トランローグのウェブサイトへ移行しました

トランローグのweb magazineは、ウェブサイト Tranlogue Associates Inc. へ移行いたしました。
新しい記事は、こちらのホームページからご確認ください。

トランローグはデザイン、ワークショップ、メディアを通して次の暮らしをデザインします。
web magazine TRANLOGUEでは、インテリア関連の新製品プレス発表会や展示会の情報をお届けします。
また、南房総で行っている芝屋根(草屋根)の小屋のセルフビルドや野菜・米づくりなど、ワークショップの様子もリポートします。

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2022.04.20

最新の書籍情報は、トランローグの新しいウェブサイトでご確認ください

トランローグのweb magazineは、ウェブサイト Tranlogue Associates Inc. へ移行いたしました。
『パーマカルチャー菜園入門』における改訂情報など、最新の書籍情報は、こちらのホームページからご確認ください。

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2020.11.09

自然と生きる『パーマカルチャー菜園入門 第9版』改訂増刷と中国語版(簡体字)発行のお知らせ

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石油や原子力エネルギーに依存せず、自然エネルギーと生態系の活用をベースとする野菜づくりの本が『パーマカルチャー菜園入門』(JAグループ・家の光協会発行)。

おかげさまで2010年8月に発行以来、多くの読者にご支持いただき、10年で第9版を増刷することができました。

また、2020年8月には武漢の出版社から、中国語版(簡体字版|写真・上から2番目)も翻訳・出版されました。2013年には、台湾の出版社から中国語版(繁体字版|写真・上から3番目)が翻訳・出版され、その後さらに増刷されています。

中国において科学技術が集積された戦略都市、武漢から自然のしくみを生かす菜園と暮らしの本が出版された意義はとても大きいと思います。
歴史を遡ること100年余り前、アメリカの農学者 F. H. キングがパーマネント・アグリカルチャー(持続可能な農法)を求めて、日本、中国、朝鮮半島を調査したことを起源とするのがパーマカルチャー。その後、オーストラリアのビル・モリソンたちによって体系化(理論化・実践化)されました(★詳細は本書でご確認ください)。
100年の時を超え、東アジア諸国がさらに科学的知見を得て、自然のしくみを生かす技術やライフスタイルをリードすることに期待したいと思います。

コロナ禍の今、世界中で、これまで以上にたくさんの人が、パーマカルチャーな暮らしに向かっているようです。

再版に当たっては、巻末リストの次の連絡先を更新しました。第8版以前をお持ちの方は、第9版でご確認ください。

【パーマカルチャー関連団体】
・NPO法人 パーマカルチャーネットワーク九州
・NPO法人 沖縄パーマカルチャーネットワーク(OPeN)
・安曇野パーマカルチャー塾
・舎爐夢(シャロム)ヒュッテ
・富士エコパークビレッヂ
・レインボーファミリー農園

是非一度、書店で手に取ってご覧ください。
書籍の詳細


関連記事:ワークショップ Workshop 01 米作り/家庭菜園 パーマカルチャー

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2020.10.29

【リポート】“アフターコロナの新・未来年表” 解説とディスカッションのためのオンライン勉強会(無料)を開催しました!

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photo, text: Tranlogue Associates

デザイン、ワークショップ、メディアを通して次の暮らしをデザインするトランローグは、去る10月21日(水)、トランローグが作成した“アフターコロナの新・未来年表”をもとに、オンラインによる勉強会(無料)を開催しました。

“アフターコロナの新・未来年表”は、政府、官公庁、民間シンクタンクが公表している未来計画、未来予測などを参考に、同社独自の考察を加えてまとめられた資料です。

このオンライン勉強会は、さまざまな業種・職種の参加者との意見交換を通して、今と未来に対する認識を共有し、知見を深めることを目的としています。

当日は、トランローグによる“アフターコロナの新・未来年表”を用いたトレンドの解説、3名の専門家によるスピーチと続き、最後は約20名の参加者で、意見交換を行いました。

今回ご参加いただいたのは、自治体、商工会議所、大学、調査、経営コンサルティング、通信、放送、イベント、観光、ICT、石油化学、エネルギー、製造、デザイン、イラストなど、全国各地のさまざまな業種・職種の方々。
オンラインならではのメリットを活かせた勉強会になりました。

終了後には、参加者の皆さまからいただいたコメントをリポートにまとめ、情報共有しました。

また、オンライン勉強会をきっかけに、参加者同士の、未来に向けたコラボレーションも始まったと知り、オンラインであっても、今ほど直接的な情報交換が重要な時期はない、と痛感しています。

トランローグでは、今後もオンライン勉強会を開催してまいります。
また、ご要望いただきましたら、特定の企業・団体に限定したオンライン勉強会も開催いたします。

皆さまのご参加を心よりお待ちいたしております。

“アフターコロナの新・未来年表(無料)”のダウンロードと、オンライン勉強会の詳細については、こちらの記事からご確認ください。
\\\現在、内容を更新した最新版を公開しています。詳しくはこちら///

年表ならびにオンライン勉強会のお問い合わせ
contact★tranlogue.jp
前記アドレスの★印を@に変えて、メールでお問い合わせください。

はじめに、トランローグ代表・杉田より未来年表について解説しました。
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▲今後予定している、特定の分野に絞り込んで “未来コンセプトとアイデアを見える化するデザイン思考” についても予告・説明しました。
 デザイン思考は、検討の叩き台となるプロトタイプを提示する活動です。ご期待ください!

大村健太郎氏(NTT東日本 経営企画部 営業戦略推進室 担当部長)より、通信の今と未来について、スピーチいただきました。
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竹森利郁氏(丸善石油化学株式会社 研究所長 工学博士)より、石油化学とエネルギーの未来についてスピーチいただきました。
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内川毅氏(昌和プラスチック工業株式会社 代表取締役/千葉県茂原商工会議所工業部会長/千葉県ものづくり企業商品開発推進協議会〔ぼうそうものづくりネット〕専務理事)より、ものづくりの現場の今と未来についてスピーチいただきました。
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最後は、参加者全員でディスカッションしました。
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テレワークショップ終了後、コロナ禍で変化した今と未来について、参加者全員でディスカッションした内容をリポートにまとめ、情報共有しました。「望まれる未来が見えてきた」といった好評もいただいています。

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▲スピーチやディスカッションでは、次のようなテーマについて話し合われました。
◎変化する価値観
◎地球温暖化や廃プラ問題への、加速する国内外の取り組み
◎ユースケースを積み上げ、成果を上げはじめたDX
◎新しい製造モデル
◎地方への移住ニーズに対応しきれない地方
◎リモートが個人の自由度を向上し、地域社会を活性化する可能性
◎その他

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2020.10.02

“アフターコロナの新・未来年表” 解説とディスカッションのためのオンライン勉強会(無料)参加者募集!

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Research & Design: Tranlogue Associates Inc.
Copyright: Tranlogue Associates Inc.


