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2012.10.29

リポート【2012年10月】IFFT/インテリア ライフスタイル リビングで見つけた次の暮らしのデザイン〈第4弾〉#iltokyo

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photo & text: Shizue INOUE

国際見本市 IFFT/Interior Lifestyle Living『IFFT/インテリア ライフスタイル リビング』は、2012年10年17日(水)〜19日(金)、東京ビッグサイト東5・6ホールにおいて開催。本展はB to B/商談見本市であり、一般来場者は入場できません。メディアを通して次の暮らしをデザインするトランローグは、会場に
出展社を訪ねて取材し、動画と写真でリポートしています。 2013-2014年のインテリアとカラーのトレンドをつぶさにご覧ください。新しくてどこか懐かしい。知的でしかも技術的に優れたアイテムの数々に注目です。

■UMENODESIGN

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商品のプロデュース、ブランディングを手掛ける梅野聡氏によるブース。家をかたどったCHIKUNO CUBEは、竹炭を使用した天然の空気清浄機。キューブひとつで約1〜1.5畳ほどの広さの空気を綺麗にしてくれます。時々天日干しすれば、3年は効果が持続するそう。MIZUHIKIは、慶事に使われる「蝶結び」と「あわじ結び」のグラフィックを施したグラス。贈答はもちろん、記念日や日常でちょっと嬉しいことがあった時に使うのも楽しそうです。漆器をモダンにデザインしたDENシリーズは、漆と螺鈿を用いた富山県高岡市の伝統工芸によるもの。漆を部分的に塗布するのはとても難しいとのこと。高い技術力があってこそ実現できたデザインなのですね。

■Timbre

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「暮らしに情緒や潤いを与えてくれる、さまざまな音色、響きの様な機能を持つプロダクトを生み出していきたい」という想いが込められたブランドTimbre。これからそんな想いを形にしたプロダクトを展開していくそうです。このブランド第1弾のアイテムは、ドアチャイム。ドアを開閉すると鳥のしっぽが揺れて金属の清々しい音色が鳴るTori。愛嬌のあるフォルムと木琴のように優しくて温かみのある音色のTama。アルミの無垢棒を使用した、澄んだ抜けのよい音色のBo。「いってらっしゃい」「おかえりなさい」……。それぞれの個性で、ドアを開ける人に優しく語りかけてくれそうです。

■+nm(plus NISHISEI MATERIAL)|西清マテリアル株式会社

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スクリーンや和紙ファブリック、繊維製品の企画・製作、販売を手掛ける京都の企業によるスクリーンfu-su-ma(布簾間)。ポリエステル生地にレーザーカットを施してさまざまな柄を生み出し、ほつれる心配もありません。ホテルやレストランなどの空間の間仕切りに、またバックライトが埋め込まれた壁と組み合わせて空間を華やかに演出します。スクリーンと吊り下げのためのワイヤーユニットがセットになったスタンダードモデルと、オーダーメイドモデルを用意。生地は縦横どちらにも使用でき、オーダーメイドは短辺2450mm未満まで、長辺は何十mでも対応可能だそうです。

■SKINTEX®|合同会社シーラカンス食堂

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デザインスタジオ シーラカンス食堂による、ライクラ®ファイバーという繊維の持つ特性を生かしたプロダクト展開。この繊維は元の長さの4〜7倍にまで伸び、力を緩めるとすぐ元通りになる伸縮耐久性に富んだポリウレタン合成繊維。これを張り地に使用した椅子とオットマンは、どこか近未来的です。ピンと張りつめた見た目とは裏腹に、座るとしなやかにスーッと沈み込み、身体をやさしくホールドしてくれます。型くずれしにくいため、美しいフォルムが持続します。バッグやペンケースは、付属のアルミフレームをセットして使用。中に入れる物のシルエットが表面に浮き出て、持つ人の個性を表現する遊び心も見逃せません。

■DONGURI|株式会社飛鳥工房

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会場でふと目につき、あまりの愛らしさにしばらくその場を動けなくなってしまったおもちゃです。DONGURIは、重力によって動くおもちゃの動きや音を研究している、愛知教育大学の樋口一成教授の玩具教育の研究から発案されたそう。どんぐりがレールの上をとてもゆっくりと左右に揺れながら転がっていきます。スライドさせたレールの角度やどんぐりの大きさで転がり方が変わります。ここだけ時間がゆっくりと流れているようで、とてもほっこりさせられました。子どもだけでなく、忙しい大人にもおすすめです!

