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2014.12.08

《2014年11月》 IFFT/インテリア ライフスタイル リビングで見つけた次の暮らしのデザイン【リポート第1弾】

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▲アトリウムでの特別企画「THE HOTEL」に設けられた“Long Long Table Cafe”。80脚もの名作椅子が並び、2012年東京・富ヶ谷にオープンした世界最高峰、と話題のFUGLEN TOKYOのコーヒーを味わうことができました。

photo & text: Motohiro SUGITA + Tranlogue Associates
movie: Shizue INOUE + Tranlogue Associates

2014年11年26日(水)〜28日(金)、東京ビッグサイト西1・2ホール+アトリウムにおいて、国際見本市 IFFT/interiorlifestyle living 『IFFT/インテリア ライフスタイル リビング』が開催されました。本展は、東京から世界へ向けて「ライフスタイルを提案する」インテリアデザインのための国際的なB to B/商談見本市であり、一般来場者は入場できません。
メディアを通して次の暮らしをデザインするトランローグは、
会場に出展社を訪ね、取材しました。
今年アトリウムで開催された特別企画のテーマは、「THE HOTEL」。東京オリンピックの開催や、世界的なデザインホテル人気を背景に、時代のニーズを先取りした商材やステイスタイルが提案されていました。コンセプトディレクターは、インテリアスタイリストでスタイルディレクターの黒田三津子さん。天然素材を中心に、材料の特性を生かす、今までにないデザインアプローチの数々に注目です。
リポートは次回に続きます。お楽しみに!

Challenge|株式会社カンディハウス
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▲エッジとカーブ。座面の浮遊感と木の硬質感が調和した、彫刻作品のように美しいアームチェアとテーブル(上写真・下)。大きく波打つクッションの柔らかさが、対照的です。デザインは、Peter Maly さん。アトリウムの特別企画「THE HOTEL」と、旭川家具工業協同組合の出展コーナーで、自信に満ちた表情で展示されていました。

“A single room like a motel”/ “A single room like an office”|株式会社 石巻工房Img_4335_02
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▲2011年、東日本大震災の直後に津波の被害を受けた地域で結成された石巻工房。被災者によるDIYを支援しながら、地元商店街を復旧し、今では地域のコミュニティ、地域活性化の起爆剤としての役割を超えて、国内外で注目される存在にまで育て上げられました。手づくり感いっぱいの石巻工房ブランドですが、小さなオフィスやモーテルのようなシングルルームとしてコーディネートされると、たちまちセンスのいい空間が誕生。彼らが注目する「デザインの力」が見事に結実した成功例と言えそうです。特別企画「THE HOTEL」で展示。

KRONGHIP INNOVATION
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▲シューズ、ライフスタイルグッズ等の輸入卸、販売を手掛ける株式会社クロンティップ(東京都豊島区)ですが、今回は特別企画「THE HOTEL」のゾーンで食をテーマに出展。多くの来場者を集めたブースでは、食とインテリアの境界が取り払われ、両者が切っても切れない関係であることを実感させてくれます。NYのバーボン醸造所のオーク樽で熟成されたメープルシロップNOBLE handcraftedは、米国の有名ホテルレストランのシェフに採用され、ギフトとしても人気のアイテムだそうです。

SERENDIPITY|株式会社タグチクラフテックImg_4347_02
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▲スピーカーシステムのシリーズ、SERENDIPITYをリリースした“Taguchi”は、コンサートや設備音響の専門ブランドとのこと。円錐状の反射板が音を360度水平に広げる無指向性スピーカーは、均質な密度のバーチプライウッドを積層することにより、安定した音を再現するそうです。臨場感溢れる音を再現するという、6面すべてにスピーカーユニットを取り付けた、全方向型スピーカーも、インテリアライフスタイルを楽しくしてくれそうです。価格はおよそ10〜18万円(税抜き)。特別企画「THE HOTEL」で展示。

艸方窯
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▲美しく光りを透過させる信楽焼(滋賀県)のシリーズ。長年にわたってTOTOの洗面器をつくり続けてきた艸方窯が、滋賀県窯業技術試験場による、透光性の高い「信楽透器」という特許技術を用いて開発されました。以前からアクリルを使った光る洗面器や、透過する光りを楽しむランプシェードはありましたが、艸方窯の真骨頂は、スタイリングにあるようです。陶器ならではの厚みや重たさを感じさせながら、上品に、しっかりと光る、質の高いイメージをつくり出しています。特別企画「THE HOTEL」で展示。