\\\さまざまな立場の参加者と、今を語り、未来を俯瞰しよう///

デザイン、ワークショップ、メディアを通して次の暮らしをデザインするトランローグは、“アフターコロナの新・未来年表” を作成しました。
“アフターコロナの新・未来年表”は、政府、官公庁、民間シンクタンクが公表している未来計画、未来予測などを参考に、同社独自の考察を加えてまとめられた資料です。

この度、“アフターコロナの新・未来年表” の見方やトレンドについて解説するとともに、さまざまな業界・職種の参加者との意見交換を通して、今と未来に対する認識を共有し、知見を深めることを目的とした、テレ会議方式による勉強会(無料)を開催いたします。

開催概要は、下記の通りです。
この機会に是非ご参加いただきますよう、ご案内いたします。

また、ご要望いただきましたら特定の企業・団体に限定したオンライン勉強会も開催いたします。

ご要望、ご質問があれば、遠慮なくお問い合わせください。


“アフターコロナの新・未来年表” は、こちらのページでアンケートに答え、ダウンロードしてください。無料でご利用いただけます。
\\\現在、内容を更新した最新版を公開しています。詳しくはこちら///


下記のオンライン勉強会は終了しています。リポートをこちらの記事に掲載していますので、ぜひご覧ください。
オンライン勉強会は、今後も開催いたします。是非、次回ご参加ください。心よりお待ちしております。
次回開催情報は、本サイトでお知らせいたします。また、お問い合わせも受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。

お問い合わせ
contact☆tranlogue.jp の☆印を@に変えて、メールでお問い合わせください。

▼オンライン勉強会 概要
主催
 トランローグ有限会社
開催日時
 2020年10月21日(水)
  ▶15: 15 -
   ★入場受付開始。15: 30までに受付を完了できるよう、ご協力ください。
  ▶15: 30 - 16: 00(30分間)
   トランローグ代表・杉田基博より未来年表について解説します。
  ▶16: 00 - 16: 30(30分間)
   ▶︎大村健太郎氏(NTT東日本 経営企画部 営業戦略推進室 担当部長)より、通信の今と未来について。
▶︎竹森利郁氏(丸善石油化学株式会社 研究所長 工学博士)より、石油化学とエネルギーの未来について。
▶︎内川毅氏(昌和プラスチック工業株式会社 代表取締役 千葉県茂原商工会議所工業部会長 千葉県ものづくり企業商品開発推進協議会(ぼうそうものづくりネット)専務理事)より、ものづくりの現場の今と未来についてスピーチいただきます。
  ▶16: 30 - 17: 00(30分間)
参加者全員によるディスカッション
会議ツール
 Microsoft Teams
参加ルールとお願い
 ◎オープンなディスカッションを通して話し合われた内容は、参加者全員で共有します。
 ◎他の参加者を誹謗中傷するなど、会を妨害する方は、参加いただけません。
 ◎意見交換を目的としているため、お名前(苗字)と所属(会社・団体等)を表記いただき、カメラをオンにし、お顔を表示していただきます。不都合があれば、ご相談ください。
 ◎当日は、記録のため録画させていただきます。一切公表いたしませんが、不都合があれば、ご相談ください。
 ◎テレワークショップ終了後、アンケートにご協力ください。
お申し込み・お問い合わせ
 お名前(苗字)と所属(会社・団体等)を記載の上、contact☆tranlogue.jp の☆印を@に変えて、メールでお申し込みください。参加お申し込みをいただきましたら、テレワークショップに参加いただく方法を、メールでご案内します。
お申し込み期限
 2020年10月19日(月)
★オンライン勉強会の内容は、予告なく変更する場合があります。予めご了承ください。
【個人情報の取り扱いについて】
お預かりした個人情報は、当社からの連絡や業務のご案内、ご質問に対する回答として、電子メールや資料の送付に利用いたします。

※プライバシーポリシーについての詳細はこちらからご確認ください。

 

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2020.08.03

稲刈り体験&キャンプ〜こども宅食向け稲刈りサポーター募集〜




トランローグ有限会社は、2009年から房総の工房前の田んぼで、“米づくりワークショップ(米づくり体験)”を開催してきました。
“無農薬+100%有機肥料+天水+湧き水+手作業+天日干し”による米づくり”です。

今年も、東京都文京区のこども宅食向けに寄付する米の収穫をお手伝いいただけるサポーターを募集します。

毎年、多くの方々に集まっていただき、稲刈りを行ってきましたが、今年は密を避けて、8月15日(土)から9月22日(火)まで、毎日少しずつ刈ることにしました。
毎回数組に限定し、稲刈りをお手伝いいただける方を募集します。

作業時間は、午前中、または夕方の2時間程度(ご希望により、体力と相談の上、延長可能)。まかない食・1食付きです。
基本的に車でお越しいただきますが、電車で来られる方は上総一ノ宮駅まで送迎いたします。

参加希望の方は、希望日、希望時間をいくつかお知らせください。


記)

主 催 :トランローグ有限会社

協 力 :一般社団法人 里山ソーシャルデザイン

開催場所:千葉県睦沢町岩井

日 時 :2020年8月15日(土)〜9月22日(火)まで【要予約】(刈取り次第終了)

料 金 :大人    2,000円(まかない食・1食付き)+300円(保険代)
     小学生以下 1,000円(まかない食・1食付き)+300円(保険代)

宿 泊 :テント持ち込み3,000円(キャンプサイト使用料)
     テントレンタル8,000円(キャンプサイト使用料込み)
     日帰りでもOK
     ※テントは家族だけで共用してください。
以上)

過去の稲刈り&収穫祭の様子は、次のページでご覧いただけます。
(第8回は、台風被害のため中止。代わりに“2016年・里山薪ストーブカンファレンス”を開催し、持続可能な米づくりワークショップについて話し合いました)

2019年(第11回) 2018年(10周年記念・ダイジェストはじめての演劇祭小さな小さな屋台村収穫祭稲刈りワークショップ)2017年(第9回)2016年(第8回)2015年(第7回)2014年(第6回)2013年(第5回)2012年(第4回)2011年(第3回)2010年(第2回)2009年(第1回)その1 その2  その3

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2020.07.21

“アフターコロナの新・未来年表” を公開。“未来デザイン・テレワークショップ” で未来の暮らしと社会をデザインしよう!


\\\現在、内容を更新した最新版を公開しています。詳しくはこちら///

 

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Research & Design: Tranlogue Associates Inc.
Copyright: Tranlogue Associates Inc.



“アフターコロナの新・未来年表(無料)” をダウンロードして活用しよう!

デザイン、ワークショップ、メディアを通して次の暮らしをデザインするトランローグは、“アフターコロナの新・未来年表” を作成しました。
“アフターコロナの新・未来年表”は、政府、官公庁、民間シンクタンクが公表している未来計画、未来予測などを参考に、同社独自の考察を加えてまとめられた資料です。

本年表は、次の3つで構成されています。
また、年代は、2025年までの短期、2025〜2030までの中期、2031年以降の長期の3つに区分しています。
1)B.C.未来年表=新型コロナ流行以前に公表されていた未来計画・未来予測
2)コロナ禍が未来・未来年表に与える影響(例)
3)A.C.未来年表=新型コロナ流行以降に公表された未来計画・未来予測


年表利用上のご注意

本年表に掲載されている内容は、変更される可能性があります。本年表が予測する未来と現実との相違によって、本年表の利用者が損害を被った場合など、一切補償はいたしかねます。
また、本年表を販売目的で使用することを禁止します。


年表利用上のご注意に同意し、アンケートに答え、年表をダウンロードしてください!

