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2014.12.01

DESIGNTIDE TOKYOの流れを汲むSHOWCASE展。第2回の2014年、大きく展開しました。

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photo, movie & text: Motohiro SUGITA + Tranlogue Associates Inc.


デザイン関連のイベントで盛り上がる10、11月の東京デザイン月間。2014年10月25日(土)〜11月3日(月)まで、(旧)代官山ラヴェリアアネックス2Fでは、SHOWCASEが開催されました。
“美と価値を集め、記すこと”を標榜するSHOWCASEは、“思考をトレードするDESIGNTIDE TOKYO”を継承しながらその枠を超えて、東京、そして日本、さらには世界中のデザインシーンの今を紹介しながら、各国のデザイン関係者を結ぶ装置として動き出しているようです。
初回の昨年、出展者は日本人デザイナーだけでしたが、今年は台湾とスイスからも参加しました。異なる地域や文化、環境の違いから生まれる独創性ある作品を通して交流し、さらに新しい美や価値、思考のトレードが生まれることが期待されています。
メディアを通して次の暮らしをデザインするトランローグは、デザインに関心の高い人々で賑わう代官山の会場を訪ね、第2回SHOWCASEを取材しました。


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考古娃娃|徐景亭Gina Hsu
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かつて陶器でつくられていた人形の顔に魅了され、あたかも“考古学”のように粘土でかたどった複製部品を製作。完璧で気まぐれ、魅力的な人形の顔を求めて土俗的、古典的な童顔を再現し、たどり着いたのは不完全な魅力だった、とのこと。
除さんは、台湾の大学でインダストリアルデザインを学んだ後、オランダで修士号を取得。現在は、台湾の大学で教鞭を執る傍ら、プロジェクトマネージャー、キュレーターも努めているそうです。


方間雲亭|王喆 Che Wang
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“The un-known Cloud”をテーマに6種類の基本的なプロトタイプのユニットを選定。60cm角のユニットで構成されたCloud Arbourは、人の動きによって展開し、連続する曲面は風によって変化する雲のように空間を柔らかく滑らかにするとか。
王さんは、台湾の大学院建築科を卒業。大学で教鞭を執る傍ら、伊藤豊雄建築設計事務所と共同で台中メトロポリタンオペラハウスを手掛けているそうです。建築の空虚性と流動性が彼の関心事とのこと。


Clip|呉孝儒 Pili Wu
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台北の興城街に集積された旋盤加工技術を活用して組立パーツをシリーズ化。パーツを用いて様々なテーブルやシェルフのバリエーションをつくれるそうです。
呉さんは、台湾の大学を卒業後、呉氏設計を設立。作品には、台湾での生活における視覚的、感覚的な体験が反映されているとのこと。


傳家寶(Combs) 藏匿的美好|周雅雯 Ya-Wen Chou
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(上写真上)母国台湾固有の伝統様式を探求するプロジェクトの一環。かつては、自然と調和し、来世では子孫を見守ることを至福としたそうです。そのような至福に満ちた景色を再現することを目標に、物語を引き継いでいるそうです。櫛は、母から嫁ぐ娘の幸せを願って母から受け継がれる大切なもの。作品は、記憶の中の思い出と風景の色を組み合わせることによって産まれた櫛だそうです。
(上写真下)貴重な鉱物の形状や貝殻の構造から着想。シリコン、ラテックス、樹脂、石膏を使って渾然一体とした形状を産み出す試みとのこと。
呉さんは、イギリスのカレッジ在籍中から国際的なファッションブランドと作品が契約されたとか。異なる素材の組み合わせを探求し、オブジェとして作り上げることが得意だそうです。


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For LLOYD|長坂常
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竹と向き合い始めて1年。何をやっても「竹」になり、「和」になってしまう竹が憎たらしいとか。どこにも所属しない、竹をデザインしてみたいとのこと。
長坂さんは、芸術大学卒業直後にスタジオスキーマを立ち上げ、その後、コラボレーションオフィスHAPPAを設立。家具から建築まで、1/1サイズを意識した設計を行っているそうです。


Gathering|寺本愛
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作品は、集合写真の持つ静かな力強さに着目し、個と集合、両方の視点から人間について考える試みだそうです
寺本さんは、美術大学の空間演出デザイン学科を卒業後、イラストレーターとして活躍。インテリアその他の分野とコラボレーション、役者としても活動。


Control|二俣公一
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普遍的な材料を使い、フォルムの解放、自由を手に入れるため、全体からジョイントを含めたあらゆる構成要素まで、想像と制御を繰り返すそうです。今回の展示では、シンプルなストラクチャーであるスツールを、最も基礎的な対象と位置づけ、スタディに取り組んだとのこと。
二俣さんは、空間デザインを軸とするケース・リアルと、デザインオブジェクトに特化する二俣スタジオを主宰。


柱の間のベンチ2|中村竜治
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ベニヤを丸めた筒を糸で固定し、柱や壁の間に隙間なく並べられたベンチ。人が座ることで筒は横に膨らむ一方、周囲の筒は縦に伸びるが、固定している糸が筒を一定以上には膨張させない仕組み。アートやデザイン、建築といった誰かが決めたジャンルを取り払ってくれる、気持ちのいい空間を生み出す作品です。
中村さんは、芸術大学の大学院を卒業後、青木淳建築計画事務所を経て中村竜治建築設計事務所を設立。著書に『コントロールされた線とされない線』(LIXIL出版)。


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con.temporary furniture|Colin Schälli
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運びやすく組み立てやすいシンプルな家具コレクション“con.temporary furniture”は、釘などを使わず再生可能資源である木材からつくられているとのこと。また、長距離輸送の手間やコストを抑えるため、販売させる国毎に選ばれた職人が製作しているとか。各モデルは日本の畳のモジュールに合わせ、三六サイズの合板を基準に製作されているため、解体してフラットな状態にすれば、自家用車でも簡単に運搬できるそうです。
Schälliさんは、スイスの芸術大学に在学中からグラフィックとパッケージデザインに係わり、卒業後にオフィスを設立。日本の大手アパレル会社のコンセプトブックシリーズなど、日本でも活躍。


Stelle Filanti Installation|Atelier OÏ
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Venini Artlight から発表された新作 “Stelle Filanti”は、ベネチアの吹きガラスと革を組み合わせた高品質なペンダント照明。作品の中心的なテーマは変形、とのこと。静かに上下しながら表情をつくり、音も無く周辺の空気を変質させます。
ジャンルという概念や、ジャンルの間に立ちはだかる障壁を失くすことに努めてきたAtelier OÏは、1991年にスイスのヌーヴヴィーユで設立以来、世界的に評価され、イタリア家具メーカーなど数多くのブランドのデザインを手掛けているそうです。


Palutta|Carlo Clopath
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“Palutta”は、スイス・グラウビュンデン州の伝統的な製造方法と調理習慣、異文化技術を組み合わせたカトラリーと調理器具シリーズとのこと。昔ながらの原型に基づき、新たな製造方法によって実現した緻密な図面を手掛かりに、原型を修正することで生まれた軽量で高品質なプロダクトだそうです。
CLOPATHさんは、スイス・ローザンヌの美術大学で学んだ後、デンマークでの勤務等を経てスイスにオフィスを設立。


第1回SHOECASE展における松澤氏インタビュー記事はこちらから


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