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2016.05.17

《2015年11月》 IFFT/インテリア ライフスタイル リビングで見つけた次の暮らしのデザイン【リポート第1弾】

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photo, movie & text: Motohiro SUGITA + Tranlogue Associates


2015年11年25日(水)〜27日(金)、東京ビッグサイト西ホール+アトリウムにおいて、国際見本市 IFFT/interiorlifestyle living 『IFFT/インテリア ライフスタイル リビング』が開催されました。本展は、東京から世界へ向けて「ライフスタイルを提案する」インテリアデザインのための国際的なB to B/商談見本市であり、一般来場者は入場できません。
メディアを通して次の暮らしをデザインするトランローグは、
会場に出展社を訪ね、取材しました。
アトリウムでは、昨年の第2弾として「THE HOTEL 〜旅館とおもてなし〜」というテーマの特別企画が開催されました。東京オリンピックを控え、インバウンドが好調な観光業界における「日本流おもてなし」のエッセンスを表現したとのこと。 ディレクターは、日本の伝統的な手仕事とデザインをつないでイノベーションを生み出すプロジェクト「Ubushina」をプロデュースしている立川裕大さん。おもてなしを可視化したというイラストによって、日本のホスピタリティーの特異性が浮き彫りにされていました。心はスタイルになって伝わっていくようです。
今年のトレンドの1つとして、ワークライフバランスや在宅勤務といった社会的要請に応えた、リビングやダイニング、寝室と一体化するオフィス家具の提案が際立っていました。


恩返紙(ONGAESHI), FANO| Camino
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▲平和を願って世界中から広島に送られ、一定期間展示されたのち倉庫に保管されていた鶴は、年間約1千万羽、約10トンにもなります。その鶴をリサイクルした再生紙が恩返紙。祈りの気持ちに対して感謝を込めてネーミングされました。FANOは、折り鶴の再生紙からつくられた和洋折衷の扇子です。平和貢献や社会貢献に取り組む活動の一環として、ノベルティなどに使われることを想定しているようです。リサイクルパルプの製品企画開発は、紙や繊維、建築材料への再生を行っている株式会社カミーノ。原料は、リサイクルパルプ分野でアジアで初めてFSC認証を取得したという株式会社日誠産業。時流を捉えたエシカルなアプローチで、大ブレイクの予感です。

SOBACHOCO|Maruhiro Inc.
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▲佐賀県有田町にある陶磁器の企画製造販売を手がける有限会社マルヒロの商品ブランド「馬場商店」のシリーズ「蕎麦猪口大事典」。400年の伝統に現代のフィルターを通して「和」をデザイン。長崎県波佐見町と、隣町の佐賀県有田町で作られているそうです。商品ラインナップからネーミングやディスプレイ、顧客が選択した複数商品を梱包するパッケージまで、ブランディングやマーケティング視点の面白さからピックアップしました。

IGREBOW|株式会社ドアブル
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▲インテリアフォトのブランド“IGREBOU(アイグレボゥ)”。撮り下ろしの写真を写真家自らプリントしてるそうです。手漉き和紙や越前塗りの額装といった和のインテリアに溶け込む仕様も選べるとか。トランローグが注目したのは、写真を襖に仕立てた表具。写真も日本伝統の表具類も、今までにない別次元の価値を生み出し、しかもお互いの価値を高め合っているWin-Winな様子が新鮮です。写真の表具には、和と洋、伝統と現代といった境界を取り払い、インテリア空間をより自由に、よりスタイリッシュにしてくれる機能や効果がありそうです。

TAMANOHADA
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▲明治25年(1892年)創業の老舗石鹸メーカー、玉の肌石鹸株式会社によるオリジナルブランド“TAMANOHADA”は2003年にスタート。発想から品質、価格に至るまで本物の価値を追求している、とのことですが、ひと際キャッチーなのが、鯛の姿のギフト向け“WELCOME SOAP”。今回の展示は、テーマのホテルを意識されているようですが、通常は気軽なプレゼントからフォーマルなお祝いの品として想定されています。落雁(らくがん)の木型に基づいて製作されていることから、カラーも石榴(ざくろ)、百合(ゆり)、黒糖と気が利いています。洒落が次の暮らしを変えていく・・・まんざらでもなさそうです。

