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2009.06.23

2009 米作り体験ワークショップ リポート Part 5: トラブル&困難&試練

photo: Kazuko TOMOYORI, Motohiro SUGITA
text: Motohiro SUGITA

■トラブル&困難&試練 その1:地面の乾燥
最初のトラブル&困難&試練は、田植えの後2週間後に起きた。
強雨の後、西側ならびに東側共に、U字溝から給水するための土のうが流され、地面の高い南側1/3ほどの土が乾いてしまった。乾いた地面の一部には、強い陽射しでひび割れが発生。反面、北側は土地が低く、水は深い。
やっぱりダメだったか、と落ち込む間もなく、新たな土のうを準備し、田んぼに水を引き込んだ。しかし、このまま水を貯めても、土地の低い北側の畦から水が漏れ、南側の水位は充分に上がらない。南側の土地を低くすると同時に北側の畦を高くしなければ問題は解決しない。
そこで、南側の土を鍬で掻き出して畦で乾かし、北側の低い畦に盛り上げ、南側の水位を上げても北側から漏れないように直した。同時に溢れた水を排水溝に流し込むための畦波板シートを2cm程高く細工した。土を上げて乾かして盛る。この一連の作業を1カ月ほど続けた。

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(●写真)土地が高く水深の浅い南側(写真上)から土を掻き出し、土地が低く水深の深い北側(写真下)の畦に土を盛った。これで北側(写真下)から水が溢れず、南側(写真上)にも水が貯まるようになった。

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(●写真)田んぼが乾かぬよう、常に水を流し込み続ける。畦波板シートの一部を切って排水口をつくり、溢れる水を塩ビパイプからU字溝へ排水。南側の水位を上げるため、畦波板シートの一部を2cm程高くした。

■トラブル&困難&試練 その2:雑草の繁茂

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(●写真)5月31日(日)に株間除草機で除草した株間は、2週間後の6月14日(日)には無惨にも水草のオアシスに。これが田んぼじゃなければ、日本画のようで美しいのに・・・。

休む間もなく次のトラブル&困難&試練がやって来た。水位が低く、一度乾燥してしまった南側の土地に雑草が繁茂し始めたのだ。雑草は水が少なく、呼吸しやすいところで育つ。早速、株間除草機や素手で田んぼ全体を一通り除草した。
安心したのもほんの束の間、株間除草機に効果はなく、再び雑草に襲われた。株間除草機は、小さな草の除草には有効だが、背の高い、つまり根の深い草の除草には無力なようだ。
途方に暮れてはいられない。一度に3株間(3列)を無心で除草。24株間(24列)の除草は、2日に亘って約8時間。これは田んぼ全体の約1/6。除草が必要な箇所の約1/3。残り約2/3は、また来週と再来週の2週間に亘って行う。


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(●写真)大きな雑草は竹籠に入れて畦へ。3株間(3列)で竹籠3杯を除草。除草後の小さな雑草は、田んぼに浮かせたままに。除草後の株間を通って畦まで往復しながら取り残した雑草を足で踏んで沈め、雑草の根を切った。

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(●写真)写真左半分は除草前、右半分は除草後。


■トラブル&困難&試練 その3:虫害による稲の白化

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(●写真)写真中央のイネドロオイムシと白化した稲の葉。虫は文字通りに泥を背負ったような姿で、潰すと泥のように広がる。

さらなるトラブル&困難&試練は、イネドロオイムシによる稲の葉の白化。
イネドロオイムシは稲の葉に寄生し、黒い泥を背負ったように見える粘着性の背中を持つ5mm程の虫。山際の田んぼで早植え(梅雨前に田植え)、5、6月が低温で雨が多いと発生しやすくなる。この田んぼは、イネドロオイムシ発生のすべて条件を満たしていた。
6月10日(水)の早朝に見回りに来た際には問題なかったが、3日後の16日(土)には田んぼの1/2の稲の葉が白くなってきた。関東地方の低温多雨な気象と、冷たい水を流し込み続けなければならない整地状態が災いしたようだ。

農薬(殺虫剤)を散布すべきか? 1年目は無農薬栽培の実験と割り切り、これ以上被害が広がらない事を祈り、収量減少を覚悟してこのまま黙って見過ごすか? 農薬が利く短い期間を逃さぬよう、早い決断が求められている。
JAに問合せると、「トレボン」という殺虫剤が有効と分った。
メーカーの三井化学アグロ社に尋ねると「一般的に農薬は、散布後絶対に排水路に排水してはいけないものです。(製品紹介サイトには、排水路の魚に悪影響、といった内容の記載があった)『トレボン粒状』は噴霧器が無くても、水を張った田に手で播けるので効率的。1反2kgが目安。人体には無害ですが、念のため散布後7日間は田んぼに入らないでください」とのこと。そして、近くのホームセンターで1700円台/2kgで販売していることまで調べた。

トラクターによる耕運と代掻きをお願いしたシルバー人材センターの東条さんが田んぼを訪ねて来てくれた。
「ドロオイムシが出ちゃったね! 今年は家の方でも出てるよ」と特に心配した様子はなかった。「心配なのは、穂が出た後のカメムシだね。カメムシが柔らかい稲穂の液を吸うと、痕が残って『斑点米』になり、売り物にならなくなるんだよね」とのこと。
イネドロオイムシについては、米の収量を減らしても味や見た目には影響無さそうだ。1週間経ってもさほど被害は拡大していないし、虫による葉の白化であれば、病気と考えず、怪我と考えることにした。「私が虫を潰すから、稲も怪我に負けない丈夫な身体になるよう頑張れ!」と自分と稲に言い聞かせた。
つまり、殺虫剤を使わず、有機無農薬による米作りを押し進めることにした。
カメムシ対策には木酢液でも播いてみるか? 穂が出るまでに準備しなければ! でも、木酢液って人間にもキツいんじゃないかな?・・・

・・・無農薬の米作りを決断した一週間後、梅雨の合間に30℃を超える晴天の真夏日が二日続いた。すると、稲の葉が青々と育ち、稲の怪我(葉の白化)が収まった。
太陽は偉大だ! そして同時に、農薬って何だろう?と考えさせられた。
農家によっては病気になる前に予め農薬を撒くそうだ。
エコロジーがエコノミーに結びつく米作りを実現できれば理想的だ。

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