EUのモダンでハイエンドなインテリアデザインに出合える展示会「european design」2014【リポート第1弾】
会期:2014年3月26日(水)、27日(木)
会場:シェラトン都ホテル東京
主催:欧州連合
3月26日、27日の2日間、EU加盟国から43社が来日し、インテリアの展示会「european design」(www.europeandesign.jp)が開催されました。この展示会は、EUの優れた技術やデザインを日本に紹介するプログラム「EU Gateway Programme」(www.eu-gateway.jp)の一環として行われているものです。トランローグは、本展示会のブランディングとプロモーションデザインを担当しています。デザイン家具、インテリアアクセサリー、テキスタイル、照明、テーブルウェア、陶器など、ヨーロッパのデザイントレンドに触れられる貴重な機会です。今回は第1弾として22社をリポートします。
■A2 designers(A2 デザイナーズ)|スウェーデン
2008年設立のA2 designersは、スウェーデンのスモーランド地方でデザイン・製造している家具ブランド。北欧家具の伝統を受け継ぎながらも、独創性に富んだ家具を熟練した職人が丁寧につくり上げています。下写真の「STREET」は、フレームと、ボックス型や家の形をしたストレージのパーツから構成された収納シリーズで、自在な組み合わせが可能。収納そのものをオブジェとして楽しめます。
■AGNELLA Rugs & Carpets(アグネラ ラグズ&カーペット)|ポーランド
カーペットやラグ、ランナーなどを製造する老舗の織物メーカー。多色で複雑な模様織りに特徴のある機械織りカーペットの最高級品、アキスミンスターカーペットや、パイル密度が細かく、耐久性に優れたウィルトン織りのエリアラグなどを製造しています。技術の進歩によって、パイル重量の軽量化をはかり、現在では3kg/㎡の製品を織る事も可能だそうです。
ALONDRAはベビー・子ども用のデザイン家具メーカー。写真のベビーベッドは、デザイン性の高さでインテリアに華やかさをプラスするだけでなく、子どもの成長に合わせてベッドやデスクなどに組み換えて多機能に利用でき、長く使えるという実用性も備えています。EUの安全基準をクリアした、安全性の高い製品です。
Anne Blackは、デンマークのコペンハーゲンを本拠地とする陶芸家、Anne Blackがデザインを手掛けるブランド。すべての製品は、デンマークの国際開発援助活動「DANIDA」の支援のもと、ベトナムに建設された自身の工房でハンドメイドでつくられています。写真は今年の新製品。下写真のブレスレットとイアリングは、ひとつひとつの玉の形状をあえて不揃いにして、ハンドメイドのぬくもりを表現しています。
■Anne de Solène(アンヌ ドゥ ソレーヌ)|フランス
Anne de Solèneは、リネンの老舗メーカー。ベッドリネンを中心に、ホームウェアやバスリネンなどを製造しています。洗練されたラグジュアリーなフレンチスタイルを大切にしているその製品は、デザインの美しさと品質の高さから、世界中で愛されているそうです。
Ars Telaとはラテン語で「生地のアート」を意味する言葉だそう。織りの工夫や色の濃淡、素材の組合わせなどで生まれたニュアンスのある製品が魅力です。高品質で飽きのこないデザインのため、長く愛用したくなりそうです。素材には、上質なバルチックリネンを使用。また異素材の組合わせとしては、シルクやカシミア、メリノ、アルパカ、ビスコースなどを使用しています。
チェコの伝統製造法を用いて、クリスタルにエッチングやカッティング、サンドブラスティング、ペインティングなどにより、美しい装飾を施した製品をラインナップ。コレクションは66,000点以上にものぼるそうです。上写真は「Herringbone」や「Polka Dots」など個性的なパターンを施した「Graphic Collection」のタンブラー。左手前の「Arabesque」は、創設者でディレクターのKaren Feldmanがプラハのダウンタウンにある友人の家で見つけたアンティークのセラミックタイルからインスパイアされ、2014年春にあらたに加わりました。下写真は「Sakura」シリーズ。サンドブラストを施したマットなガラスに桜が浮き上がり、インテリアを華やかに彩ります。
