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2014.05.19

【100%無農薬+完全有機肥料+手作業】田植えワークショップ2014リポート

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photo, movie & text: Tranlogue Associates


去る5月4日(日)、絶好の田植え日和に恵まれ、房総のワークショップでは「米づくりを楽しみたい方」「将来自給自足に挑戦してみたい方」を対象に、「田植え体験」「里山の保全・再生」「田舎と都会の交流」を目的として、WWOOF方式(有機無農薬栽培の技術や食事と、参加者の労働を交換)で田植え体験ワークショップを行いました。
このページでは、40名を超える老若男女が参加したワークショップの様子をリポートします。

100%無農薬&有機栽培によるワークショップならではの問題と課題
トランローグの米づくりは100%無農薬のため、毎年雑草に苦しめられてきました。そこで今年は、3種類の田んぼをつくって実験しています。冬に水を張り放しにして凍らせ、雑草の根や種を腐らせる「冬期灌水(かんすい)田んぼ」。レンゲを育てて米の栄養となる窒素を空中から地中に固定すると同時に、雑草の繁殖を抑える「レンゲ田んぼ」。そして、水を深く張って雑草の生長に必要な酸素を欠乏させる「深水たんぼ」の3種類です。
「レンゲたんぼ」については、春先にレンゲが開花した後、雑草が繁茂し、レンゲが雑草に負けて失敗。来年は開花後に草取りをすることに。
「深水たんぼ」については2カ所の水源と田んぼの高低差の関係で、期待したほど水を貯めることができずに失敗。来年は、確実に水を深く張ることのできる面積まで縮小予定。

このようにトランローグの田んぼは、無農薬のため生物多様性そのもので虫が多く、田植えに集中できなかったり、今年から一般的な田んぼよりも水を深く張ったため、足元がおぼつかず、例年になく難しい田植えとなったようです。
水が濁って地面が見えず苗を植え忘れたり、畦(あぜ)に土を盛って防水するために土を耕して柔らかくなった畦際(あぜぎわ)では、苗が地中深く葉っぱまで埋まってしまったり、と新たな課題も見えてきました。
また毎年、収穫時にモチ米とコシヒカリを混ぜるトラブルが発生していますが、今年はなんと、田植え時から混ぜてしまうアクシデントが。モチ米の範囲を超えて、コシヒカリに混ぜてしまいました。現場に張りついて見守っていても、防げない。さらに、モチ米とコシヒカリを区別するために打った杭も抜かれ、庭に転がっていました(笑)。

ユートピアはありました。
かつて学生時代に幾度となく耳にした「ユートピア(現実には決して存在しない理想的な社会)」。その後数10年、話題にすることも思い出すこともありませんでしたが、田んぼを始めてから「君たちはユートピアをつくろうとしているんだね」と先輩方から問われるようになりました。
恥ずかしくて「そんな大それたことは、考えたこともありません」と答えてきました。
しかし、美しい環境のもと、田んぼがなければ知り合っていなかった方々ばかり、毎回40、50人にお集まりいただき、労働と食事などを交換しながら自給生活をすることは、現実社会における、まさにユートピアである、と気づきました。


まずは北側、従来通りの田んぼ(前記「深水たんぼ」)から田植えをスタート!
一方からモチ米を、もう一方からコシヒカリを植えました。

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次は南側、冬期灌水田んぼ。
ここにはコシヒカリだけを植えました。

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田植えのあとは、労働と交換の食事です。
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▲参加者の河上さんがつくってくれた煎り糠入りクルミとレーズンのパウンドケーキ(写真左)と、4種類の自家製米パン。
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▲参加者の色井さんがつくってくれた、エスニック風味の豚肉とパプリカのマリネ。
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▲参加者の佐藤さんがつくってくれた、桜チップのスモークチキン。
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▲参加者の内川さんがつくってくれた、グレープフルーツのゼリー。
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▲おしゃれで美味しい&遊んでくつろげるcafe & guesthouse souの小林さんから、南房総市で猟師をされている戎井(えびすい)さんが捕獲した猪肉をお裾分けしていただきました。スペアリブをつくりました。

【イノシシを通して食生活について考えてみよう!】

今、森ではイノシシが大量に繁殖し、動植物のバランスが崩れ、田畑にも被害が及んでいます。他方、日本ではカロリーベースの食料自給率が40%と言われていますが、米と野菜についてはほぼ100%自給できています。自給率を下げているのは主に食用油と食肉(家畜用飼料を含む)です。また、日本人の食べ残したもので1年分の食料をまかなえる国もあると言われています。そこで、増えすぎた野生動物を捕獲し、衛生的でおいしいジビエ料理の食材として提供してくれる戎井さんの活動はたいへん貴重です。米と野菜を中心とした食事に、ジビエを取り入れることでカロリーを補い、季節や自然、伝統文化を肌で感じながら、命に感謝する暮らしができるからです。

「日本ジビエ振興協議会」設立時における「ジビエ料理試食会」取材記事はこちらから

戎井さんの取り組みについてはこちらから

cafe & guesthouse souについてはこちらから

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ご結婚された細越ご夫妻を
自家製米パンのウェディングケーキ(?)で祝福

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参加者が持ち寄った品々を
物々交換しました。

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ワークショップ内で採取したスギナを乾燥させ、
スギナジェラートをつくって遊びました。

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大人も子どもも、犬たちも。
自然の中で思い思いに休日を楽しみました。

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近隣の村杉さんが収穫した、辛みが少なくサラダに最適と評判の、白子町のタマネギを参加者のお土産にいただきました。いつもありがとうございます!
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関連記事:ワークショップ Workshop 01 米作り/家庭菜園

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