につながる原動力を生み出し続けるとのこと。Stampitは、誰でも気軽にスタンプラリーをつくれて遊べるだけでなく、観光ガイドなどにもなるSNSアプリだそうです。岩手県で2番目に小さい矢巾町で使われたところ、マスメディアにも取り上げられるなど、地域内の活性化ばかりでなく地域外へのPRに役立ったとか。スポットをまとめる作業で盛り上がり、実際のイベントで盛り上がる。SNSアプリの醍醐味のようです。


スマート漁業|KDDI
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▲“海洋ビッグデータを活用したスマート漁業モデル事業”は、経験と勘の漁業をIoT技術でもっとスマートにすることを目指し、KDDI地方創生支援室とKDDI総合研究所が総務省『IoTサービス創出支援事業』の一環として、宮城県東松島市浜市沖における定置網の効率化に向けた取り組みだそうです。開発された“スマートブイ”には、気温、気圧、水温、水圧、潮流、塩分濃度を収集するセンサーとLTE通信モジュールを搭載。収集、蓄積した海洋ビッグデータを解析しているそうです。将来は、漁獲量の予測から人件費や燃料費の削減、未熟練者の就労機会拡大を図り、飲食店などへの産地直送販売に活用していくようです。


カンファレンス|Communication hub 交流拠点

現代の村づくり Villagingとは?|(株)ヴィレッジインク 代表取締役 橋村和徳さん
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官民協働による地方創生とプロモーション|塩尻市役所地方創生推進課 シティプロモーション係長 山田崇さん
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鳥取県は星取県になりました。|鳥取県観光交流局 観光戦略課 係長 井田広之さん
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コメンテーター|(株)朝日新聞社 記者 北郷美由紀さん
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カンファレンス|Social ソーシャル

コメンテーター|NHK放送文化研究所 メディア研究部副部長 NHK解説委員 後藤千恵さん
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オープンイノベーションと共創型社会の実現|NPO法人ミラツク 代表理事 西村勇也さん
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組織を越えたつながりによる共創|One JAPAN 共同発起人・代表 濱松誠さん
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100歳になっても、わたしらしくはたらく|BABAlab 代表 桑原静さん
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ここは写真文化首都だっ!! 東川へ?|東川町 町長 松岡市郎さん
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限界集落脱却から東京五輪後を見据えて|NPO法人地域おこし 理事・事務局長 多田朋孔さん
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コメンテーター|NHK放送文化研究所 メディア研究部副部長 NHK解説委員 後藤千恵さん
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2015年開催の第1回“まちてん”の様子は、こちらから

2016年開催の第2回“まちてん”の様子は、こちらから

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