■Bronte by Moon(ブロント by ムーン)|英国
英国のテキスタイルブランド。アルパカ、モヘア、メリノラムウール、シェットランドウールを用いた、ブランケットやクッションなどをラインナップ。テキスタイルの柔らかな手触りと優しい配色やパターンで、気持ちまでもがあたたかくなりそうです。シンプルな柄と上質な素材は、飽きの来ない品の良いインテリアづくりを実現します。
デザインソファやアームチェアなどの開発、製造、販売を行うスペインの家具メーカー。布張りや革張りのデザイン家具の製造で高い評価を得ており、国際的デザイナー達とコラボレートした数々のモダンな製品を提供しています。また職人が細部にまで配慮して丁寧に製作し、長く愛用できる製品をつくっています。
リネン産業が盛んなリトアニアのベッドリネン、テーブルリネンのメーカー。リネンをはじめ、コットンやウールなどを扱い、新製品には、特殊殺菌加工、保湿性や快適性の高いジャージ生地を使った機能的な製品も展開しています。リネンへのデジタルプリントやレーザー加工も行い、アパレル向けにも最適だそうです。上写真は、リトアニアの有名な水彩画家Ramune Kmieliauskaiteによるデザイン。こちらは、展示会に来場したデパート関係者から引き合いがあるなど、とても好評の様子でした。
家庭向け、コントラクト向けのテーブル・椅子の専門メーカー。シンプルなデザインからユニークなものまで、いずれもモダンな製品が揃います。EU内外で高い評価を得ており、製品の75%を輸出しているそうです。上写真はシャンパンのコルク栓のようなフォルムがユニークなスツール。ワインバーやキッチンのカウンタースツールとしてお洒落に空間を演出してくれそうです。
■Edinburgh Weavers(エジンバラ ウィーバー)|英国
Edinburgh Weaversは、英国らしい上品な花柄をデザインしたインテリアファブリックをメインにラインナップ。彩りの美しさも魅力です。カスタマイズデザインにも対応し、希望する生地へのプリントも可能とのこと。主に顔料や反応染料を用いた伝統的なロータリープリント手法でプリントしますが、オーダーメイドや小ロットの場合には、デジタルプリントも行うそうです。
■Fabric Copenhagen(ファブリック コペンハーゲン)|デンマーク
創業以来、1920年代のボヘミアンからインスピレーションを得てきたというFabric Copenhagen。製品はベッドカバー、キルト、クッション、レディースバッグ、ドッグウェア、ドッグ用キャリーバッグなど。コントラストの強い鮮やかなベルベット、シルクオーガンジー、リネン、シルク混ビスコースを素材に使用しています。光や角度の加減で変わる立体的な表情。光沢や深みのある色合い。ゴージャスで、またどこかオリエンタルな印象も受けます。
スペインバルセロナで1945年に創業したGANCEDO。上質なインテリアファブリックや壁紙を中心に提供しています。上写真の蝶のパターンは、カラフルなハワイアンスカートにインスピレーションを得たという「HAWAII」コレクション。キャンバスのように見えるオフホワイトの生地に水彩画のような蝶がプリントされ、春のような優しさと華やかさを併せもったコレクションです。下写真の有機的な水玉模様が印象的なテキスタイルは「EMBASSY」コレクション。インテリアをスタイリッシュに引き締めてくれそうです。
Greenworksはインテリアにグリーンを取り入れる、家具やプラントウォールを製造しています。上写真の「Floraframe」は、フレーム型で壁付けできる植物栽培用のプランター。絵画を飾るように、お洒落に植物を飾れます。下写真の「Moving Hedge」は同社の主要製品で、自動水やりシステムを備えたキャスター式の両面プラントウォール。屋内緑化や、オフィスの間仕切りとしても利用できます。これは、空気清浄や吸音効果、インテリアとしての美的機能も期待できます。
