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2015.08.06

《2015年7月》 第1回 先端コンテンツ技術展で見つけた次の暮らしのデザイン

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photo & text & movie: Shizue INOUE, Motohiro SUGITA + Tranlogue Associates

2015年7月1日(水)〜3日(金)、東京ビッグサイト 西展示棟において、『第1回 先端コンテンツ技術展』が開催されました。本展は、コンテンツに関する6つの専門的な見本市から構成される『コンテンツ 東京 2015』の展示会のうちのひとつで、バーチャルリアリティ、インタラクティブなどの最新技術に触れることができます。尚、本展は業界関係者のための商談展です。一般の方はご入場できません。
メディアを通して次の暮らしをデザインするトランローグは、各出展社を訪ね、最新技術を取材してきました。

株式会社 ユーフォニック

HMDを装着したVR(Virtual Reality。仮想現実)によるドライブ体験『VR DRIVE 360VIDEO × 3D』。まずHMDを装着して椅子に着席すると、椅子の前方にあるカメラで体験者の頭の位置を計測、HMD前面のセンサーで手の動きを検知してドライブをスタート。ドライブ中に頭をぐるりと動かすと、左右や後方の車窓からも景色が流れます。自然で滑らかな描写で、没入感が得られる体験でした。

NTTアイティ 株式会社

話をする人の声質である「話者」と、声の出し方や言葉の使い方などの「口調」を自由に組み合わせて合成音声を作成する、音声合成サービス『Future Voice Crayon』。この「話者」と「口調」を特定人物の音声から別々に抽出し、合成音声に反映することを業界初で実用化したそうです。プリセットボイスとして、「話者」と「口調」はそれぞれ150人分用意されており、組合わせで2万パターン以上の合成音声を利用できます。カスタムボイスの作成も、従来技術と比較して大幅に低コスト・短期間で実現可能だそうです。対話・ゲームのアプリケーションや、製品紹介・eラーニングなどのコンテンツ、コミュニケーションロボット、キャラクター連動型デジタルサイネージなど、コンテンツの登場人物やキャラクターの声の利用に適しているとのことです。

株式会社 QDレーザ
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網膜走査型ディスプレイ『レーザーアイウェア(LEW)』。網膜に直接画像を投影するため、弱視の人も鮮明な画像を観ることができる、視覚補助用アイウェアです。メガネフレームの内側にある超小型レーザープロジェクターからメガネレンズ中央付近にある反射ミラーに反射させて、網膜に画像を投影。クリアで鮮明な画像投影を体感できました。タブレットなどのデジタル機器と接続して、映像や文字などのデジタル情報を鑑賞することも可能。現在はプロトタイプで、2015年度末に視覚補助機器として製品化を目指すそうです。特許出願済み。

クリプトン・フューチャー・メディア 株式会社

ミストプロジェクションシステム『Thru Graph』。床置きの装置から粒子の細かいミストを放出した霧状のスクリーンにリアプロジェクションによって、ホログラムのような映像を投影。人やものがスクリーンを自由に通り抜けることができ、通過することで乱れたスクリーンは、送風機構によりすぐに復帰します。粒子が細かいため、通過しても濡れることはありません。スクリーンの横幅を広げるには、装置を複数ユニットつなげて対応できます。

株式会社 T.J. Promotion

タブレットやスマートフォンなどのデバイスを対象物にかざすとAR(Augmented Reality。拡張現実感)で情報を表示するプラットフォーム『カーザス』。ひとつの対象物に対し、複数の情報を表示できるところが本製品の特徴。例えば、日本語の施設案内看板にデバイスをかざすと、多言語で表示をしたり、美術館の絵画にデバイスをかざすと、作者や制作の背景など複数の情報を閲覧することができます。ARによる翻訳機能と、AR空間上に複数のメディア情報を表示する機能は特許出願済とのこと。