前記 “年表利用上のご注意” について同意いただいた上で、次のリンクから、アンケートにお答えください。
アンケート回答後に資料ダウンロードのURLをご案内します。

▶ここから、アンケートにお答えください。
無料でご利用いただけます。
\\\現在、内容を更新した最新版を公開しています。詳しくはこちら///


オンライン勉強会(無料/有料)の参加者を募集します!

【無料】“アフターコロナの新・未来年表”テレワークショップ
トランローグでは、“アフターコロナの新・未来年表” の解説と専門家のスピーチ、参加者によるディスカッションのためのオンライン勉強会(無料)を開催しています。
幅広い業種・職種の方にご参加いただき、コロナ禍の今と未来に対する認識を共有し、知見を深めることを目的としています。
開催日時、内容などについては、別途、本サイト内とメールでご案内します。

2020年10月に開催したオンライン勉強会のリポートをこちらの記事に掲載しています。ぜひご覧ください。
オンライン勉強会は、今後も開催いたします。是非、次回ご参加ください。心よりお待ちしております。

【有料】“未来デザイン・テレワークショップ”
特定の分野に特化して調査研究しながら、独自の未来年表を作成し、さらに具体的な未来の暮らしや社会をデザイン(アイデアをビジュアル化)する オンライン勉強会(有料)を開催しています。
基本的に参加者を限定せず、幅広い業種・職種の方に参加いただきますが、参加者を1つの企業、団体等に限定するなど、参加者の要望にもお応えします。
主催者から未来デザインのプロトタイプについて説明し、参加者との間でディスカッションすることからスタートしますが、参加者の要望に応じてプログラムをカスタマイズします。
【無料/有料】2つのオンライン勉強会は、基本的に Microsoft Teams を利用し、テレ会議方式で行います。
テレ会議ツールを指定したい場合は、ご相談ください。
また、開催日時、内容、参加費用などについては、別途、下記アドレス宛にメールでお問い合わせください。

年表ならびにオンライン勉強会のお問い合わせ
contact★tranlogue.jp
前記アドレスの★印を@に変えて、メールでお問い合わせください。

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2020.06.18

六本木と前橋。空間を越えて仕掛けられた2つの作品展を訪ね、1つの見方・考え方に囚われない自由を体感しよう!

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Photo, Movie, Text: Sugita Motohiro + Tranlogue Associates Inc.


現代美術作家の廣瀬智央さんがイタリアへ渡って29年。小山登美夫ギャラリー(六本木)では “奇妙な循環”展が開催されています。
同時に、アーツ前橋では大規模な回顧展 “地球はレモンのように青い”展が開催されています。


メディアを通して次の暮らしをデザインするトランローグは、小山登美夫ギャラリーとアーツ前橋、2つの展覧会を訪ねました。
2つの作品展は、一見異なるイメージや思想に感じられますが、実はすべてがつながっているようです。

ここでは、小山登美夫ギャラリー(六本木)で開催中の “奇妙な循環”展についてリポートします。


“奇妙な循環”とは、始まりと終わりが繋がってしまうようなパラドックスの世界や、真とも偽とも言えない決定不可能な、具体的ではない、とらえどころのない世界観をイメージしているのだとか。
なお、 “地球はレモンのように青い”展のテーマは両義性。相反する二つの意味を持つ事柄や、対立する二つの解釈が成り立つ事柄なのだそう。

異質な作品同士がつながり、さらに、空間を越えて2つの展覧会がつながる。
日常的なものや事柄を、先入観なく新しい視点で再認識・再構築していく、廣瀬さんのアートワークの真骨頂と言えそうです。

六本木と前橋の会場を訪ね、知らず知らずのうちに染み付いた文化の呪縛から逃れ、境界を飛び越える自由な精神を体感しよう!


“奇妙な循環” 展
会期   2020年6月5日(金)〜7月4日(土)
開館時間 11: 00〜19: 00
休館日  日・月・祝日
会場   小山登美夫ギャラリー
     東京都港区六本木6-5-24 complex665 2F
    (東京メトロ日比谷線・六本木駅1b出口近く)
入場無料

“奇妙な循環”展 小山登美夫ギャラリー(六本木)の詳細はこちらから

“地球はレモンのように青い”展 アーツ前橋の詳細はこちらから
▲廣瀬さんへのインタビュー動画も、お楽しみいただけます!



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無題(五芒星) 2020 鹿の頭蓋骨、蜜蝋、本金箔、洋金箔、糸、豆 サイズ可変
 空間の中央に鹿の頭蓋骨を置き、糸と豆を使い、空間いっぱいに五芒星(ごぼうせい)と呼ばれる星形を描いたインスタレーション。五芒星は、古代の哲学者によって、神秘的で知的な創造のシンボルとして採用され、また、構成される各線分同士が黄金比になることで知られているそう。廣瀬さんは、岩石などの無機物では再現されない五角形の幾何学パタンが、生物学的なシステムでのみ、自然界で再現される点に注目しているようです。


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世界はあなたのもの 1992/ 2020 白黒プリント 20.0×30.0cm Unique
 廣瀬さんがイタリアに渡って2年目、1992年のカラープリントをトリミングして白黒プリントしたもの。当時の、未来や世界に対する彼の希望や思想が、みずみずしく蘇る作品です。


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無題 2020
 紙にトレーシングペーパーを重ねたドローイング・シリーズの1点。幾重にも重なる薄い層の色や線が、4次元的な視覚効果を生み出します。




無題 2015/ 2020 カーテン、観葉植物、扇風機 サイズ可変
 カーテン、観葉植物で構成されたインスタレーション。朝夕の光を想わせるピンク色のカーテン越しに見る南洋風植物のシルエット。風に揺れるカーテンの隙間から垣間見られるリアルで生々しい植物。視覚を遮る薄い幕と風がつくり出す、瞬間的に実像と虚像がスイッチする感覚が心地良い作品。見えそうで見えない。見えなさそうで見える、という両義的な状況をつくり出しているのだそう。


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無題(奇妙な循環) 2020 セメント、鉄、本金箔、洋金箔 h.101.0×w.5.0×d.5.0/ h.90.0×w.5.0×d.5.0cm
 セメント製の柱の切断面に金箔が施された作品。切断面は始まりであり、終わりでもあり、凸凹の断面同士はつながり、連続していくのだとか。果てしない循環を想う快楽って、確かにあります。


