HIRAMEKI Design × Finlandデザインイベント & エキシビション
2010年10月29 日(金)-11 月7 日(日)
リビングデザインセンターOZONE(東京・新宿)
photo: Motohiro SUGITA text: Kazuko TOMOYORI
あるデザイン関連の研究機関の方に「とても充実した展示会なので是非行くべき!」と勧められて、今年のデザインウイーク中に開催されたOZONEでのフィンランド展に行ってきました。「HIRAMEKI」と英文表示された展示会名は、次々と継起される「ひらめき」が重なり合うことで、これまでなかったアイディアや意見、そしてデザインを提示される場、とのこと。また、今回のイベントは、フィンランドデザインの対外輸出を振興し、フィンランドのデザイナーと日本企業による共同ベンチャーを推進することが目的。そのためか、派手さはないが、選りすぐりの完成されたデザインの展示会になっている印象を受けました。渋さの中に洗練された繊細さがあり、大人っぽさと可愛さが混在し、どれも日本人好みのデザインです。この展示会を見て、「これは一度フィンランドを旅してみたいものだ」と思わせてくれました。
展示の中には、すでに日本の製造業とコラボした製品も展示され、日本製品との相性の良さを教えてくれます。また、フィンランド在住の日本人デザイナーも何人か参加していて、フィンランドと日本の文化が融合している様子を確認することもできました。
展示は、テーマを象徴する6 色の「スパーク」で色分けされ、OZONEの3つのフロアに分かれて展示されていました。
テーマ「NEON:挑戦」は、若手デザイナーの驚きの詰まったデザイン
■HOW ABOUT VIKTOR
シンプルなシェードを集めた照明Campanula lamp、原子モデルを模したキャンドル立てAtomos candle holder、小さなクッションを集めたソファHanabi chair。
■MAGI&CO.
LEDで手軽に育てる菜園キットWe are all farmers。植物の種類や生育状況に合わせて光の波長を変えて生長を促したり遅らせるなどコントロール可能。同時に気分に合わせて色を変えるインテリア照明としても独特の雰囲気をつくり出す。
テーマ「白:照明、思考」ではエネルギー問題へのソリューション
■Esa Vesmanen/エサ・ヴェスマネン
北欧らしい繊細で軽やかなフォルムは、成型合板の高い技術に支えられている。薄い合板の中には大音量のスピーカーを埋め込む事に成功している。Black Balance chair ブラック・バランス・チェア。
■MELAJA
フィンランドの冬を思わせるバブルの照明。Studio-Eero-AarnioコレクションDouble Bubble。
テーマ「青:フィンランド」は機能性から生まれるデザイン
■MARIA JAUHIAINEN
枯葉の押し花からインスピレーションを得てデザインされた金属のアクセサリーLehti。小さなものはブローチになり、たくさん集めてつなげたものは、壁に陰影をもたらして繊細なインテリアアクセントに。写真の女性がデザイナーのMs. Maria Jauhiainen。
■JOHANNA GULLICHSEN TEXTILE CRAFT & DESIGN
織物テキスタイルのコレクション。上質な素材感と白黒の美しい幾何学模様がモダン。
テーマ「黒:デザイナー・アイコン」
■TIMO RIPATTI
オブジェのようなフォルムに日本の刺し子からイメージしたような座面のテキスタイルがモダンに映る。Ellipse chair。
■TAUNO TARNA
フィンランドデザインと東北地方の盛岡でつくられてきた南部鉄器とのコラボが成功したコレクション。Ironware Collection, Nanbu Tekki, Pro Arte Series 2008。
■KRISTIINA LASSUS
水墨画を思わせる、日本人好みの枯淡な味わい。素朴な風合いを生み出す伝統的チベタンノットの技術を使用したハンドメイドのラグOkoaオコア。ネパール製。
テーマ「緑:サスティナビリティ」
■NATHALIE LAHDENMÄKI AND NAOTO NIIDOME
艶があって発色の良い内側の色と、艶のないグレイッシュな外側のコンビが美しいテーブルウエアのシリーズ。土こねから釉薬、仕上げまでハンドメイド。手仕上げと思えない薄いつくりとていねいな仕上げが魅力的。
■SAANA JA OLLI
欧州産ヘンプ100%のキャンバススーツケースMatkaaja。クッションやフロアピローに。中に毛布やマットを入れておけば、眠くなったら取り出してすぐに使える。
テーマ「灰色:デザインと産業」製品開発での戦略的ツールとしてのデザイン
■ROCLA
倉庫内で使われるため人目に触れる機会が少ないことが残念な、デザインが美しく、ハンドルの操作性がテレビゲームに似て機能的な倉庫用トラックRocla Rapid。
| 固定リンク
« モダンな面発光LEDシャンデリア【airLUCE】2010新製品発表&カクテルアワー・リポート | トップページ | EU発、最新のインテリアデザインが集結する展示・商談会「european design」2010 »
「次の暮らしのデザイン」カテゴリの記事
- 【リポート】“アフターコロナの新・未来年表” 解説とディスカッションのためのオンライン勉強会(無料)を開催しました!(2020.10.29)
- “アフターコロナの新・未来年表” 解説とディスカッションのためのオンライン勉強会(無料)参加者募集!(2020.10.02)
- “アフターコロナの新・未来年表” を公開。“未来デザイン・テレワークショップ” で未来の暮らしと社会をデザインしよう!(2020.07.21)
- 六本木と前橋。空間を越えて仕掛けられた2つの作品展を訪ね、1つの見方・考え方に囚われない自由を体感しよう!(2020.06.18)
- アーツ前橋で、廣瀬智央 “地球はレモンのように青い” 展を体験しよう!(2020.06.04)
コメント