■Grupa Products(グルーパ プロダクツ)|クロアチア
クロアチアの照明ブランドGRUPA PRODUCTSは、「ILIILI」と「MODEL」という照明シリーズを製造・販売しています。上写真の「ILI ILI」は、シェードの部分を多彩なデザインの揃ったパーツから好みに応じて組合わせ、オリジナルのランプをつくれます。下写真の「MODEL」は、スタンド部分に粉体塗装したメタルフレームを使用。すべて手作業で精巧に組み立てられています。フレームは3種類のフォルムから選択でき、ランプケーブルは9色をラインナップ。
■Hainsworth Design(ヘインズウォース デザイン)|英国
1783年創業の歴史ある企業。オーストラリアとニュージーランドより最高品質の原毛を仕入れ、織ウール、ミルドウール、ボイルウール加工を施したファブリックを専門としています。英国王室御用達の勅許を受け、女王陛下へインテリアファブリックを提供するほか、現在のパレードで着用されている赤い制服のファブリックを独占的に提供しているそうです。
テーブルウェアを手掛けるJansen+Coは、カラフルで大胆な配色が魅力。上写真の「My Mug」シリーズは、カラーバリエーションが豊富で、手前の「My Mug Espresso」は、自由にソーサーとの組合わせを楽しめます。下写真右側はハンドル付きのプレート。ユニークなハンドルがアクセントになり、パーティ―シーンでのオードブルやスイーツなどのサービングに活躍しそうです。
■Jokipiin Pellava(ヨキピン ペラバ)|フィンランド
フィンランドのホームテキスタイルメーカー。看板アイテムはバスルーム用テキスタイルとのこと。製品はすべて最高品質の天然の麻と綿のみを使用し、吸収性の高さを誇ります。フィンランドらしく、トナカイを配した製品も。家庭向け製品のほか、産業用タオルや病院向けに綿の使い捨てシーツなど、特殊用途の製品も製造しています。
■KIRIGAMI PLYWOOD(キリガミ プライウッド)|リトアニア
薄いベニヤ板を重ねて加工した木質ボード、プライウッドを素材に使用した家具ブランド。「ねじ、くぎ、接着剤を使用しない家具を設計する」というコンセプト通り、組み立ては一方のパーツの穴に別のパーツを差し込むだけと、数秒ほどで完了します。解体も簡単で、コンパクトになり場所をとらないため、日本の住宅事情にもマッチしそうです。
■Klasikine Tekstile(クラシキネ テクスティラ)|リトアニア
Klasikine Tekstileは、ベッドリネン、テーブルリネン、カーテン、インテリアアクセサリー、衣類、インテリアファブリック、アパレル向けファブリック、キャンバス生地など幅広い製品を製造しています。今回の展示では、豊富なカラーバリエーションで発色のよい、上・中写真の製品が目を引きました。ざっくりとしたラフな風合いが、インテリアにこなれた雰囲気を出してくれそうです。
■Königliche Porzellan-Manufaktur Berlin(ベルリン王立磁器製陶所)|ドイツ
1763年に、プロシアのフリードリヒ2世がベルリンの商人から磁器工場を購入したのがはじまりで、ベルリン最古のクラフトビジネスを行う伝統企業として、今日に至ります。写真のようなボタニカルな絵柄のほか、白の無地に優美なラインを備えた食器も多く揃えています。ハンドメイドの高級磁器製花器や置物でも同社の名が知られているそうです。
▶2013年■"european design"vol. 2の記事はこちら
▶2013年■"european design"vol. 1の記事はこちら
▶2012年■"european design"の記事はこちら
▶2011年■"european design"の記事はこちら
▶2010年■"european design"vol. 2の記事はこちら
▶2010年■"european design"vol. 1の記事はこちら
▶2009年■"european design"vol. 2の記事はこちら
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