O-Bath clover|檜創建株式会社Img_4355_02
▲“O-Bath clover”は、バスタブに浸かりながらテーブルを囲んで入浴と会話を楽しむパーティー用のバスタブです。檜(ひのき)の名産地、岐阜県中津川市で檜風呂を中心に木製風呂を手掛ける檜創建が提案。外寸2×2×0.53×2.5m(パラソル含む)の木曽檜仕様で5,200,000円と高額ですが、日本の風呂文化を現代に継承、発展させる心意気と技術力に注目です。特別企画「THE HOTEL」で展示。

HINOKI WINDSOR|木工房ようびImg_4359_02
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▲栃木県で鳶職の孫として子どもの頃から木と親しんで来た大島さん(木工房ようび|家具設計)は、岡山県西粟倉村に家具職人として移住。そこで目にしたのは使われず、荒廃した植林。ふんだんにある檜を使って、17世紀来庶民の家具として親しまれたイギリスを代表する家具、ウィンザーチェアを模範とした“檜のウィンザー”づくりへの挑戦が始まりました。家具には向かないと言われた檜ですが、試行錯誤を重ね、接合部には独自の仕口を開発し、実用新案を取得したとか。白くて柔らかい檜は、日本木造建築のシンボル。日本の木造建築と好相性の檜の椅子が、私たちの身近な存在になる日も近いかも知れません。特別企画「THE HOTEL」で展示。

山形緞通|オリエンタルカーペット株式会社Img_4362_02
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▲1935年創業の山形緞通は、糸づくりから染め、織り、アフターケアまで職人による一貫生産を行う、日本で唯一のメーカーとのこと。伝統的な絵柄ばかりでなく、自然が生み出す空の色を表現した“空シリーズ”。季節によって移り変わる山の景色を表現した“影シリーズ”は、伝統的な掛軸や色紙に代わるものとして、今日的で均質な空間に季節感など自然の変化と豊かさを感じさせてくれます。特別企画「THE HOTEL」で展示。

hyakushiki|有限会社丸嘉小坂漆器店
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▲木曽漆器をベースとした漆ガラス。「透明」の代名詞であるガラスと、「塗り」の代名詞である漆の組み合わせは、他の素材にはない独特で、高品質な雰囲気を醸し出しています。日本伝統色をベースに、2つの異なる艶と手触りを楽しむことができます。真っ白な空間に、個性豊かな器が立ち上がるインスタレーション、まさに百花繚乱といった印象です。

Mt Tubular Magnesium Furniture|株式会社マクルウ
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▲マグネシウムチューブ製ファニチャーブランド“Mt(マウント)”は、マグネシウム合金製金属棒材と管材の冷間引き抜き加工に特化したベンチャー企業、株式会社マクルウによるプロダクトシリーズ。アルミニウムの約2/3という超軽量性を生かした、軽快で浮遊感溢れるmt 001(上写真)は、重量約1.9kgとのこと。きれいな容姿と「世界初マグネシウムパイプ製チェア」といううたい文句が、多くのメディア関係者をキャッチしていました。但し、出展時はプロトタイプとのこと。今後の製品化に期待絶大です。

sudare by nendo|杉田エース株式会社
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▲ベランダなどコンパクトな屋外空間用に開発された家具シリーズ。椅子とテーブル、簾(すだれ)の3つを組み合わせ、折り畳んで自立させればパーティションに。テーブルは、簾を固定する位置によって高さを変えられます。また、トレイやボウル状の専用のアクセサリーは、簾の隙間を利用して固定できる優れもの。国内外で大活躍し、今では日本デザイン界をリードするnendo(代表・佐藤オオキさん)ならではの、シンプルでありながらひねりの効いた多機能性に溢れるデザインです。

秋田と埼玉。桐に係わる農商工連携事業
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▲無垢の桐(きり)の板を使い、味わい深い様々な表面加工を施したインテリアボードの提案。柔らかく加工しやすい桐は、見た目にも、とても優しい印象です。2015年春に商品化されるとのことですが、コストやプライスを含め、今後の展開が期待されます。これらは、秋田県の雄勝広域森林組合によって生産された桐を、埼玉県の厚川産業(株)、春日部桐箱工業協同組合、(株)松田桐箱が製品化し、販路開拓に当たる農商工連携事業によって商品化されます。

▶リポート第2弾はこちら

▶リポート第3弾はこちら

過去のリポートは、次のページでご覧いただけます。
■IFFT/interiorlifestyle living 『IFFT/インテリア ライフスタイル』
2009年12月 2010年11月 2012年10月 2013年11月

■interiorlifestyle TOKYO 『インテリア ライフスタイル』
2011年6月 2012年6月 2013年6月 2014年6月

過去のリポートは、デジタルブックとしても配信しています。次の画像をクリックして、ダウンロードしてお楽しみください。
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