2013.09.26
『若冲が来てくれました』を見てきました。
Photo & Text: Motohiro SUGITA
東日本大震災復興支援 特別展示として2013年3月より仙台・盛岡を巡回してきた『プライスコレクション 江戸絵画の美と生命 若冲がきてくれました!』。同展の最終日、9月23日(日)開館前の朝8時半過ぎに福島県立美術館を訪ね、チケットを購入する列に並びました。
展示は、円山応挙や長沢蘆雪、鈴木其一をはじめ江戸時代の傑作を集めたプライスコレクション(カリフォルニア)を中心に、国内の美術館など多方面から出品。もちろん一番の見所は、何と言っても伊藤若冲(じゃくちゅう。1716-1800)です。
若冲は、京都の青物問屋の4代目でありながら商売に関心がなく、酒も飲まず芸事もせず、生涯結婚せずに絵の道に没頭していたというのが定説です。常軌を逸した緻密な筆致。正確かつ大胆で緊張感溢れる画面構成が、若冲の人物像を補強しているのは間違いありません。しかし、晩年は町年寄として、業務停止を命じられた市場(現・錦市場)の再興のために奔走した、という一面もあったとか。
30年前、京都でデザインを学び、日本美術史の授業で毎週のように寺を巡っては絵画や建築、庭園を見て学んだ私たちにとって若冲は、当時から他の画家とは別格。まさにスーパースターです。
ジョーと悦子のプライス夫妻は、「震災直後の避難所で、配られたおにぎり1つに『ありがとうございます』と頭を下げる被災者の方々に、自らのコレクションを見せてあげたい」と願い、この企画が実現したそうです。なお、本展の収益は、すべて東北にもたらされる、とのこと。
若冲の作品は、楽しく、美しく、気高く、生命エネルギーの塊のようです。会場で若冲の絵を前にして、興奮気味に会話する老若男女の姿が印象的でした。
反面、来場者の皆さんは行儀がよく、絵から結構な距離をとって見ていた点が少々残念でした。それは「おにぎり1つ」に感謝の気持ちを体現する私たち日本人の精神性にも通じますが、絵画から生命のエネルギーを得るには、ガラス面まで近づいて、その筆致、ディテールを凝視して楽しむことをおすすめします。顕微鏡のように、離れていては見ることのできない別世界を旅することがきます。若冲の場合、ディテールの中にも細密な部分と大胆な構成が見られ、描き込んで様式化していった道のりに思いを馳せることができます。とにかく細部まで神経がいきわたって、もの凄いんです!
プライスコレクションでは、今回が若冲最後の帰国となるそうです。
「いざ若冲!」・・・うれしくも切ない気持ちで福島をあとにしました。
2013.09.02
2013収穫祭&稲刈りワークショップ延期のお知らせ
photos & text: tranlogue associates
全国的には大雨など荒れた天候の一方、当地では干ばつで雨のない猛暑日が続き、田んぼには夜間、イノシシが出没している模様です。
雑草が生い茂ったものの、おかげさまで何とか稲も生長し、収穫を迎えることができました。
「稲刈りと収穫祭」につきましては、当初の予定を延期し、下記の通り開催いたします。
トランローグでは房総のワークショップにて、今年もWWOOF方式※1によって有機・無農薬の米づくりワークショップを開催しています。米作りを体験したい方、将来自給自足に挑戦したい方はぜひご参加ください。災害に強く、景気に左右されない暮らしと社会のためにも、より多くの方々が自給の方法を体験し、実践し続けることはとても有意義と思います。
初めて参加を希望される方も気軽にお問い合わせください。
皆様のご参加を心よりお待ちいたしております。
▼この地域では、今年も米から放射性物質は検出されませんでした。
http://www.pref.chiba.lg.jp/annou/press/h25/housyanou/kome/kensakekka-0812-2.html
▶関連記事:ワークショップ Workshop 01 米作り/家庭菜園
過去のワークショップの様子をご覧いただけます。
記)
■目 的:収穫祭(収穫した米の試食)。稲刈り体験。里山の保全・再生。都会と田舎の交流
■日 時:当初の予定を延期し、9月22日(日)午前10時半頃から開催します。
■場 所:千葉県長生郡睦沢町。最寄り駅=外房線・上総一ノ宮駅
■参加費:無料(WWOOF方式 ※1)。主催者側でレクリエーション保険(傷害保険)に加入します。
■ワークショップ内容:
□収穫した米(手づくり米料理)を食べていただきます。
□稲刈りと、オダ掛け(ハザ掛け)による自然乾燥体験。
※当日までに刈り残した部分について、体験希望の方だけ自由参加で実施。
□足踏み脱穀機による脱穀、唐箕(とうみ)による選別、籾摺・精米。
※体験希望の方だけ自由参加で実施。
□精米した米は、皆様で持ち帰っていただきます。
■稲刈りと、オダ掛け(ハザ掛け)の持ち物と服装:
前日までに雨が降らなければ田んぼは乾燥していますので靴でも作業していただけます。雨で田んぼがぬかるんだ場合は、長靴をご持参ください。また、長袖長ズボン、帽子など、防虫が必要です。鎌と軍手はこちらで準備します。また、タオルや着替えをお持ちいただく事をお薦めします。シャワーもご利用いただけます。
■予定の変更・中止:
台風その他、やむを得ない理由で本ワークショップを変更・中止する場合があります。予めご了承ください。
■参加申し込み・お問い合わせ:info@tranlogue.jp
準備のため、早めにお申し込みください。
※1トランローグでは、WWOOF(Willing Workers On Organic Farms)方式によって、「田植えワークショップ」「稲刈りワークショップ」「セルフビルド・ワークショップ」を開催しています。
WWOOF方式とは、人手の必要な農作業に協力いただく参加者から労働力を提供いただく代わりに、参加者へ有機・無農薬栽培による農作業のノウハウと食事や飲み物を提供する、相互扶助の仕組みです。
以上)
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