SHALLOWS|CRITIBA
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▲この美しく不思議な存在感は、一体どこからくるのでしょうか? 海外の、あるいは無国籍な雰囲気は、突き抜けて自然と溶け合った物だけが持つ、空気感なのかも知れません。見た目と異なる「浅い」という意味のネーミング“SHALLOWS”は、器の上部に設けられた浅瀬(凹み)を意味しているようです。実はこの器、ガラスの塊の中心に花を生けるための細い縦穴が空けられたもの。浅瀬に張ったわずかな水の表面張力が、溢れんばかりの独特な緊張感を醸し出しています。また、レンズ効果により、周囲の情報を映さないことが、ピュアな魅力を生み出しているようです。シンプルだけど、とても表情豊かな花と水の器です。デザインは福岡の坂下和長さんです。

AKI+MOTO+|秋月木工有限会社+本林家具株式会社
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▲「部屋をつくる家具」がテーマ。テーブルやダイニングソファ、キャビネットや間仕切りデスクをラインナップし、それらを組み合わせて置くだけで、ダイニングやリビング、寝室から子ども部屋まで自在に空間をつくることができるようです。ワークライフバランスや在宅勤務といった、今時の多目的なライフスタイルにマッチしたコンパクトな空間に、最適ではないでしょうか。箱物家具で培ったノウハウを生かした丈夫で軽量な仕上がりにより、家具を楽に移動させることができ、模様替えもより気軽に。商品は、村澤一晃さんデザインによるAKI+と、小泉誠さんデザインによるMOTO+の2ライン。

Takeroku
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▲「CREATIVE RESOURCE —ものづくりのためのインスピレーション—」という展示コーナーにブースを構えるTakerokuは、滋賀県をベースに竹を専門に扱う大正9年創業の老舗。かつては身近だった竹も、嗜好品として遠い存在となっている現状を変えようと、建材としての魅力を再発信しています。上写真は、竹の節を生かした壁・天井・パーティション用素材。昔ながらのパタンだそうですが、知らない私たちには、とても新鮮です。下写真は、古民家で実際に使われていた、その表情を生かしたユーズド素材。発泡ウレタン樹脂充填により強度と防火効果を高め、背割り加工で事前に割れを防止。さらに竹釘により発泡ウレタン樹脂を固定することで、今日の設計施工にも使える仕様を追求しています。古き良きイメージが、新しい技術に支えられている好例ではないでしょうか。

Kodama project|(有)然
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▲地元の山の木を使って、毎日触れる生活道具をつくり、使う。kodama projectは、上流の山の人(木曽)と、下流の街の人(名古屋)の暮らしを「生活道具」でつなぐプロジェクトだそうです。近年まで外国産の固い広葉樹を輸入して家具が製造販売されてきたことを反省し、日本の杉、檜の持つ柔らかく優しい感触を再評価してつくり出したのが、子ども向けのコダマデスクとか。プロジェクトの取り組みは2つ。コダマデスクの木が育つ岐阜の山へ、子どもたちと冒険旅行に出かけること。そして、人のライフサイクルに合わせ、上流の木から、コダマの家具、建材から家までをつくって使い、このサイクルを次の世代でも循環させることだそうです。マーケティングやブランディングの面白さ。針葉樹の温かいぬくもりが伝わる取り組みに注目しました。

HUKKA JAPAN|宝通商株式会社
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▲29億年前のフィンランドで大陸プレートどうしがぶつかる造山運動により溶岩が圧縮され、およそ2億年の間に、石鹸のように滑らかで高密度なソープストーンが誕生したそうです。耐熱性が高く、低温にも高温にも強く、また、蓄熱性の高さから保冷も保温の効果もありとか。暖炉の石として1回火を点けて温めれば1日中家を温めてくれるそうです。また、高密度だから臭いや味が染み込むこともなく清潔なため、汚れを洗い落とせば半永久的に使えるとのこと。さらに高密度なのに比較的柔からく加工がしやすいため、用途は食品からヘルスケアまでさまざまです。フィンランドの貴重な資源に少し加工を施すことで、世界中の暮らしを温めたり冷やしたりすることができれば、それもひとつのエコかも知れません。

tsugu series|YAMASAKI
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▲昭和29年創業のベビーベッドメーカー「ヤマサキ(岡山県)」から、ベビーベッドがテーブルやロッキングチェアーへ姿を変えて、使い継がれていく提案です。ベッドの床板(椅子の座面)には、岡山県西栗倉村産のヒノキ無垢材を使用するなど、国産の天然材料や環境にやさしい塗料にもこだわり、安全安心を追求しているとか。ベビーベッドはレンタルで、という人も多いと思いますが、同製品はレンタルにも耐えられる頑丈な構造だそうです。スタイリング的にも、兄弟で使えるだけでなく、世代を越えても使い続けることができそうです。