■ideaco

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smart innovationとうたったideacoのブースでは、ちょっと気が利いていて日常を豊かにしてくれるアイテムに出合えました。思わずロッククライミングしたくなる!?ウォールポケットcuppo(カッポ)は、背面の磁石で玄関扉や冷蔵庫に付けられるほか、付属の鉄板を壁に取付ければさまざまな壁に使えます。クレートスタンドmushroomは、キノコのようなフォルムが愛らしいスパイス入れのシリーズ。ソースポットは注ぎ口がシリコン素材のため、液垂れしにくく機能性にも優れています。木と白いセラミックを用いたW+W(ホワイト&ウッド)は、モダンで温かみのある印象。iPhoneの充電用ケーブルを収納するためのスリットまでデザインされているという、細やかな配慮が。ティッシュの取り出し口をサイドに設け、天板をトレイとして活用できるティッシュケースroof。貯金箱manmaruは、その表情に引き付けられて思わずコインを入れてしまいそう。「FU」「MU」「HO」と口を開けている彼らは500円硬貨約3万円分で満腹になるそうです。

■ZIKMU Parrot BY S+ARCK|モダニティ株式会社

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Philippe StarckデザインのBluetooth、Wi-Fi搭載2.1chワイヤレススピーカー。上部にはiPodやiPhone用のドックがあります。2本のスピーカーそれぞれの下部にウーファーを内蔵。Starckならではの洗練されたフォルムとスピーカーにつなぐのは電源ケーブル1本だけというシンプルさで、インテリアの自由度が高まります。性能にも優れ、音が部屋全体に均一に広がり、壮大なサウンドを楽しめるそう。底面はスピーカーが倒れないように設計されています。近々、1本でもパワフルで豊かな音を楽しめるSOLO(下写真)を発売予定だそうです。

■SHOWROOM FINLAND

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インテリアアクセサリーや家具など、洗練された北欧デザインのコレクションを展開するフィンランドのブランド。Kasaa Cardboard Shelf(上写真)は再生ボール紙を使用。ボール紙のサンドイッチ構造を敢えて見せ、シンプルな白いシェルフにいいアクセントをもたらしています。軽くて丈夫な上、サンドイッチ構造の部分に水性接着剤を使用しているため紙への再生が可能で、環境に優しいアイテムです。Kennoシリーズ(中写真)は大小サイズの椅子とスツールをラインナップ。小さい椅子は子どもに最適なサイズです。表面に自由にペイントしてカスタマイズすれば、楽しみ方が広がります。シェルフ、椅子、スツールともに組み立てには接着剤やねじは一切不要。Pilkeシリーズ(下写真)は、バーチ・プライウッドを使用したペンダントライト。美しく交差するシェードからもれる光が優しく部屋を照らしてくれます。

■yuugi|京朋株式会社

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京都の着物メーカーによるテキスタイルブランド。蓄積した膨大な数の伊勢型紙のデザインを、現代の生活にマッチするよう再構築しています。例えば菊の絵柄は、生地の所々に菊が配されていたオリジナルのデザインを、青海波(せいがいは)文様と掛け合わせた絵柄にリニューアル。菊と波は相性のよい絵柄だそうです。一方、海の波をモチーフとした絵柄は、そもそもがモダンであったため図柄を拡大させるにとどめてリニューアル。すべて職人さんによる手捺染(手作業による染め)です。

