2009 ミラノサローネ vol.4 Salone del Mobileミラノサローネ国際家具見本市 レポート Part 1
photo & text: Motohiro SUGITA
2009 ミラノサローネ・レポート第4弾は、展示会場フィエラ・ミラノで開催されたSalone Internazionale del Mobile(通称Salone del Mobile)ミラノサローネ国際家具見本市に関するレポートのPart 1。
60周年記念展示を行ったKartell、ファッション・ブランドDIESELとのコラボレーションに止まらず新作ラッシュのMOROZOを筆頭に、例年以上に盛況な印象。反面、フィエラ・ミラノでの展示を止め、Fuori Salone(サローネの外=場外)の中心地トルトーナ地区での展示に踏み切ったPoltrona Frau Groupなど、時代の変わり目、新たな展開を予感させる兆候も見られた。
トランローグは、商談中心のフィエラ・ミラノにおいて成功するための展示作法と、ブランディング中心のFuori Saloneにおける展示の秘訣について、エクスナレッジ・ムック「iA(アイエー)10号」で11ページに亘って詳解しています。web magazine TRANLOGUEと併せてご笑覧ください。
住宅、インテリア関連企業の広報ご担当者様へ。新製品情報などニュース・リリースをお送りください! web magazine TRANLOGUEでのご案内を検討させていただきます。また、トランローグは、企業向けにミラノサローネ詳細レポートを作成しています。気軽にお問い合わせください。
トランローグのデザインによる面発光LED照明airLUCE(エアルーチェ)の新製品情報についてご案内していきます。お楽しみに!
トランローグは、「住環境ビジネスをデザインする」をテーマに、住環境関連の商品企画、展示会企画などのブランディングやプロモーションを行っています。気軽にお問い合わせください!
■X-Ray music and vintage treatments inspire the first collection
Successful Living from Diesel with Moroso
DieselとMOROSOは、モダンで高品質、他にはないデザインを求めるユーザー層をターゲットに、日常生活でリラックスできる、コンフォートな雰囲気の製品を共同開発。Creative DirectorはDieselのWilbert Das。
コレクションには2つの局面が共存している、とのこと。1つは、アグレッシブで怪しげな美意識のアンダーグラウンドにインスパイアされたダークな世界。もう1つは、柔らかく感じの良い自然素材や光にインスパイアされた明るい世界。
FOSCARINIとのコラボレーションで誕生した照明同様、ファッションブランドらしく大衆言語によってデザインされながら、既成概念に捕われない新鮮みのあるアイテムに仕上げられている。
Xraydio 3-Natura Morta(プレス用フォト)
■MOROZO
卓越したプロモーションならびにブランディング技術を持つMOROSO。今年も、樹木に見立てたパイプを多用した展示スタンドで魅せてくれた。近年のあまりにも巧みなプレゼンテーションに20年来のファンは、「昔はもっと地に足着いた製品開発を行っていたのに。いつからこんな会社に・・・」と落胆の溜め息を漏らす。しかし、今日のMOROZOこそが、インターナショナル・マーケティングをベースにバイヤーやユーザーのハートをキャッチするサクセス・メソッドを確立した国際企業、と書いても過言ではないだろう。
来場者はパイプの樹木の間を散策するように製品に触れることができる。写真を見ると、樹間で人々が立ち話をしている姿が散見される。通り過ぎるスタンドではなく、滞留するスタンドになっているようだ。
「やり過ぎ?」「いいえ、これがメディアをキャッチし、結果ユーザーの心に届くのです!」「!?」
ホワイトの床と木陰にホワイトなソファpaper cloudがパーフェクト・マッチング。今回の展示の一押しはpaper cloudかもしれない。
paper cloud(プレス用フォト)
shadowy armchair。キャッチーで、しかもカラーや素材、テクスチャの壷を押さえたデザイン。
■ARMANI/DADA (Molteni&C)
Molteni&Cスタンドのファサード。Dadaは、イタリア家具メーカー屈指のMolteni&Cグループの一員。DadaとARMANIのコラボレーションによるキッチンを紹介。
Calyx(プレス用フォト)。テーマは「見えないキッチン」。大型ドアでキッチンを隠すことによってインテリア・マッチングを実現する、というソリューション。
Bridge(プレス用フォト)。ネーミングのBridgeは「キッチン機能と、作業領域/動線という2つの重要な側面をつなぐ架け橋」という意味が込められている。
2008年は回転寿しのように椅子を回してみせたMAGIS。2009年は「原寸大ドールハウス」?。多くの来場者が、遠くから見え隠れするMAGISスタンドに無警戒で吸い込まれて行った。昨年は回転寿しの暖簾の奥に商談コーナ−を、今年はスタンド中心にレセプションと間仕切りで商談コーナ−を。毎度巧みなスタンド構成だ!
■Kartell
2009年のテーマは、”WHAT A WONDERFUL WORLD ! ”、そして60周年記念。2008年は素材とカラーを全面に押し出し、新作のラッシュで同社のマーケティング&プロモーション・パワーを世界に見せつけたKartellだが、今年は一転して回顧展。「ど派手な展示だけど、新作が少ないのが期待はずれ!」という声も聞こえてきた。しかし、毎年数多くの新作を発表し続けなければならないのだろうか? 「デザインによるイノベーションとは、既成概念を変質させること」と言われるが、既存自社商品を”WHAT A WONDERFUL WORLD ! ”のテーマの下に、立ち止まって一つ一つ再確認、再定義したKartellの取り組みは、決して後ろ向きではない、と考えたい。
スタンド内の商品とその意味を楽しく再定義してみせたインスタレーション。
GHOST BUSTER. Design Philippe Starck with Eugeni Quitllet. 2009年新作。(プレス用フォト)
Masters. Design Philippe Starck with Eugeni Quitllet. 2009年新作。スタンド内の商品とその意味を楽しく再定義してみせたインスタレーション。
DUNE。スタンド内の商品とその意味を楽しく再定義してみせたインスタレーション。
DUNE. Design Mario Bellini. 2009年新作。(プレス用フォト)
■driade
driadeスタンドのファサード。新作、従来商品、商談スペースが渾然一体に納められたカジュアルなスタンド構成。
Out_in_armchair_black_anthracite(プレス用フォト)
Out_in_high_easychair_black_anthracite(プレス用フォト)
■COR
流行色を巧みに取り入れたシステム・ソファKELPを発表したのは、ドイツの家具メーカーCOR。Poliformなど数社が同様のカラーで展開していたのが2009年トレンドの一つ。
■Vitra
Vitraスタンド内メインのインスタレーション、Vegetalチェア。インドア、アウトドア兼用。4年の開発期間を経て製品化されたオーガニックな構造は、20世紀の庭園の植栽からインスピレーションを得たそうだ。近年流行の「メッシュの座面」を新解釈で仕上げた洗練された秀作。
Vegetal – the universal chair with organic structure by Ronan & Erwan Bouroullec, 2008(プレス用フォト)
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