ICTの最新技術やソリューションが集結した『スマートフォン&タブレット 2011 秋』と『ITpro EXPO 2011』
会場:東京ビッグサイト(東京国際展示場)東4-6展示ホール、会議棟
会期:2011年10月12日(水)-14 日(金)
スマートデバイスの最新技術や活用法に触れられる『スマートフォン&タブレット 2011 秋』と、最新のICTソリューションが一堂に集まる『ITpro EXPO 2011』。来場者数は3日間で64,895名(2展合計)。出展社数は2展合わせて292社。併催のセミナーでは、基調講演やパネル討論会、ICT企業のトップによる特別講演など、3日間で199のセッションが行われた。
(以下、主催者プレスリリースより)
『スマートフォン&タブレット 2011 秋』:本格的な展示会としては、今回が初開催となる「スマートフォン&タブレット」。企業の情報システムにおいても、ビジネスの現場のツールとしても注目を浴び、さまざまなビジネスチャンスが広がるスマートフォンとタブレット・スレートPCに焦点をあて、最新技術やソリューションに触れることのできる総合イベントとして開催します。
『ITpro EXPO 2011』:今回が5回目の開催となる『ITpro EXPO』。「ICTで創る、新たな成長」を基調メッセージとして掲げ、企業社会がICTをうまく活用して元気を取り戻し、力強く再スタートを切るきっかけとなるような情報を発信します。通常の展示ゾーンに加え、「クラウドコンピューティング」「IT経営」「事業継続」「セキュリティ」「セールス&マーケティング」「ビジュアル・コミュニケーション」の6つのテーマイベントを実施、それぞれのテーマに沿った展示やフォーラムを実施することにより、より専門性の高い情報を来場者に提供します。
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photo/text: Motohiro SUGITA, Shizue INOUE
世界的に景気が後退するなか、数少ない成長分野として国内外で活況を呈するスマートデバイス分野。
個人需要は言うに及ばず、さらなる省力化とコスト削減を追求する法人需要の伸びが期待されている。普及の鍵となるのが、ユーザーの端末で情報処理を行なわず、ネットを介してアプリケーションなどを操作するクラウドコンピューティングによって端末を仮想化する技術/サービスとの併用。
同時に課題も明確だ。
容量の大きな画像を表示することを特長とするスマートデバイスが広く行き渡る大前提が、業界全体での回線容量の限界とアドレス数の限界を乗り越えること。
また、そもそもパーソナルなデバイスに対するMDM(Mobile Device Management)の一貫としてのセキュリティ技術/サービスの進化がスマートデバイスの発展を左右すると言っても過言ではなかろう。この展示会では様々なセキュリティ商品が紹介され、複数の技術やサービスを組み合わせて4重、5重のセキュリティを施すことが提案されていた。
もう1つ重要な要素が画像表示や操作性といったインターフェイスに係る技術/サービスだ。高精細な画像表示。業務アプリケーションと全く同一のインターフェイスで操作できるアプリケーションなど、今までスマートデバイスの欠点とされていた部分をカバーする商品も数多く紹介されていた。
さらに今回目についたのがカスタマイズに係る技術/サービスや、アクセサリー。アプリケーションやインターフェイスをより簡単にカスタマイズできる商品は百花繚乱の様相だ。
そして何よりも重要なのが、スマートデバイスをどう使うか。
会場中央に配置された「スマートデバイス時代のモバイル活用 パビリオン」では常時セミナーやセッションが行なわれ、毎回満席、立ち見といった状況で、来場者のスマートデバイスへの関心の高さは一目瞭然だ。
■ORSO
全ての携帯電話向けに開発されたサイト制作支援ツール「Odette Lite」で制作されたORSOのモバイルサイトを、様々なデバイス上で表示している様子。スマートデバイスの今を象徴する、とても印象的でわかりやすいプレゼンテーション。
会場中央に配置されたシアタースペースでは、3日間で16のレクチャーが行なわれた。写真の『企業のスマートフォン・タブレット活用実態』では、「情報化実態調査の結果についてデータを交えた報告」「スマートフォン、タブレット端末の活用事例の紹介」そして「教育現場におけるスマートフォン、タブレット端末の活用事例紹介」が行なわれ、来場者で埋め尽くされた。