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無題(宇宙の原理) 2020 石膏、本金箔、洋金箔 h.8.0×w.23.5×d.23.5cm
 全体と部分が同じ形になるフラクタル形態のつぼみが特徴の、カリフラワーに似たイタリア野菜のロマネスコを型取り、合成漆に洋金箔、本金箔で仕上げた彫刻作品。例えば、中心で金色に輝く大きな構造と、中心も周囲も含めて、中・小さまざまな構造が同じ形を繰り返している様子が再現されています。自己相似の不思議さに、目も心も吸い込まれていきます。ロマネスコをアート作品にしたから面白いのか?、そもそもロマネスコがアートなのか・・・大切なのは、ものの見方と表現力のようです。


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無題(島) 2008 アクリル塗料 h.3.0×w.15.0×d.15cm
 円筒形の缶に、アクリル塗料を入れて型取り、乾燥させた作品。缶の底に接するアクリル塗料の面に現れた模様が、島のようにも見えるとか。ペインティングとは異なり、自動的に、より自然な方法で生成された景色を好むのは、日本人ばかりではないでしょう。


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無題(ブルーペインティング) 2020 キャンパスにアクリルカラー 30.0×24.0cm
 空のようにも、雲のようにも、空気のようにも見えるように。また、絵画の塗膜を支える面を構成する物を、支持体あるいは基底材と呼ぶそうですが、“無題(ブルーペインティング)”は、絵画でもあり、支持体そのものでもあるような曖昧な存在として想定されているようです。29年間、空の写真を撮り続けている廣瀬さんが今年、この作品を制作されたことは、とても興味深い。


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無題 2019 豆、木、18Kゴールド、K9クリスタル h.4.0×w.14.6×d.14.6cm
 貧しさの象徴とされることもあるそうですが、豆はとても美味しく心豊かにしてくれます。廣瀬さんが長年取り組んでいる素材であり、彼の分身とも言われているのだとか。アクリルの6面体に豆などを封入した“ビーンズコスモス”とは異なり、本作品は、より多くの面にカットされた高純度の9Kクリスタルを採用しており、見る角度によってさまざまに変化する表情は、正に彼のテーマとする両義性や多様性を際立たせているようです。


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無題 1992/ 2020 木枠に布 3点組:h.39.3×w.125.3×d.3.0cm 5点組:h.36.4×w.301.5×d.3.8cm
 木枠に2種類の布を重ねて張った作品。前出のカーテンのインスタレーション(動画をご覧ください)と同様に、見えそうで見えない繊細な状況をつくり出しているのだとか。今回、カーテンの作品と呼応させるため、1991年に制作された作品を新たな木枠に張り替え、29年間の隔たりと現在を内包させているのだそう。軽妙で深〜い、廣瀬さんならではの作品と言えそうです。



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2020.06.04

アーツ前橋で、廣瀬智央 “地球はレモンのように青い” 展を体験しよう!

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ブルーボックス 2005 ミクストメディア 作家蔵

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Photo, Movie, Text: Sugita Motohiro + Tranlogue Associates Inc.



1991年にイタリアへ渡って29年。さまざまな表現を駆使しながら、身の回りのものの新しい見方を提示してきた廣瀬智央(ひろせさとし)さんの、大規模な回顧展が開催されています。
テーマは両義性。相反する二つの意味を持つ事柄や、対立する二つの解釈が成り立つ事柄なのだそう。

メディアを通して次の暮らしをデザインするトランローグは、会場に廣瀬さんを訪ね、貧しさと豊かさ、天然と人工、アイデンティティと多様性などについて考えながら、見て・触れて・味わって、話を聞きました。

現実の空間や社会と一緒に展開し、完成されていく廣瀬さんの作品は、自分自身にも社会に対しても、とても肯定的で心地良く、“次の暮らしは、ものの見方、心のあり方ひとつで変えられる!”と前向きな気持ちにしてくれます。



会期   2020年6月1日(月)〜7月26日(日)48日間
開館時間 10: 00〜18: 00(入場17: 30まで)
休館日  水曜日
会場   アーツ前橋(JR前橋駅から徒歩10分)
主催   アーツ前橋
協賛   株式会社資生堂 株式会社原田・ガトーフェスタハラダ
助成   公益財団法人朝日新聞文化財団
     公益財団法人アサヒグループ芸術文化財団
協力   ウンベルト・ディ・マリーノ・ギャラリー AGC株式会社
     株式会社アート 株式会社虎変堂
     株式会社ユニオン 桐生大学短期大学部アート・デザイン科
     小山登美夫ギャラリー 高砂香料工業株式会社
     横浜ディスプレイミュージアム
後援   イタリア大使館 上毛新聞 群馬テレビ FM GUNMA
     まえばしCITYエフエム 前橋商工会議所

詳しくはこちらから

同時開催中の “奇妙な循環”展 小山登美夫ギャラリー(六本木)の詳細はこちらから



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廣瀬さんの作品を鑑賞・体験するキーワードの1つが、旅。

イタリアやペルシャ(イラン)、その他さまざまな国や地域を移動することで発見した文化の違いや共通点は彼に、創作の視点、思考のきっかけを与えているようです。
身に染み付いた文化の呪縛から逃れ、境界を飛び越える自由な精神は、多様で複雑な物事の関係性を再認識・再構築していく上で、とても重要なのだとか。
世界は多様で複雑、変化するから面白い。そんな思いに溢れている廣瀬さんの作品を、会場に足を運んで体験しましょう!

このリポートでは、数多くの展示作品のなかから、一部を紹介しています。
下記の【動画】では、感覚的な体験、貧しさと豊かさ、物事は関係性によって成り立つこと、個人のアイデンティティと社会的共生などについて、廣瀬さんに語っていただきました。


リポートをご覧いただき、実際に会場を訪ね、圧巻の回顧展をお楽しみください!




1997年に銀座・資生堂のギャラリーで発表され伝説となった“レモンプロジェクト”を、さらにスケールアップして再現された展示を見ながら、“臭覚や味覚といった感覚的な体験の、精神的な豊かさ”などについて語っていただきました。




“マーレ・ロッソ”や“無題(豆の神話学)”などを見ながら、“人が関わって作品が完成する。物事は関係性によって成り立つこと”、“貧しさと豊かさ”などについて語っていただきました。




“家シリーズ”などを見ながら、“個人のアイデンティティと社会的共生”などについて語っていただきました。



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アルレッキーノ 1998 布、釣り糸 パオロ・サボーナ・コレクション
 イタリアでは、3色の3角形の小布を見れば、道化のアルレッキーノを連想するそう。展示会の入り口に吊るされた作品は、これから始まる廣瀬ワールドへと誘います。


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地球はオレンジの実のように青い 2017(2008) モノクロプリント 作家蔵
 タイトルは、詩人ポール・エリュアール(1895-1952)の詩からの引用。ガガーリンが地球の青さを発見する以前から、詩人は地球の青さを空想していたのか・・・今回の展覧会のタイトルのきっかけとなったそう。


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無題 2020 紙、テープ、埃、木、ビニール 作家蔵
 展覧会の準備中に出たゴミも作品になっているとか。視点を変えると、無用と思われているものも、必要で美しいものに見える。廣瀬さんが旅や人生から得た、自由な精神の強さと楽しさが伝わってきます。


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無題 1997 テラコッタ粘土、釣り糸、カテライト 作家蔵


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無題(豆の神話学) 2008 豆、アクリル樹脂、大理石 作家蔵
▲前出の【動画】で、廣瀬さんへのインタビューをお楽しみください!