株式会社 フォーラムエイト

3次元リアルタイム・バーチャルリアリティソフト『UC-win/Road』と3D模型を利用した全周囲マッピングによるデザインシミュレーションシステム『UC-win/Road Projection Mapping Table』。3Dプリントで出力した自動車の模型に、5方向(テーブル上部と四方)からプロジェクションマッピングで映像を投影し、ひとつのイメージに統合。展示事例のように、凹凸のある対象物にも、違和感のない投影ができます。
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▲テーブルの四方と上部にプロジェクターを内蔵し、プロジェクター投影用開口から、映像を投影している。テーブル天板には40インチディスプレイが上向きで埋め込まれている。

株式会社 メディアタージ

▲投影補正技術とシミュレーション技術のプレゼンテーション『Mimic Shadow』。『Kinect』を利用して、床面に投影されたオブジェクトの集合体が自分が動いた通りのポーズを形成します。本展示では、両脇の2台のプロジェクターから映像を投影していますが、投影補正技術により、2台の投影映像を滑らかに連結。シミュレーション技術により、オブジェクトの集合体が自分の影のように動く映像を再現しています。


▲映像を空中に浮かすことのできる株式会社アスカネットの『AI plate』を利用した演出例『Float Vision AR』。『AI plate』は特殊な光学素子を利用しており、裸眼で実像を見ながら同じ空間位置に映像を合成したARを演出できます。またセンサーを利用して、指や物体の状態を検知し、インタラクティブに映像を操作することが可能。画面に直接触れないため、衛生的で、先進的なイメージも訴求できます。実際に操作してみると、サクサクと心地よい反応でした。同社スタッフによると、コツが掴めるとリアルなタッチパネルよりも操作感がよいとのことです。

株式会社 クレッセント

モーションキャプチャーとVRを用いたエンジン組み立てトレーニングシステム『Vicon Bonita10 × Pegasus System』。全身で11個のクラスタマーカーを装着するこのシステムは、従来の全身スーツより圧倒的に簡易、とのこと。応答性にこだわった高リアルタイム性と小型性を実現したBonita 10の100万画素カメラや、直感的操作のカリブレーションから人間工学ソフトまで接続可能なTrachekr2ソフトウェアが特徴です。また高精度なトラッキングが可能な最新IK(Inverse Kinematics)エンジンを搭載したPegasusは、メジャーな人間工学ソフトのほとんどに対応しているそうです。
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▲クラスタマーカーが11個の簡易なシステム

ヤマハ 株式会社

複数のカメラで撮影された動画を、動画のタイムラインをキーとして、ワンクリックで同期させるシステム『ChimeCa』。例えばダンスステージを複数の人が、それぞれ別の方向から手持ちのスマホで動画撮影したとします。撮影の開始時間や終了時間がバラバラでも、録画された動画のタイムラインを揃えることで自動で同期させ、多方向から撮影した動画を一つの画面上でマルチアングル表示することが可能になります。
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▲『ChimeCa』の端末。このほかに、クラウドを利用して同期させるサービスも予定しているとのこと。

株式会社 乃村工藝社

からくり演出+プロジェクションマッピング+ロボット+プラスティネーション(木材等の水分や油分をプラスティックに置換して保存する技術)のプレゼンテーション。乃村工藝社グループの技術の原点である舞台[段返し(一糸乱れぬ連携作業で舞台転換する手法)、菊人形ほか]にプロジェクションマッピングとロボットを組み合わせたステージで、新たな「複合演出(次代の段返し)」を見せています。伝統と現在や未来を融合して見せる点で好例です。

株式会社 サナリス
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今回、HMDを使ったVR体験のプレゼンテーションが多く見られましたが、さらに手軽にVR体験を実現する、スマホを利用したVRゴーグルの出展もいくつか見られました。そのうちのひとつが同社の『スマホVRボックス』と『スマホVRシート』。『スマホVRボックス』は、ゆがみが少なく透明度の高いアクリルレンズを採用。『スマホVRシート』はA4サイズ1枚の紙製シートから組み立てる手軽でコンパクトな設計。レンズはシートレンズを採用しています。要望に応じてシートへの印刷に対応しているので、イベントやノベルティにも活用できます。

