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2013.06.10

HONDAも参戦!スマートハウス。

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photo & text: Kazuko TOMOYORI

家電化するメーカーハウス
5月30日(金)~6月1日(日)の3日間、東京ビッグサイトで開催された『スマートハウスEXPO2013』を取材した。スマートハウスとは、「発電」「蓄電」「節電」の3つを基本とした創エネ&省エネ住宅。
2012年の新設住宅着工戸数は893,000戸。ここ10年では2006年の1,285,000戸をピークに、90万戸を割り続けている(バブル期は170万戸)。東北の復興需要への期待は大きいが、長い目でみれば、出生率が減ることからも、今後も新規着工数の大幅な増加は見込めない。
そんななか、住宅業界で注目されているのが「スマートハウス」。大手ハウスメーカーの間では、このキーワードを外せない、といった様相だ。ちなみに、住宅業界での大手ハウスメーカーの占める割合は、15%程度にすぎない。住宅業界の多くは、地元に根ざす中小の工務店で占められている。日本の住宅は、1尺、1間、1畳、1坪といったように、寸法の規格統一が進んでいた。地方によって、若干違うところはあるが、吸収できる範囲に収まっている。それも木材のいいところである。規格が統一されているから、材料の部品化も進み、柱、梁などもプレハブ化されている。中小の工務店でも、コストパフォーマンスの高い家をつくることが可能になっているのだ。つまり、大手の強みであるはずの「大量に安く」を実現できず、「大手の家は高い」が通説に。そこで「中小との差別化ポイントはスマートハウス」ということで、大手メーカーハウスは、家電化に大きく舵を切ることになったようだ。

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▲国土交通省、経済産業省、 環境省と3つの省が後援。

震災で注目をあびるスマートハウス
震災以前からスマートグリッドと連携するかたちで、スマートハウスの商品化は進んでいた。しかし当時、電力会社曰く「停電のない日本の電力網には不要」という見解で、自然エネルギーの接続や介入を露骨に嫌がっていた(今でも消極的だが、嫌がる声は小さくなった)。
業界でも震災以前は「停電はそうそうないだろう」ということで、太陽光発電を付けた住宅にも蓄電池は搭載しないのが標準だった。震災があり、停電が起ることが現実となり、電力の安定供給も怪しくなってきたところで、一躍スマートハウスは脚光を浴びることとなったのだ。

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▲昨年着工の8割の家に太陽光発電が搭載されたセキスイハイム。さらに3割は蓄電池を搭載済とか。工場生産の同社の住宅には、理科系男子のお父さんが信頼を寄せている模様。蓄電池は、安い深夜電力を夜間に蓄電池し、昼間の高い電力は全て売電にまわす。光熱費ゼロの達成率も75%を超えている。

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▲セキスイハイムのブースでは、NEC製の蓄電池、定置型大容量リチウムイオン蓄電池「e‐Pocket(イーポケット)」を展示。

未来は、燃料電池が家庭と車のエネルギーを支える?
スマートハウスは「創る=太陽光発電+燃料電池」「ためる=蓄電池」「上手に使う=HEMS(ヘムス)」の3つが基本。これに車を接続させるのが最近の主流で、車との連携は欠かせなくなっている。F1への復帰を決めたHONDAも、スマートハウスへの本格参戦を決めている。車の開発で培ってきたノウハウを、家庭用の燃料電池にも発展させ、2015年には発売を予定しているという。同年には、トヨタも燃料電池車を発売予定。ハイブリッド、EVに加えて燃料電池も、いよいよ普及目前のようだ。

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▲HONDAは「スマートホームシステム(HSHE)」を導入した住宅を、さいたま市で実証実験中。太陽光、燃料電池、電動化モビリティーを搭載し、2015年の実用化を目指している。

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▲HONDAは、10年ほど前から家庭用コージェネシステム「エコウィル」を発売。今年は停電時も自立運転可能な新製品を投入。

家庭で水素を充電? 期待がかかるメタンハイドレードとシェールガス
燃料電池は酸素と水素から電気と水をつくる仕組み。家庭用燃料電池「エネファーム」は、都市ガスから水素を取り出している。ここに燃料電池車をつなげることができれば、ガスステーションの問題も小さくなり、家庭で水素の補給も大いにありだ。米国でシェールガスが大量に産出され、日本もその安いガスを輸入することが決まっている。そして日本近海に眠るメタンハイドレードにも期待がかかる。ガスが安くなり、定価が約200万円する燃料電池のコストパフォーマンスが向上すれば「ガスでマイホーム発電」が当たり前の時代はそう遠くないかもしれない。

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▲ダイワハウスブースでは、東芝のエアコンとエリーパワー製の蓄電池「パワーイエ・シックス」を展示。HEMSの操作画面はipadで行える。

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▲住友林業ブースでは、ニチコン製の蓄電池が日産車とともに展示されていた。

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