同時開催の「ITPRO EXPO 2011」において優秀賞を受賞した富士通のオフィス機器のエネルギーマネジメントシステム/機器。ICT機器毎に(つまり社員毎よりもさらにきめ細かく)、スマートコンセントによって電力を見える化すると同時に、iNetSec Smart Finderによってセキュリティ強化をダブルで実現。震災後の省電力化とセキュリティ強化の流れを捉えた商品提案と言える。富士通ブースでは「選択と集中から、分散と共有へ」をテーマに「モバイルソリューション」「ICT基盤としてのクラウド」「事業継承ソリューション」という3つの商品群で、これからのビジネスの思想と方法のあり方について簡潔に見せていた。「事業継承ソリューション」では、策定・見直ししたBCP(事業継続計画)手順書に基づいたシミュレーション訓練の実施を通して手順を検証することで、組織としての危機対応能力の向上を図る「BCPトータルパック2011」を紹介。ソフト、ハードの充実と同時に体験に裏打ちされた行動の重要性について教えられた。
■NTTコミュニケーションズ
NTTコミュニケーションズが提供するBizホスティングは、自社でサーバーを保有・運用する従来のオンプレミス環境や、プライベートクラウド、パブリッククラウドと柔軟に連携させながらオンデマンドにサービスを提供するクラウド型ホスティングサービス。日経BP社が行った第3回クラウドランキングのベストサービスに選出されている。同社は通信キャリアならではの高品質な設備を実現したデータセンターをアジア、ヨーロッパ、アメリカを中心に世界的に展開。国内外のホスティングサービスをシームレスに一元管理・運営・保守できるので、効率化がはかれる。また、統一基準で高水準な品質管理を実施しているので、海外進出を果たす日本を強力にバックアップする。
■日本ノーベル
データセンター事業者と主要データセンター関連事業者が加盟する日本データセンター協会のブースでは、会員企業による約20分ほどのプレゼンテーションが交代で行われていた。写真は日本ノーベルのサーバーラック管理システム『UnitPORTER.Navi』のプレゼンテーション風景。遠隔地にあるサーバーのデバイス情報をWebブラウザから一括管理できるシステム。社内サーバーと、データセンターに預けているサーバーをまとめて管理することができる。導入企業の中には、管理工数を従来の10分の1に削減できたところも。今後は、Saas版での提供も計画中とのこと。
■TIS
BCP(事業継続計画)は、今や企業が真剣に取り組むべき課題のひとつ。震災以降は企業におけるBCP対策への意識も以前に増して高まりつつあるようだ。同社によるプレゼンテーションでは、災害が起こった時、汎用的なコモディティ製品を扱ったA社と、独自の技術を使った特殊な製品を扱うB社、どちらがBCPをより必要としているか聴講者へ疑問を投げかける。答えはA社。汎用的な製品を扱う企業は、競合他社にすぐにとって代わられるため、より迅速な業務復旧が求められる。同社はワークシート方式を採用し、BCPの進め方が分からない企業に対しても効果的にソリューションが行えるようサービスを提供している。
■アマゾン データ サービス ジャパン
今回、アマゾン データ サービス ジャパンの展示ブースでは、米Amazon Web Services(AWS)上でソリューションを提供するパートナー企業12社により、エンタープライズ利用(法人利用)でのAWSをテーマに、プレゼンテーションが行われていた。AWSで提供されるサービスのうち代表的なもののひとつに「Amazon EC2(Amazon Elastic Compute Cloud)」がある。これは、仮想サーバー機能を、必要に応じて自在に拡張や縮小しながら利用できるサービス。使用した分だけ料金を払うシステムなので、無駄が無い。ショッピングサイトを例に取ると、クリスマスなどプレゼント商戦のシーズンとそれ以外では、必要とされるサーバー処理能力にかなりの差がある。固定の契約となると、過剰な投資で無駄が生じたり、コンシューマーの需要に応えきれずに商機を逃してしまう恐れがあるが、迅速かつフレキシブルにサーバー機能を拡張・縮小できれば、リスクを最低限に抑えビジネスチャンスを最大化できるのだ。
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