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2013.06.16

リポート『ライティング・フェア 2013』で見つけた次の暮らしのデザイン

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photo, movie & text: Motohiro SUGITA

2013年3月5日(火)〜8日(金)、『ライティングジャパン 2013(第11回国際照明総合展)』が東京ビッグサイトで開催されました。第42回 店舗総合見本市『JAPAN SHOP 2013』と同時開催され、日本経済新聞社が主催。
メディアを通して次の暮らしをデザインするトランローグは、
会場に出展社を訪ねて取材し、動画と写真でリポート。
また、照明デザイン国際シンポジウム『アジアの照明デザインと日本』と、ライティング・フェア2013特別シンポジウム『日本の”あかり”と戦略的国際標準化の推進』についても紹介します。
独自性に溢れるライティング。明日のグローバルスタンダードを目指す機器やシステムに注目です。

■Superline LED|USHIO
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GaN on GaN シングルコア®LED搭載、ハロゲンランプ代替LED電球。大電流・ハイパワーを要求される産業用デバイスなどに利用されてきたGaN基盤LED(GaN on GaN LED)を照明用に最適化して搭載されたLED電球。GaN on GaN LEDは、従来のLEDでは困難だった極小単一光源(シングルコア®)での高出力を実現しているとか。ハロゲンランプ同等のサイズ、形状のため、ハロゲンランプ照明器具にもフィットする優れた器具互換性も。また、ハロゲンランプ同等の明るさ、光の拡がりを忠実に再現しているそうです。モデルは、モノ本来の鮮やかな色、美しさを再現する自然光モデルのVivid(12V/ 9.5W/ Ra 95)と、コストパフォーマンスを高めたスタンダードモデルのEssential(12V/ 10.4W/ Ra 80)の2つ。写真中央の台形の箱は、Vividモデルが、紫外線、赤外線を排除しながら、太陽光に近い連続スペクトルを保持している様子を肉眼で確認するための分光器。これでVividモデルの光源を覗くと、可視光線全域をカバーしていることがハッキリとわかります。


■パネルミナ, シンクロ色調LED照明|Panasonic
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▲写真は上から、面発光LED照明パネルミナの本体、反射板、導光板、拡散パネル。これらの導光板技術が、均一でやさしい(眩しくない)光を空間全体にまんべんなく拡げます。▼動画中央のパネルミナと、他のLED照明の配光比較。パネルミナのまんべんなく柔らかく、明るい光の特性が見てわかります。

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くつろぐ、食べる、学ぶ、着替える、化粧する、眠る、目覚める・・・。暮らしのシーンごとにふさわしい「心地よい光の色」、そして「明るさ」があります。色と明るさをセットで考え、バランスで変化させることが大切とのこと。これが「シンクロ色調LED照明」。「色だけ」「明るさだけ」をそれぞれに切り替える従来のコントロールに対して感じていた違和感がなく、とても自然でスムースな調色・調光が実現しました。また、コントローラー単体で2,000円台(工事費別)とか。とてもリーズナブルな印象。次の暮らしのスタンダードになりそうです。

■CrossFeel|NECライティング
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光を音で空間をコーディネートする「CrossFeel」。スマホアプリを使い、Bluetoothを介して光と音を操作します。お気に入りの音楽に、標準搭載された6つの環境音を組み合わせることも可能とか。LEDの特性をフルに活かして光の色や明るさも選べます。オーディオ機器との競合が懸念されますが、照明が先か、オーディオが先か。多くの人が照明を先に設置することから、商機はありそうです。

■Kelvin Light|GALAXIA JAPAN & TELMIC
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大型LED映像マルチビジョンや透過型LEDディスプレーで実績のあるギャラクシアエレクトロニクスと、舞台を得意とするテルミックによるStudio Lightingの「Kelvin Light スクエア」。その名が示すように、2700〜6500Kの連続的な色温度調整が可能とのこと。フラットで柔らかな光はスタジオ撮影で活躍しているそうですが、トランローグが注目したのは、そのスタイリッシュな外観。照明業界では、丸い傘のフォトスタジオ用ストロボライトをインテリアに展開したイタリアPalluco社の照明が有名ですが、それとは違った今日的でクールな佇まいに心を奪われました。この照明が似合うリビングをデザインしたくなります。

■コニカミノルタアドバンストレイヤー
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有機ELの特性である「配光方向による色差」を利用したインスタレーション。一般的に、照明用途では「障害」とも言われる特性ですが、それを見事に生かしたデザイン。正面は緑が強く、側面はピンクになるとか。ギアやワイヤーのイメージと相まって、未来的でありながら、どこか懐かしい、独特な世界観が出来上がりました。

■PlaRain|和晃プラスチック
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プラスチック成形加工会社よりインテリア素材としての提案。リサイクル可能な素材を使用し、原料を変えることで柔硬さまざまな強度に変更可能とか。照明に求められる柔らかな空気感の表現にふさわしい素材です。

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会場で見かけたガラスシェードの内側に虹色に輝く素材を蒸着させた、とても上品な雰囲気を醸し出す逸品。ガラスの重量感と光の無重力感が見事に溶け合っています。

■照明デザイン国際シンポジウム『アジアの照明デザインと日本』
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970年代にスタートした日本の照明デザイン。時代を牽引して来た石井幹子さんによる基調講演『照明デザイン 奇跡と展望』が行われました。東京タワーや東京ゲートブリッジなど、映像を通して照明計画の変遷を紹介。近年はライトアップ用照明設備と、それを発光させるソーラーパネルのセットが欠かせないとか。電気にも地産地消が求められる時代なんですね。

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面出薫さんをモデレーターにパネルディスカッション『アジアの照明デザインショーケース/6人のデザイナーが語るアジア感覚の光』が開催されました。欧米とは異なるアジアならではの、照明デザインに纏わる文化、価値観、仕事の進め方などについて各自が持論を展開。パネリストはフランス、アメリカ、中国、香港、台湾から参加した照明デザイナー。空間における照明デザインの存在価値について議論が交わされましたが、「照明デザインは建築デザインの一部であり、照明がそこから切り離されて存在することはない」といったベテランデザイナー他数名の至極当たり前な態度に、ほっとさせられたのは私だけではないでしょう。

■ライティング・フェア2013特別シンポジウム『日本の”あかり”と戦略的国際標準化の推進』
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初めに東京大学大学院経済研究科ものづくり経営研究センターの小川紘一さんによる『日本のあかり、勝ちパターンの設計=製造業の復活に向けて=』と題する基調講演が行われました。液晶パネルなど、技術イノベーションで巨大需要を創出したはずの日本企業が、大量普及ステージになると市場から撤退させられるケースと、その理由を解説。そして今グローバル経済では、アップルをピラミッドの頂点とする製品やサービス、組織の体系のように、ビジネスエコシステムを介して自国/ 自社の成長・雇用に結びつける仕組み、つまり「経営者の”伸びゆく手”」の形成が重要、と訴えました。これは、アダム・スミスの「神の見えざる手」をもじったもの。さらにグローバリゼーション下では、イノベーションを行わず、企業のオーバーヘッドや国のビジネス制度設計が競争力を生む源泉となることもある、とか。極めてクリアでクレバーな講演内容でした。
続く「戦略的標準化」と記された講演では、東芝、パナソニック、山形大学より、LED照明、有機EL照明の国際標準化に向けた取り組みが紹介されました。日本の照明業界は、LED、有機ELといった光源を武器に、国際競争での優位性を確保すべく奮闘しているのです。がんばろう日本! 競い合おう世界!

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