▲同社開発のVRコンテンツのデモンストレーションでは、『スマホVRボックス』を使ったVR体験を実施。本展示のコンテンツの特徴は、スマートフォンのセンサーを利用してジャンプなど上下の動きを検知し、VR空間もそれに併せて上下に動くこと。これは、今までなかなか見られなかった機能とのこと。

株式会社 JVCケンウッド
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高輝度で、明暗差の広い映像を実現する、HDR(High Dynamic Range)を採用した『HDRリアプロジェクションシステム D-ILA®』。従来のLCDディスプレイよりもカメラに近い、広いダイナミックレンジを持ちます。このため、きらめきや暗部のディテールもつぶれることなく同時に映し出すことが可能に。一般的なLCDディスプレイが100カンデラ(光度単位のひとつ)なのに対し、同社のHDRは4000カンデラ。本展示は参考出品とのことですが、今後、4Kで70インチモデルまで検討しているそうです。

株式会社 スリーディー

VRシステム開発サービス『DoReMO』。本展示では、介護サービスの練習システムをデモンストレーション。HMDを装着すると、仮想空間ではベッドに要介護者が横たわっており、そっと抱き上げるように手を差し入れます。抱きかかえたらそのまま側にある椅子まで移動して座らせる、という内容。抱え方が正しくないと要介護者の体がはねてしまったり、途中で落下してしまいます。『DoREMO』はほかに、車載用制御システムのシミュレータや、電動車椅子シミュレータ、原子力研究所でのプラントシミュレータなどの導入事例があるとのことです。

ソニーPCL 株式会社

4K制作技術をベースとしたクリエイションサービス『4KVIEWING™』。企画・制作、撮影、ポストプロダクションから上映サポートまでワンストップで提供。ソニーの『自発光型 超高精細大型ビジョン』を利用し、1ピクセル1㎜の精細な映像を実現しています。またカラーグレーディングなど高度な編集技術で、さらに映像を印象深いものに仕上げています。本展示では、7.2 x 4.2mの大型スクリーンでデモンストレーション。40 x 30㎝のユニットを連結させるため、さまざまなサイズや形状で設置できるそうです。

株式会社 ソニー・ミュージックコミュニケーションズ

HDMI端子付きモニターに、手のひらサイズの端末『POPshare®』とインターネットを接続し、コンテンツ配信するクラウド型デジタルサイネージシステム。Beacon機器と連携した「テニトル」機能を付加すれば、什器に陳列した商品を来店客が手に取ると、商品に関連した紹介映像に切り替えられます。どの商品が手に取られたかが分かり、ディスプレイに設置したカメラで顧客の年齢、性別などを判断してログを残せるため、マーケティングデータとしての活用も期待できます。

東京電機大学
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東京電機大学の伊勢史郎教授を中心とした、聴空間共有プロジェクト研究チームの開発した没入型聴覚ディスプレイ装置『音響樽』。音響に関して、世界で初めてピュアな3D音場を実現したそうです。音の収録は、80個のマイクロホンを搭載したフラーレンマイクロホン(上写真手前)を使用。音場再生室である『音響樽』は、断面が九角形となる樽形状の室内壁面に96個のフルレンジスピーカーを装備しています。話者の動きが分かるような繊細な音場や、音源が頭の上を越えるような立体感など、音場をあるがままに収録して再現できます。
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▲音響樽内部

有限会社 プロトタイプ
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HMDを使ったVRバイク走行体験。バイクの筐体や前方に設置している送風機とも連動しており、ギア操作などに応じてVR空間で走行する様子が変化し、速度に応じて送風機からの風量が変化します。本年5月には、富士スピードウェイにて、ハーレーダビットソンの実写を使ったVR体験『Jumpstart eXtream』を展示。実際にエンジンをかけ、運転免許がなくてもハーレーでの走行と振動をバーチャルに体験できるイベントとなったとのこと。

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