■檜創建株式会社

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林業が盛んな岐阜県に本社を構える、檜風呂を中心に木製風呂を手掛ける檜創建。檜は木目のキメが細かく優美な印象で、香りがよく殺菌作用や耐久性にも優れています。O-bath(上写真)はR形状の浴槽には不可欠とされる金属製の「タガ」を必要としない構造が特徴。musubi(下写真手前)、masu(下写真奥)など、優美で高級感あふれる浴槽は、上質なインテリアとマッチし、非日常的なラグジュアリー感を得られそうです。

■lifestyle salon 2012

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「ライフスタイルとインテリアトレンド2013秋-冬」の講演風景。講師は(株)グローカルネット カルラン・ジャパン コンサルティングマネージャー 兵頭武信氏。フランスに本社をおくカルラン・インターナショナルでは、2013-2014の秋冬に、次の5つのKEYCONCEPTを提案。それぞれのテーマに対して素材の組み合わせやカラーが展開されています。今回は、はじめの3つのテーマについて詳しいレクチャーがありました。

●ALLEGORIES 寓話
大衆的な文化、伝統的な文化を現代的に再解釈。ヨーロッパやアジアの民族的なモチーフをモダンに調和させます。このテーマのキーワードは、1)リミックスされたフォークロア 2)世代から世代へ受け継がれるもの 3)大衆文化の豊かさ。インテリアにおいては、フローラルな柄を用い、ダークなトーンの中にヴィヴィッドな色を入れて華やかさを出すなど、クラシックなものに新しい色づかいを組み合わせます。

●EQUILIBRIUM バランス・均衡
近年多くの人が常時接続への疲れを感じ、ここへきてスローライフへの意識がまた高まっているそうです。そんな現代において、オンライン(=現代)とオフライン(=自然)を自由に選択するのがこのテーマ。キーワードは、1)アーバンとナチュラルの汎用性 2)個性的なプロテクション 3)オンラインとオフライン。インテリアにおいては、ナチュラル感のあるものを都会的に組み立てていきます。カーキなどのナチュラルを感じる色にブロンズ色をのせたり(テクノカーキ)、ラメの光沢感をプラス。コルクのような素材など高密度な素材を用います。

●HAUTE DIMENSION 格調高い次元
世界不況後のラグジュアリー市場における、ミニマリズムと高級志向の間の新しいルールを提案。ひとりひとりにオートクチュールのようなカスタマイズ(ハイパーカスタマイズ)を。キーワードは、1)機能性、エレガンス 2)官能的なミニマリズム 3)ハイパーテイラーメイド。凝ったカットやエレガンスを、誰でも手が届くよう日常的に取り入れられるように提案。商品が消費者に寄り添っていく、ハイパー適応という考え方。インテリアにおいては、キルティングなどふっくらとボリューム感のある素材を用い、リボン、シルキーなファブリックなど、クチュール的なものを取り入れます。このテーマのキーカラーの中でも特に重要なのが、光沢感やマットで質感のある赤だそうです。

●REFLECTIONS 内面反射
人間が持つ複雑な、肯定的な感情や否定的な感情を深く追求し、情緒豊かな美しさを表現。人間の奥底にあるダークでミステリアスな部分を全面に出すことで人を引き付けます。

●PROMISE プロミス
自然発生的でクリエイティブな集団行動として、詩心あふれる「反乱」を表現。社会をよくしようとする反抗心を、否定せずに表現することで、共感をよびます。

リポート第1弾はこちら   

▶リポート第2弾はこちら

▶リポート第3弾はこちら

2009年12月■IFFT/Interior Lifestyle Living 『IFFT/インテリア ライフスタイル リビング』の記事はこちら

▶2010年11月■IFFT/Interior Lifestyle Living  『IFFT/インテリア ライフスタイル リビング』の記事はこちら 

▶2011年6月■Interior Lifestyle Tokyo 『インテリア ライフスタイル』の記事はこちら

▶2012年6月■interiorlifestyle Tokyo『インテリア ライフスタイル』の「デジタルリポート」はこちらからダウンロードしてご覧ください。

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