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ワールド・マップ 1991 地図 個人蔵
無題(セルフポートレート) 1991 カラープリント 個人蔵


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無題 1992 紙箱、ゴムボール、プラスチック、大豆、アルミニウム、紙、色 個人蔵


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無題 1992 テラコッタ、色、鉛筆、地図 Sugita Motohiro蔵


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無題 1992 ダンボールにペイント 個人蔵


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無題(タマ) 2015 (1992-2015) 紙 作家蔵


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レモンプロジェックト03 1997 (2020) レモン、ガラス、ステンレス、ペイント、エッセンシャルオイル 作家蔵
 ザ・ギンザ・アートスペースでの初めての展示から23年。今回は、展示されたレモンを石鹸や紙に再生する新たな取り組みが加わっているそう。現実の空間や社会の中で継続し、循環する、廣瀬作品の真骨頂といえそうです。
▲前出の【動画】で、廣瀬さんへのインタビューをお楽しみください!


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ある夜の旅 2020 ピュアピグメントプリント、アルポリックにマウント 作家蔵


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瞑想の庭 208 苔、土、電球、プレート、ワイヤー、電線 作家蔵


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蜜蝋の家 2003 木、ワイヤー、鉄、蜜蝋、ガラス、梯子、蜂の巣 作家蔵
 人間偏重主義に疑問を感じ、ものの家があってもいい、と想定してつくられたシリーズだそう。廣瀬さんの作品の強みは、鑑賞者が彼の考え方を理解する以前に、作品の愛らしさ、面白さ、美しさへの共感を獲得してしまうことではないでしょうか。なるほど、そういう考えなのね、とじわっと納得させられていくよう。
▲前出の【動画】で、廣瀬さんへのインタビューをお楽しみください!


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ペペロンチーノの家(レッド、グリーン、イエロー) 2004 木材、ガラス、アルミニウム、塗料、赤唐辛子 作家蔵
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「私は家を建てた」シリーズ 1995-2004 幣 森司蔵
▲前出の【動画】で、廣瀬さんへのインタビューをお楽しみください!


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「私は家を建てた」シリーズ 1995-1998 幣 個人蔵


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ペペロンチーノの家 2004 アルミ製ポータブルバック、ガラス、唐辛子、木 作家蔵
ローズマリーの家 2004 アルミ製ポータブルバック、ガラス、ローズマリー、木 作家蔵
ターメリックの家 2004 アルミ製ポータブルバック、ガラス、ターメリック、木 作家蔵
▲前出の【動画】で、廣瀬さんへのインタビューをお楽しみください!


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島:9年目の存在 2011-2020 ミクストメディア 作家蔵
▲前出の【動画】で、廣瀬さんへのインタビューをお楽しみください!


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無題(ギャラクシーストーン) 1995 石、蜜蝋、洋金箔、本金箔 作家蔵


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フォレストボール(写真上) 2020 造花、木、結束バンド、スチール、金具、ワイヤー 作家蔵
ビーンズコスモス(タマ)(写真下) 2017 アクリル樹脂、造花、豆、金、ダイヤモンド、プラスチック 作家蔵


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ウェルトゥムヌス 2008 ベルファスト産黒石 花、水、木 作家蔵
 花、水、石。ある種の緊張感をもって共存する、3者の関係をミニマルに表現しているよう。


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マーレ・ロッソ(ノット-ホール)/A.P.0.プロジェクト 1998 ペルシャ・ギャッベ 作家蔵
 ペルシャ(イラン)のカシュガイ族と交渉を重ね、羊毛を草木染めして手織りされたギャッベ。遊牧民が人と出会うと絨毯の上で語らう、という文化から着想を得た作品は、鑑賞者が加わることで完成するそう。
▲前出の【動画】で、廣瀬さんへのインタビューをお楽しみください!


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ヴィアッジョ 2001-2016 ラムダプリント、アルポリック、アクリル、ポラロイド アーツ前橋蔵
 廣瀬さんがイタリアに渡った1991年から続く、空だけを撮影した作品。旅先だからこそ出合える空。いつどこの空を見ても動かされる心。捉えきれない移ろいゆく表情への好奇心は尽きません。この作品は、下記の作品“空のプロジェクト「遠い空、近い空」”へと続いていきました。


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空のプロジェクト「遠い空、近い空」 2012-2013 ミクストメディア アーツ前橋蔵
 前橋市内にある母子生活支援施設「のぞみの家」の子どもたちと、空の写真を送り合う「空の交換日記」がおこなわれました。さらに、2035年までの19年間、タイムカプセルプロジェクトが継続中だそう。



アートは、こんなに身近で、こんなにポジティブなんだ!
アーツ前橋で、1日かけて、ゆっくりご体験ください!



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2020.05.13

“AnyTokyo2019 Crazy Futures/ かもしれない未来” で見つけた次の暮らしのデザイン

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photo & text: Motohiro SUGITA + Tranlogue Associates


新型コロナウイルスに感染された方とご家族には、慎んでお見舞い申し上げます。
また、医療関係者ならびにエッセンシャルワーカーの皆さまには、心より感謝申し上げます。

2019年11年16日(土)〜24日(日)、Kudan houseにて、“AnyTokyo2019 Crazy Futures/ かもしれない未来” が開催されました。

「新たな分野を切り開こうとする芸術・文化・先端技術が集結するクリエイティブ・フェスティバル」と題された同展は、アーティスト、デザイナー、編集者、事業家などが集まり、実験的、先鋭的な作品やトークイベントを通して、新しい何か、新たな価値・・・この先にある未来をキャッチし、ビジネスモデルの創出や社会課題の解決につなげようという試み。
主催は、AnyTokyo実行委員会ならびに株式会社AnyProjects。

不可解でクレイジーに見えるものに未来が宿る。そんな直観に溢れる場づくりに大きく貢献しているのが、会場となった “kudan house(旧山口萬吉邸)”。
1927年に建てられた地下1階地上3階の邸宅で、2018年に国の有形文化財に登録。
その後、東京急行電鉄、竹中工務店、東邦レオが3社共同でマスターリース(一括借上げ)し、保存活用プロジェクトの一環として、会員制のビジネスイノベーション拠点にコンバージョンしています。
和室やダンスホールとして設計された居室、日本庭園など、和洋折衷のスペイン式洋館は、AnyTokyoのコンセプトやイメージにぴったり。

4年ぶりの開催とのことですが、2015年には「Diversity & Beauty / 美しき多様性」をテーマに芝・増上寺にて開催。特許庁主催・日中韓デザインフォーラムも同時開催。2014年には「Next Field/ 新たな場所」をテーマに、芝・増上寺にて開催。2013年には「New Vector/ 新たなベクトル」をテーマに、青山シーアイプラザにて開催されていたそうです。