Shared Space, Swift|オカムラ
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▲オフィス家具の専門メーカー、岡村製作所から発表された2つのシリーズに注目しました。1つは、スモールオフィス向けの“SharedSpace”。「オフィスはクールで機能的。家は温かく寛ぎの空間」といった固定概念を取り払い、オフィスとしても住居としても違和感なく使えるデザインに仕上げています。「仕事中でも寛ぎたい」「家でも緊張感をもって仕事したい」という相反するニーズを叶えそうです。他方、立ち姿勢を取り入れることでワークスタイルが変わるという、上下昇降デスク“Swift”。1日中座りっぱなしの重労働(?)から解放してくれたり、気分転換が発想の転換を生んでくれそうな、健康家具といえるかも知れません。写真の商品の他に、白や黒の脚の、よりインテリアにマッチするカラーもラインナップされているようです。

間合|若葉家具株式会社
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▲「家族と一緒に同じ空間で過ごしたい。それでいて自分だけのスペースがあれば・・・」というニーズを想定し、人と人、スペースとスペースの間に距離感を設ける道具として開発されたようです。『間合』を配置することで、ひと続きの空間にキッチン、ダイニング、リビング、寝室から子どものスペースといった区切りをつけることができそう。『間合』を特徴づけるキーポイントは、仕事や作業ができるカウンターデスク。 ワークライフバランスが求められるこれからの暮らしには、「在宅ワーク」が欠かせません。また、改装工事をすることなく、ちょうどいい間合いが心地いい空間を生み出してくれるのも大事なセールスポイントのようです。

PRIMO|SAKAI MOKKO
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▲“PRIMO”は、引き出しの継ぎ手の手法を用いて、軽量な桐材を頑強に組み上げた、踏み台であり、スツールでもあるようです。日本の住空間にマッチするカラーと、シンプルで愛らしいスタイルングが特徴。デザイナーは、ミラノのデザイン事務所で4年間デザインを担当された村澤一晃さん。プロデュースは、福岡県大川市で100年以上にわたり家具をつくり続ける有限会社境木工です。

TE|kanamari
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▲金属加工20年。精密機械板金の技術を用いて、量産ではない「ものと心を通わす」ものづくりを目指し、金属加工を中心としたプロダクトブランド“TE”を立ち上げたのは、OCHIAI SEISAKUSHO Co.,Ltd。販売元はKanamari。“HANA”は、大小複数の花弁型マグネットを重ねて使うことができます。生地を傷めないブローチやインテリアアクセサリーとして。ポップアートの巨匠アンディ・ウォーホルの 「連続は強調する」という言葉通りに、美とパワーを生み出す展示が魅力的です。“WA”は、複数の輪を重ねて楽しむリング。精密な金属加工ならではの美しさ。“Letter”は、本のページを挟むブックダーツ。小さく薄くシンプルさが愛おしいです。

cok, sou, K' clock|+st/ Shizuka Tatsuno
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▲若手デザイナーと企業をつなぐエリア“TALENTS”で見つけた、とても完成度の高いプロトタイプと、才能を放つデザイナーの辰野しずかさん。“cok”は、備前焼のウォーターカラフェ。「備前水がま水が腐らぬ」といわれ、一昼夜おくだけで水がまろやかになるとか。清らかで孤高の境地さえ感じさせます。製作は、DAIKURA。“sou”は、富山ガラス工房で製作された手づくりの吹きガラス。宙に浮いた豆皿といった印象です。“K' clock”は、電子部品のプレス加工などの精密な技術を生かして布を折って組み立てられた置き時計。製作は、中島プレス工業有限会社。女性ならではの柔らかい発想とスタイリングです。今後の展開が期待されます。

リポートは次回に続きます。お楽しみに!

▶リポート第2弾はこちら

過去のリポートは、次のページでご覧いただけます。
■IFFT/interiorlifestyle living 『IFFT/インテリア ライフスタイル』
■interiorlifestyle TOKYO 『インテリア ライフスタイル』
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