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2009.06.29

2009 米作り体験ワークショップ リポート Part 6: 田んぼ環境ダイアグラム

illustration: Uta ISOBE
text: Motohiro SUGITA

田植えの後に再度田んぼのレベル調整(水深調整)を行った結果、ある程度均等に水も貯まり、田んぼのコンディションも安定してきました。
今回は、田んぼの環境変化とコンディション調整について、時間を追ってダイアグラムでご案内します。

01■水深の違いが発生(南北の地面の高低差が発覚)
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田植え後、田んぼ南側(図面上)の水深が浅く、給水口の土のう流出による水不足から、土の露出、乾燥が発生。

02■水深の浅い南側に雑草が繁茂
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南側に雑草が繁茂したのは、水深が浅く、雑草が呼吸しやすかったことが最大の理由と考えられる。また、水路から流し込んだ水の中に雑草の種子が多かった可能性もある。来シーズンは、給水口に適度な細かさのネットを被せてフィルターとし、雑草の種子をキャッチする実験を行いたい。

03■南北のレベル調整
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水深の浅い南側(図面上)から鍬で泥を掻き出して一週間ほど畦で乾かした後、一輪車で乾いた土を移動させ、水深が深く畦から水が溢れ出す北側の畦(図面右下)に盛って畦を高くした。これによって南側の水路から給水しても北側の畦から水が溢れ出すこともなくなり、南側の水深を深くすることができた。
本来レベル調整は田植え前、代掻きの際に行う。一般的にはトラクターで行うが、昔は田舟と呼ばれる舟で土を移動させた、とのこと。なお、建築作業用の舟でも、水を張った田んぼであれば、田んぼの上を滑らせることができるのではないか(?)。
来シーズンへの準備として、この田んぼでは、稲刈り後の乾いた田んぼで土を掘り出して再度レベル調整を行う予定。

04■想像以上の水温差

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南北のレベルを調整した後、南北2箇所の給水口から水を引き込んだ。すると、水量が豊富で水路から直接水を引き込む南側は、低温のまま(外気温31℃の日中、吸水口で18℃)。他方、水量の少ない手づくりダムから26mの塩ビパイプを通って引き込む北側は、塩ビパイプの中で多少水温も上がり、田んぼの水温も上がった(外気温31℃の日中、吸水口で20℃)。これは、北側の給水口近くに、溢れた水を排水する排水口を設けたため、給水口から流し込んだ冷たい水が、すぐに排水されることも影響している。
外気温31℃の晴れた日中、田んぼの中心では外気温と同じ31℃まで上昇。すると水温差は、最大13℃。
なお、稲は19℃以上で生長すると言われるため、南側吸水口近くの18℃は、水温不足、ということになる。来シーズンは、冷たい水を温めてから流し込むための小さなプールを設ける予定。

05■稲の生長にも明白な格差
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南北の温度差と正比例して、稲にも目に見える生長差が発生。水温の低い南側給水口直近では、田植えから稲の生長が止まったまま。他方、水温が高く水深も深い北側において、稲は栄養を十分に吸収して葉が肥え過ぎ、また、背が高く台風によって倒されることを心配するほどに生長した。

06■虫害の有無
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5月3日に田植えを行い、6月10日までは、ほぼ順調に生長していたが、3日後の6月13日になるとイネドロオイムシによる稲の葉の白化が拡大した。
白化したのは、水温が低く雑草の繁茂したエリア。イネドロオイムシは、山際の田んぼで早植え(梅雨前に田植え)を行い、5、6月に低温多雨な天気が続くと発生する。つまり、この田んぼの条件とピッタリ一致する。
その後、梅雨の合間に晴天の真夏日が二日続くと、稲の葉は青々と生長し、白化は収まった。殺虫剤を散布せず、有機無農薬を押し進めることにして正解だった。
同時に、農薬って何だろう?と考えさせられた。厳密には、虫害による減収など、影響があるのだろうか?

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