メディアを通して次の暮らしをデザインするトランローグは、
会場に出展者を訪ね、取材しました。

現代とは異なる空間、しかも過去に人が暮らした邸宅での展示は、美術館・博物館のようにミニマルで均質な空間とは異なる制約やノイズがあるものの、会場のすべてに対して好奇心全開で臨む来場者との間で、テンションの高い良好なコミュニケーションが交わされる、・・・そんな印象を受けました。
また、「新たな分野を切り開こうとする芸術・文化・先端技術の集結」のなかには、確かに不可解に感じられるものもありましたが、それらと向き合うことで、自分のなかの知識、経験、感情などが、未来を語るキーワードを求めて一斉に動きだす・・・そんな知的興奮を味わいながら、自然と次の暮らしについて考えさせられてしまうクリエイティブ・フェスティバルでした。


Hopeful monster|高島マキコ|アーティスト
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エントランスの前庭で、女性とその変容体の幻影らしきものに、足を止められました。

作品は、人々の恐怖心から生み出された妖怪に着目し、現代に生きる女性の不条理・恐怖を具象化したものらしい。
女性が嫉妬から蜘蛛へと変身させられたギリシャ神話上の生物を土台としながら、ダナ・ハラウェイ(1944年ー/米国/科学技術の進展をフェミニズムおよびジェンダーの視点で考察)が、女性の抑圧や可能性を表現するために引用したサイボーグについて、再探求しているのだとか。
ギリシャ神話でライオンの頭・ヤギの胴・ヘビの尾をもち口から火を吐くキマイラ、あるいは、生物の一個体内に同種あるいは異種の別個体の組織が隣り合って存在するキメラ現象が、解放をもとめる被抑圧者の存在について考える機会を与えてくれるそう。
作品の前部には、実際に人が着脱することができる加速度センサが組み込まれ、体の傾きに連動して妖怪が変化するとのこと。
グロテスクななかにキュートなものが同居しているように見えましたが、女性ならではの、高島さんならではの思想と表現が、さまざまに解釈されならがも、インパクトのあるメッセージとして未来の扉を開けたように感じました。


Imagine The Number of Photons./ Meditation Room |脇田 玲|アーティスト
ツール開発:水野雄基
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屋外のアプローチ脇の小屋と、本館地下にある茶室のような空間に配置された映像装置は、光の変様について表現しているように見えます。

科学的なシミュレーションを用いて、映像、インスタレーションなどの現代美術へと展開する脇田さんが表現しているのは、遥か太陽から降り注ぐ光の粒子、フォトン(光子)と視覚世界に関係するようです。
映画館のような暗い部屋でさえ、指先には1秒間に4,000億個ものフォトンが降り注いでいるという。日光の下では10万倍とか。
フォトンと、それを反射、屈折させる地球上の物体と、人の目から脳までの器官の相互作用によって成り立つ、見える、見るという現象、行為。
質量も体積も電荷もゼロ、というフォトンが、人の光受容体を通して電気信号に変わり、イメージを結像させるといった、科学的解釈の不思議。
映像作品を見ながら、宇宙と人の緻密で壮大なシステムについて思考を巡らせ、目の前を飛び交うフォトンの数を想像する。
いま「見る」は、過去の「見る」とは、一味違った楽しみに変わりつつあるようです。
地下にある空間は、修行の末に光子を見ることができると言われるチベット・インド仏教の高レベルな瞑想者と真逆のアプローチ。つまり、光子の存在を意識することからから悟りに至る最初の一歩を踏み出すための瞑想の部屋だとか。体感してみたくなりますね。 


glow ⇔ grow|TAKT PROJECT|デザインスタジオ
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ラグジュアリーなシャンデリアを、ちょっとクリエイティブな雰囲気にアレンジしたもの?、と思いきや、これまで見たことのない機能を内包したLED作品でした。

光で固まる樹脂を、上から発光体の周囲に滴らし、LED光線で硬化させるといった原理で、ゆっくりと姿かたちを変化させるインスタレーション。
TAKT PROJECT曰く「光る事で成長し、成長する事で光が変わる」「姿かたちを完成させるデザインではなく機能が新たな機能を生んでいくそのプロセス自体のデザイン」なのだとか。
彼らは作品を、自然とも人工とも言えない成長、自律的成長を促すような制御、完成しない未完成が続く存在として捉えているようです。
一般公開される前日、プレスプレビューを訪ねたため、作品は成長を始めたばがり。
終わりのない造形は、光の変化も相まって、過去、現在、未来と、周囲の環境を含めて変容させていく楽しみに気づかせてくれます。


Vestige|松山祥樹|プロダクトデザイナー
制作協力:株式会社アルファテクニクス
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技術やサービス、ライフスタイルなどの変化によって、新たな空間やものが誕生し、今まで当たり前のようにそこにあったものがなくなっていく。
そんな無常観をベースに、新たに誕生する空間のなかで、慣れ親しんだ面影を残しながらスタイリッシュに生まれ変わった冷蔵庫やエアコンのような作品。静かな存在感とでもいうべき印象をもって佇むようにデザインされているようです。
電機メーカーでプロダクトデザイナーとしても活動されている松山さんは、日頃から新しいもの、未来のものについて思考を巡らせるなかで、変わらないものについても、興味や愛着を感じながら、ものと対峙されているのかもしれません。
詩的に未来をかたちにして見せてくれる作品を前に、気づくと「こんな冷蔵庫があったら欲しいな」「こんなエアコンがあったら面白いな」と消費欲求さえ駆り立てられてしまう展示でした。


altag|mmm + Kenta Tanaka|インタープリター
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スペイン式洋館のバスルームにおける、空間と音の、実像と虚像の関わりを解き、結ぶ、《altag》と呼ばれる実験なのだとか。
「音は動くものとものの接点で発生し,その輪郭を形作るように存在しているの対して、《altag》は、空間に音をつける,名づける行為を通して,世界の捉え方を音を中心に再設計する試み」「私的空間に留まり、漂い続けてきた想いや音、時間の歪みを音で再構成することで、空間の中で時間を行き来する体験を創り出す」のだそう。
この作品は、盲学校の子どもがタッパーにものを入れ、シャワーや包丁でまな板を叩く音などの効果音を楽しむ「音のままごと」を基に、現場のバスルームや世界中のさまざまな場所で収録した音を再構成して空間に配置する空間音楽なのだそう。
冷んやりとしたノスタルジックなバスルームが《altag》によって変質し、時間を旅することができる、未来の乗り物、体験装置のようでした。


echo|echo project
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地下にある、配管が剥き出しとなった機械室のような部屋で、トルソーが纏う黒いコート。基盤や配線を思わせる意匠から、ICTギアではないかと想像させられます。

服自体が発信する信号により、空間やものとの距離を計測しながら、反応が振動として伝わることで空間を認識することのできる身体器官としての“echo wear(上写真・上)”と、手のひらに装着し、手のひらサイズの白杖を目指した“echo band(上写真・下)”
「echo」をテーマに空間と呼応する服を製作したのは、暗闇のなか、視覚障害者の案内で、視覚以外のさまざまな感覚やコミュニケーションを楽しむソーシャル・エンターテインメント“ダイアログ・イン・ザ・ダーク”の檜山晃さん。そして、メディアアート、データアートといった研究開発要素の強いプロジェクトを中心に、見たことのない表現を追求するライゾマティクスリサーチ。さらに、新たなテクノロジーを積極的に用いた服づくりを行うアンリアレイジの3者。
見えないことを楽しむ服だけど、見た目にも刺激的で、着たい、体験したいと思わせるスタイリング。視覚に頼りすぎず、視覚とは異なる刺激を楽しむことができる、次の暮らしが垣間見えました。


