2009 田植え体験ワークショップ リポート Part 2: 田植え体験記
photo: Kazuko TOMOYORI, Uta ISOBE
text: Uta ISOBE
5月3日、南房総にて、田植え体験ワークショップを開催しました。
天候にも恵まれ、気持ちのよい風が吹く、田植え日和のこの日、様々な世代の約30名が泥の感触を楽しみながら、力を合わせて田植えに挑戦。
東京から特急で1時間、田んぼのある里山に到着するとさっそく着替えを済ませ、田んぼに集合。地元シルバー人材センターの東条さんに植え方のレクチャーを受け、苗を受け取ったら、参加者は順番に恐る恐る田んぼへ入りました。泥に足を取られてしまうため、移動には細心の注意を払います。数日前の雨の影響もあってか、思っていたよりも深く、どこまでも沈んでいきそうで、最初こそ怖さを感じたものの、田植え用長靴の上から感じる泥の感触が少し温かく、なめらかでとても心地よく感じました。今回はススキの根や空き缶などで怪我をしないよう、田植え用長靴や靴下を履いて田んぼに入ったのですが、「できることなら裸足でこのまま泥に飛び込みたい!」という参加者もいたほどです。
東条さん(右)より、田植えの方法をレクチャーしてもらう。杭を打った所にロープを張って、1尺(30.3cm)ずつ移動させ、定規代わりに。何から何まで知らないことばかり。
お手本として最初の二列を植えてもらう。ロープの印に沿って植えれば、曲がらず均等に苗が植えられる。さすがプロ、あっという間に植え終えてしまった。
「北チーム」と「南チーム」に分かれ、背中合わせで田植えをスタート。田んぼの中央、二分するような形でロープを2本張り、それぞれを1尺(30.3cm)ずつ進行方向へ開くように移動させていきます。それぞれのロープには、7寸5分(22.725cm)間隔に細い紐で印がつけられていて、それに合わせて苗を植えると均等に植えられるという仕組み。苗を5本ほどつまむように持って、指の第二関節くらいまで泥に差し込んだら、完了です。
「こっち側、終わりましたー!」、「ロープを動かします。せーの!」チーム内で声をかけ合いながら、着々と進んでいきます。みなさん、徐々にコツをつかんできたのか、とてもよいテンポで進み、途中、休憩を挟んで、約2時間ですべて植え終わりました。「なんだか倒れちゃいそうだけど、ちゃんと立っているね」という声が聞こえてくるほど、一見、頼りない様子の苗たちですが、しっかりと泥の中に立っていたのが印象的でした。
北・南チームに分かれて、田植えスタート。泥に足をとられないよう気をつけて。
昔ながらの道具「田んぼの定規」を使って。7寸5分の間隔で印がついている。これなら狭い場所や少人数でもきれいに田植えができる。
田植えの後は、みなさんが持ち寄った食材での昼食。ひと仕事終えて、野外でとる食事は、清々しく格別なものになりました。そして、食事を楽しみながら、普段は、なかなか出会う機会のない様々な世代や職業の方々とふれあえた事は、この日の収穫の一つでもありました。
また、後で聞いた話では、この辺りは深田と呼ばれ、田んぼが深く、稲も深く根を張るため、誰もが認めるおいしいお米が穫れるのだそうです。この日植えた苗が、すくすくと育ち、無事に稲刈りを迎えて、おいしいお米が食べられるのか、これからの稲の生長が楽しみです。
一仕事終えた後の食事は格別。バーベキューをはじめ、パエリアやショートパスタなど豪勢な食卓を囲んで。
田植えの後も、野原を駆け回っていた、元気いっぱいの子供たち。マシュマロの炭火焼きが大人気。
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コメント
おつかれさまでした!
私自身、はじめての田植え体験で、始めはおっかなびっくりでしたが、泥の感触が気持ちよく、稲を植えていくことも楽しくて、苦手なカエルの登場に固まりつつも、思いっきり田植えを満喫しました。
毎日、自分たちが口にしているものが、どうやって作られているのか、日常生活の中では、知ることが難しいだけに、ほんの少しでも垣間見られて、そして触れられたことがとても貴重な経験になったと思います。
無事、秋においしいお米を収穫できるのを願いつつ、またみなさんにお会いできるのを楽しみにしています!
投稿: uta isobe | 2009.05.25 10:45
皆様 お疲れさまでした!
現在、苗は全般的にスクスクと育っています。
南側は地面が高く水が少ないため常時少量の雨水を給水口から入れているので水温が低く、成長が遅れています。北側はボサボサなくらい育っています。近いうちに写真をアップします。
田植えを体験したことのない人は「田植えなんてつまらない」と思うかも知れませんが、一度体験すると田んぼやお米について見方が変わって来ますよね! 何事も体験することが重要と思います。
農家の方々も田植えの楽しさ、達成感を忘れてしまっているのか、農業に対して手放しでポジティブになれないようです。そこで、みなさんのような都会の方々が積極的に田舎を訪ねられるような環境をつくることによって、都会も田舎も元気になれば、と願っています。
次は9月頃に稲刈りをイベントにする予定です。
なお、いつでも気軽に遊びに来てください。稲の成長を見るのは楽しいですよ!来たついでに草取りもお願い出来れば・・・。
投稿: motohiro sugita | 2009.05.21 11:47
田植え、とても楽しかったです。
間近で見たカエルがかわいかったこと、ミミズに背筋がブルっと震えたこと、そして、土があったかくて、やらかかったこと。
いつの間にやら遠ざかってしまった感覚を思い出し、いつの間にやら、子供を卒業していた自分を感じました。
ウェブマガジンを読むと、田植えに至るまでの歴史も垣間見れて、より一層、お米一粒の重みを感じます。
そして、改めて「お米の国に生まれてよかったーー」と思いました。
また、何かお手伝いできるのを楽しみにしています!!
投稿: chise masui | 2009.05.19 21:45
私事で早退したのにもかかわらず、駅まで送ってくださりご迷惑をおかけしました!!
米大好き人間なのに田植えに携わったのは初めてでしたが、とても田んぼの泥が気持ちよくみんなでする作業もたのしくて黙々と植えちゃいました。そのあとのBBQ(焼いてもらったのを食べるばかりで。。。:P)は格別でした!!
収穫がたのしみです♪
もしまたお手伝いありましたらいつでも声をかけれください!
投稿: ushijima rie | 2009.05.16 23:29
なぜか、筋肉痛にはなりませんでした。

でも、あの日は、家族全員があっという間に寝てしまいました。
貴重な体験させてもらって感謝してます
ありがとう
投稿: sho_mama | 2009.05.11 10:32