法規がコストと密接な関係
家づくりには、様々な法規が関係します。基本は建築基準法。この法律の大部分は、都市部のためにあるようなもの。建物が密集する都心では、近隣住民の安心と納得の上で暮らしが成り立つ必要があるからです。
ひとつは防火の問題。一軒の家が火事を出すと、近隣一帯が生命と財産の危機にさらされることになります。江戸時代の東京(江戸)は火事が多く、火事が出た家の隣近所は延焼を食い止めるために、打ち壊されたと聞いています。そういったことで建物の仕上げは、防火が基本になるわけです。そのために、昔ながらの板張りの仕上げや木製の建具などは姿を消し、代わりに燃えにくい新建材が多く使われるようになりました。このことは、火事の広がりを減らすことはできたかもしれませんが、家の中にも多くの新建材が使われて、シックハウスという病気まで、生み出してしまいました。最近では、木材に加工を施し、燃えにくい証明(防火認定)のついたものもありますが、割高であることに変わりありません。
もうひとつは、日照の問題です。ある一軒の家が日当りの良い家をと高い建物を建てたことで、隣の家には陽が当たらなくなったという問題がおこらないようにと、建築基準法では、
●建ぺい率・容積率●高さ制限●北側斜線規制●道路斜線など規制がたっぷりあります。それらについて詳しく書かれた本はたくさん出ていますので、一度は目を通しておきましょう。
防火の仕上げや斜線規制に関しては、敷地がたっぷりあって、建物を建てる位置が、隣地境界線から5メートル以上も取れる広さなら問題はないのですが、都心でその広さは難しいでしょうから、それについてはよこに置きます。
様々な斜線規制をクリアするために間取りは複雑になり、高さを抑えるために地下空間をもうけたり、とコストはかさばる一方。果ては境界線や境界壁を巡ってお隣さんとの関係はギクシャクして……。都心の家づくりは色々とコスト高なのです。
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