アルゴリズミック・クチュール キメラ|Synflux(川崎和也+佐野虎太郎+清水快+藤平祐輔)/川崎和也(スペキュラティヴ・ファッションデザイナー)
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スペイン式洋館の1階、エントランス脇にある応接室のような空間に、ハイエンドなドレスが並んでいると思いきや、モニタ上には、昆虫や爬虫類から菌類といった生物が映し出され、よく見ると服にも、その気配が感じられます。
これらの作品、活動は、20世紀になり、大量生産・大量消費へ舵を切ったファッションが、同時に大量廃棄へと追い込まれる事態を目の当たりにして、生産システムそのものの更新を迫られている、といった問題意識を背景としているようです。
情報と生命、自然と人工が混ざりあう「キメラ的身体(ギリシャ神話でライオンの頭・ヤギの胴・ヘビの尾をもち口から火を吐くキマイラ、あるいは、生物の一個体内に同種あるいは異種の別個体の組織が隣り合って存在するキメラ現象)」のイメージを探求することを目的としているのだとか。
AIによるコンピュータ・プログラムとして問題を解くための手順を定式化したアルゴリズム、バクテリアの生成力を活用する生物実験によって培養されたバイオマテリアル、そしてデザインの創造力の融合による「次のファッション」の可能態(現実的存在へと発展する前の可能的存在)を思索しているのだとか。
これら、次の暮らしのデザインは、ものづくりのアイデア発想法から生産方法までの革新を目指すと同時に、私たちのファッションや服に係る既成概念まで変革してくれそうです。


工藝族車|HUMAN AWESOME ERROR|アートコレクディブ
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鍛金(たんきん)という叩いて成形する技巧によってつくられた重厚な銅板と、HONDA CBX 400F。明らさまに異質なものの組み合わせと、不思議と馴染む佇まい。一体何が始まったのか?
蔡海(チェ・ウミ)さんが設立した、工芸家と芸術家のコレクティブHUMAN AWESOMME ERRORが作品に込めたキーワードは、「工芸」「族車」「旧車會(きゅうしゃかい)」。
「工芸」は、主に手作業によって美的側面を追求した実用品、と解釈してみましょう。「族車」は、暴走族風の改造車の一種。 「旧車會」は、古いオートバイを入手して「族車」に改造し、集団走行などを行う団体。
「工芸」取り分け「民藝に代表される伝統工芸」と「族車」は、これまで全く無縁でしたが、実はとても親和性が高いようです。作品を見ていると、両者ともに大量生産や大量消費、大衆といった画一的なものへの否定あるいは問いかけであるように思えてきます。大袈裟に書けば、両者ともに現代社会への叫びであり、救いである、とも言えそうです。しかも、それぞれ孤立した叫びではなく、ひと回り大きな合唱となって響き合っているからビックリ。手厚く保護されることも多い文化と、煙たい目で見られることもある文化の組み合わせの意義は奥深く、大発見です。
無縁であったり、正反対であったり、対立するかもしれないもの同士を繋げたりしながら、それぞれに硬直していた価値観や評価、既成概念を解き放ち、新しい視点や世界観、可能性が提示されているようです。
これこそが、HUMAN AWESOMME ERRORの目論見のようです。
彼らの活動原理は、「技術と文化の歴史が、人間の美意識にもたらす変化を感じとり、見過ごされていた角度から人々の想像力を広げること」とのこと。


漂流物と紙|田中義久 大原大次郎|グラフィックデザイナー|
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スペイン式洋館に設えられた床の間。それだけでも興味津々ですが、床の間に散りばめられているのが漂流物というから、さらに知的好奇心をそそられます。
床の間の天井から吊り下げられた木の枝は、モビールのようなタイポグラフィ作品を数多く手がける大原さんの真骨頂らしく、雄弁に語りかけてくるように見えるから不思議です。
床の間の畳の上の糸巻き。書院の上の欠片。違い棚に敷き詰められたさまざまな素材の欠片。床脇の針金。ものは空間のなかで、このように視覚言語化して見せられる、あるいは非言語的コミュニケーションできる可能性があるんだ。そんな希望が湧いてくる作品でした。
軸に見立てられた和紙その他については、次のように解説されていました。
「徳島で制作した和紙の作品を中心に構成する。山形、徳島、葉山など、大原がレジデンス先で採集してきたマテリアルを抽出し、身体性もって紙へと集約させた和紙は、墨流し、落水など、手漉きの技法と作用させながら、多様な色彩や質感を集積、身体の痕跡と共に、文字や図像とは異なる視覚原理を内包し、新たな紙としての生態系を予見させる」とのこと。
伝統的で格式のある空間に、現代の日用品などの廃棄物の欠片。未来の日常では、そんな時間、空間、ものの組み合わせを、心から楽しい、と感じることができるかもしれません。


予想外の美|鈴木啓太 [PRODUCT DESIGN CENTER]|プロダクトデザイナー
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エントランス正面に展示された、ラグジュアリー感溢れる金箔の素材は、スペイン式洋館にぴったりの伝統工芸品と思いきや、コンテンポラリーな素材と表現の探求から生まれたもののようです。
透明なアクリルの裏には金箔、さらに漆が塗られ、性質が安定しているアクリルとは異なり、漆は乾燥とともに収縮し、金箔にひび割れを起こさせるのだとか。これは、江戸時代に刀の梢の装飾などに用いられた「ひび塗り」という技巧を現代に甦らせた、ある工房の手によるもの、とのこと。
鈴木さん曰く、20世紀以降今日までは、世界中が均質化された「コントロールの時代」なのだとか。
ある種の反省から、豊かな表情や多様性、唯一無二であるプロダクトの必要性を感じたのでしょう。生活のスタンダードとして100年後に残るプロダクトを思考した結果、「時代によって変化し続け、美しさを更新していく素材や技法の追求」に至ったそうです。
変化するから楽しく見飽きない。未来はもっと、愛着の沸くものに囲まれているかもしれません。


MIST|大城健作|デザイナー
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スペイン式洋館にも、現代のミニマルな空間にもフィットする白い壁。
大・中・小の、白い小さなモザイクタイルで構成された白い壁は、「見る角度や位置により動的な効果が生じ、空間に新しい知覚を呼び覚ます。あたかも霧の粒子が宙に浮いている瞬間を切り取ったような深みのある表情を生み出します」とのこと。
ミラノにデザイン事務所を構える大城さんは、家具を中心に数多くのインテリアブランドから商品をリリースしているそう。
未来をつくり出すデザイナーのアプローチはさまざま。
大城さんは、この作品を通して、色も形も大きさも、これ以上単純化できない条件のもと、見る人の気づきによって表情豊かに変化する空間を追求しているかのようです。
MISTというネーミングも、禅や和菓子の創作作法などとも共通する、ミニマルでクリエイティブな世界観を補完しているようで、作品を一層魅力的に見せてくれます。


