太陽光発電の電力をこれまでの倍額で買取り。日本は再び世界トップの座を奪えるか。
(住宅用太陽電池:三菱電機 2009年3月ビッグサイトで行われた、太陽電池展にて)
photo + text: Kazuko TOMOYORI
住宅用の太陽光発電の電力買取り価格を引き上げる制度を11月から開始する、と二階俊博経済産業相が発表(8月25日配信 毎日新聞)。これまで、電力の売電と買電は同額でしたが、11月からは約2倍の1キロワット当たり48円で、10年間はこの金額が保証されるというものです。ヨーロッパの一部では、高い買い取り価格がすでに実施され、このような施策がドイツなどの太陽光発電普及を促進させたと見られています。ただし、この費用の負担増は電気利用者に上乗せされ、来年4月から電気の使用料金は値上げされます。つまり、パネルを設置しない層には負担が増える、ということに。
太陽光発電設置に係る補助金も今年から復活し、買い取り価格も上がれば、設置費用の償却もかなり早まることに。データを見ると、今年の太陽電池セル・モジュールの国内出荷量は増加し、対前年同期比182.5%。ただし、全体の約7割を占める輸出が減少しているため総出荷量は、対前年同期比109.9%に留まっています。(平成21年度第1四半期/社団法人太陽光発電協会:発表資料)今後も日本での設置量の増加が、期待されています。
新規参入も相次ぎ、HONDAの100%子会社である(株)ホンダソルテックは2007年から本格参入し、シリコンを使わないCIGS薄膜太陽電池で、低価格の電池を販売。屋根に載せてもおさまりの良いブラックフェイスも特徴の一つ。
生産量で世界トップクラスのシャープは、窓ガラスにも設置可能な薄膜シースルー太陽電池も。
三菱電機は、太陽光発電量をテレビで簡単にチェックできる、業界初のエコガイドTVユニットを今年から販売し大好評を得ている、とのこと。環境意識の高い購入者には、設置後も納得のいくフォローが大切。
2005年以来、太陽光発電における国別累積設置量でドイツにトップの座を奪われた日本。昨年はスペインに2位の座も譲り、現在は3位。補助金制度と買い取り価格の上昇が追い風となり、再びトップの座につくことができるでしょうか。
昨日の選挙で、政権交代も実現。環境対策には、ブレーキが掛かることのないよう願いたいものです。
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