サウンドインスタレーション ”クロック。触聴覚による時間感覚の拡張"|サクマカイト バティック|サウンドアーティスト
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屋外庭園に設けられた“つくばい”と呼ばれる手を洗うための鉢の水音が、2階の部屋へとトランスポートされているという。
流木のような、動物のような木の椅子に座ると、音は骨を伝わって体内に響く感覚を味わえる。
屋外と屋内。壁で仕切られた部屋と部屋の間で、分断されたり、かすかに繋がる感覚を得たり、さらには、ここにいたであろう亡霊の気配をきくことで、自らの実在について思考し、自我を触り集める祈りの空間となる。これは「聴覚の拡張をめざす人体実験」なのだそう。
未来では、時間や空間を超え、触覚や聴覚による体験を通して、自我を確認することが大きな楽しみになっているかもしれません。


もう一つの海景|立石従寛|美術家・音楽家|写真:立石従寛、顧剣亨
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映像作品は、不変の象徴として海を捉える杉本博司(1948年ー/写真家)の『海景』への呼応作品なのだとか。
インスタグラムから地域(#atlanticseaや#caribbeanseaなど)と状況(#foggyseaや#oceansunrise)に基づくハッシュタグを選定。そして、これに紐づく膨大な画像を収集。さらに、人工知能によって分析し、ひとつのイメージへ再構築する手法をとることで、人工知能の視る海景。つまり、人間の社会概念が切り出されて観察できるのだそう。
人工知能の視る海には、常に人の像が浮かび上がるのだとか。それは、投稿者の生活、思想、美学が、それぞれの海に反応したものだそう。
人工知能を活用することで、人々の行動からその奥に潜む人々に共通の指向や思想までもが明らかにされる時代のようです。


S³|平川紀道|アーティスト
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作品は、4次元ユークリッド空間における3次元球面を2つの座標系で可視化したものなのだとか。
平川さんの創作の出発点には、「球という幾何学形態は『任意の点から等距離にある点の集合』と簡単に説明されるが、それを可視化した時に顕れる視覚的な複雑さのギャップは、純粋に驚きであるだけでなく、「美」の生まれるところを示唆する」という発見があったようです。
美の生まれるところは、自然や文化ばかりでなく、超球面座標系やホップ座標系といった3次元球面とその再現にもある。さらに、偉人が導き出した定義や公式のシンプルな美。それを再現した複雑・多様な美しさ。単純と複雑について、同時に美的感動を味わうことができることに、気づかせてくれる作品でした。


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2020.04.21

2020年 田んぼをつくろう!災害に強い社会をデザインしよう!

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▲動画で田んぼづくりを学びましょう!

photo, movie:  Tomoyori Kazuko + Tranlogue Associates
text: Sugita Motohiro + Tranlogue Associates


新型コロナウイルスに感染された方とご家族には、慎んでお見舞い申し上げます。
また、医療関係者ならびにエッセンシャルワーカーの皆さまには、心より感謝申し上げます。

トランローグは、“Design, Workshop, Mediaを通して、次の暮らしをデザインする” をスローガンに、2009年から房総の工房前の田んぼで、“田植えワークショップ(田植え体験)”を開催してきました。
“無農薬+100%有機肥料+天水+湧き水+手作業+天日干し”による米づくり”です。

12年目の今年は、コロナ感染防止のため、田植えワークショップを中止しますが、食料買い占めパニックが起こる今だからこそ、米の自給自足について考えていただきたいと思い、田んぼのつくり方をご案内します。
▲冒頭の動画で、田んぼづくりを学びましょう!

田んぼづくりは難しくありません。
また、米は何千年と連作し続けてきた食糧で、ポイントを押さえれば、簡単かつ安定的に収穫できることを、歴史が証明しています。

家族や友人など、地域を越えて交流しながら米づくりを行うことで、災害に強い社会をつくることもできるはずです。

A.C.(After Corona)元年に際して、
田んぼづくりから、次の暮らしをデザインしていきましょう!


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▲3つに区画した田んぼごとに最適な水深を確保するため、水位を調整する小さなダムをつくります。
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▲田んぼの中で藻が繁殖し、日照を遮り、水温を下げないよう、藻を濾過するジオフィルターを設置。殺菌効果が期待でき、田んぼの近くに植樹すると、いい米ができると言い伝えられる杉の葉を使用。殺菌効果はともかく、藻や雑草の種の濾過には効果的です!
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▲“1人1年分の米づくりワークショップ”のための約50坪の田んぼ
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一般社団法人 里山ソーシャルデザインを設立しました!

2018年までの10年間、国や自治体からの助成金をいただかず、WWOOF方式(*1)で実施してきましたが、ボランティアに頼る運営方法には限界があると考え、2019年からは、これまでの参加メンバーで、一般社団法人 里山ソーシャルデザインを設立し、運営を引き継いでいます。

同法人は、千葉県睦沢町を拠点に「都市と農山漁村の共生・交流を通して、双方の人々が精神的・文化的に充足した暮らしを営み、地域の振興・活性化ならびにまちづくりに寄与すること」を目的として活動しています。

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こども宅食に米を寄付します!
トランローグは、従来通り米づくり作業を行い、経費の一部を負担しています。
また、トランローグは、2018年から文京区のこども宅食に米を寄付しています。今年も寄付する予定です。
こども宅食向けの草取りから脱穀までは、従来通りWWOOF方式で運営・実施します。


1人1年分の米づくりワークショップを開催しています!
今年も“1人1年分の米づくりワークショップ”が、千葉県睦沢町のふるさと納税の対象になり、1組の家族が1人1年分の米の消費量60kgの収穫に挑戦します。
米づくりを体験したい方、将来自給自足に挑戦したい方はぜひご参加ください。

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過去の様子はこちらから。


家庭菜園で米をつくろう!
家庭菜園での米づくりについては、こちらから。


過去の田植えの様子は、次のページでご覧いただけます。
2019年(第11回) 2018年(第10回) 2017年(第9回) 2016年(第8回) 2015年(第7回)  2014年(第6回) 2013年(第5回) 2012年(第4回) 2011年(第3回) 2010年(第2回) 2009年(第1回)その1 その2


*1 WWOOF(Willing Workers On Organic Farms)方式は、人手の必要な農作業に協力いただく参加者から労働力を提供いただく代わりに、参加者へ農作業のノウハウと食事や飲み物を提供する、相互扶助の仕組みです。

*:当ワークショップでは、2〜3時間程度の時間内で、休憩を入れて楽しみながら作業しています。
「田植えワークショップ」は毎年ゴールデンウィーク最初の日曜日(2020年の今年はコロナ感染防止対策として中止)。「稲刈りワークショップ」は毎年敬老の日(9月第3月曜日)の前日の日曜日を予定しています。天候その他の理由で変更する場合があります。


関連記事:ワークショップ Workshop 01 米作り/家庭菜園

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